夢や希望をもつ
受験において、奇跡が起こる可能性は非常に低いです。
「偏差値30から難関校に合格!」というのは、奇跡です。
その奇跡が起こった原因は、ひとつです。
「どうしても〇〇に合格したい」という強い思いが大きなエネルギーとなり、それが常識を覆したからです。
受験が近づき、このままではまずいと思ったり、将来の夢が見つかったりなど、何かしらきっかけがあって「よし、勉強しよう」と行動に移せるものがないと人は動きません。
子どもは、ちょっとしたきっかけで、○○に合格したいなどの「夢」や○○したいなどの「希望」ができると、思わぬパワーを発揮することがあるのです。
物事に感動できる心を育む
夢や明確な目標を持つことができれば、子どもは自分の意志で勉強するようになります。
親や先生に、「勉強しろ」と言われて、嫌々やっているわけではありません。
勉強が楽しくなるのです。
夢や目標を持つには、自分なりの喜びや楽しいことを見つけられる心、物事に感動できる心を育む必要があります。
毎回プレッシャーをかけられていると、本当は身の回りに楽しいことがいっぱいあるのに、
それを感じ取る感覚がなくなってしまうのです。
「私はこうなりたい」という夢や目標は、楽しいと思える感覚がなければ、出てくるわけがないのです。
「もし、そうなれたら楽しい」と思うからこそ、目標にするのです。
夢や希望が持てない子が、自主的に勉強しようという意欲を持つはずもありません。
最近は、無気力になっている子どもが増えています。
こうした子どもにまず必要なことは、感動する心を取り戻せるように、心のケアをしてあげることです。
子どもの「夢」を聞いてあげる
親御さんにお聞きします。
子どもが学校や塾のことを毎日のように話してくれますか?
「〇〇になりたい」などと将来の夢を話してくれますか?
例え話です。
Aちゃんのお母さんは、教育熱心です。
Aちゃんの偏差値は40台なのに、「何としても〇〇中に」と、有無を言わせず猛烈に勉強させていました。
そして、最初のうちはいつもニコニコしていましたが、受験が近づくにつれて笑顔が消え、
ほとんど会話をしてくれなくなっていきました。
Aちゃんが何か言おうものなら、お母さんは、「くだらないこと言ってないで勉強しなさい」の一点張り。
ですから、「何か口にすれば叱られる」という思いが植えつけられ、話すことさえできなくなってしまいました。
結局、親の意向で実力以上の中学ばかりを受験し、すべて不合格という残念な結果を招いてしまいました。
本来、子どもは「あれやりたい、これやりたい」とたくさんの夢を持っているものです。
それさえ口にできないと、子どもは心を閉ざし、やる気など出るはずもありません。
こどもの「あれしたい、これしたい」という思いを、頭から否定せず、「それは楽しそうだね」と、一旦は受け止めてあげて欲しいのです。
そうすることで、子どもは、自分が受け入れられることを認識し、「だったらもっと頑張ろう!」という自主性が芽生えるのです。
この自主性こそが、実は成績を上げるために不可欠な要素なのです。
子どもの将来について親子で一緒に考え、文章だけでなく写真や絵もたくさん用いて目に見える形で夢を表現し、子どもの人生観を親子で共有することで、自己実現を促進してあげてください。
これが、お子様の夢に耳を傾け、成績が上がるきっかけになればいいですね。