甘甘塾と辛辛塾
サンライズの中学生たちは、ほぼ全員岡山朝日高校志望です。
毎年朝日高校合格者を見てきて、朝日高校のような上位校を目指すのであれば当然、と感じることをお話します。
大学受験の現実
高校受験で努力の末、念願の上位高校に入学したとします。
上位の進学校であれば、1年間受験生のお子さんを支えたご家族の喜びも大きいと思います。
おじいちゃんもおばあちゃんも「すごいね!」と喜んでくださることでしょう。
この時点で大学受験のことまで考える人は少ないでしょうが、
「まあ高校は適当にやって、大学はどこかその辺でいいや」なんて考える人はいません。
「上位高校に合格できたのだから、有名大学に合格できるかも」
考えるとすれば、ほとんどの場合こちらです。
しかし、中堅以上の大学に合格できるのは全員ではありません。
例えば、東大合格者数が最も多いと言われる開成高校に合格した人たちは、当然大学は「東大」を目指すだろうと思いますよね。
でも、実際に現役で合格できるのは3割ほどです。
「開成に合格=東大にいける」ではないということです。
岡山でも、上位校に合格できたからといって、「それなりの大学」に合格できるだろうという考えは甘いのです。
甘甘です。
「そんなことはわかっている」方も一定数いらっしゃると思いますが、そうではない方も少なくないと思います。
現に、高校1年の志望校で「東京大学」などの上位大学と答える生徒はかなり多いです。
学年の半分は下位という現実
高校に合格して、しばらくはその余韻に浸れると思います。
しかし、それも最初の定期考査までだと思います。
周りは、中学とは違って学力上位層の集まりです。
一部の学校を除き、ほとんどは中学校ではトップクラスの成績だったはずです。
ところが、中学の時は学年トップクラスだった成績が、300人ほどの集団の中で、定期考査の結果が280番・・・。
かなりショックを受けると思います。
そこまで悪くなくても、150番以下は「全体の半分より下」つまり「下位」ということになります。
自分はできる方だと思っていたのに、そうではないと。
高校に合格することがゴールだと思っていると、その後の現実を受け止めにくくなるのです。
だからこそ、中学の段階から「朝日高校の合格ボーダー」を越えるかどうかの勉強をしてはいけないのです。
ここまで納得された方は、以下をお読みください。
定期テストで「〇〇点アップ!!」
「定期テストで5教科450点」と聞くとすごいと思いますか?
当塾では「普通」です。
よく、「★★中 数学で30点アップ!」というような貼ってある塾がありますが、それは例えば60点が90点になったというように元々の得点が低かったということを表しています。
しかも、それが1つだけでなくバンバン貼ってあるような塾から、430点や450点を取るような子を見ると、「とんでもなくできる子」になります。
そして、「よくできるね。これだけあれば絶対に合格できるよ!」という大甘の評価になることでしょう。
でも、当塾は違います。
定期考査で450点あっても、本当に力があるとは思っていないので、厳しい目で見ます。
「できる子」と甘やかすことはありません。
そもそも400点くらいは当塾では平均以下なので、「え?!」となってしまいます。
校内の400点以上の割合って結構多いですよね。
上位校を目指すのであれば、「大勢の中の一人」では「よく頑張ってるね」とはならないのです。
480点以上取る子もいますが、「今後どういった勉強をすべきか」を見極めて、アドバイスします。
「もう十分」などということはあり得ません。
でも、こういった視点は重要だと思いませんか?
「通知表は9教科合計で40くらい(オール5だと45)」も普通です。
学校の授業をきちんと受けているのであれば、40は取れるはずです。
「学校の課題ができない」「授業態度が非常に悪い」「定期テストが難しい」
というような状況では、そもそも上位校に向いていません。
高校入学後を見据えて
それなりに勉強をすれば、朝日高校に行けるかもしれません。
でも、あんまり考えていない甘甘塾にいると、その後のことがわからないんですよね。
当塾の生徒の親御さんは、私の考えをよく理解してくださっているので、
「このままでは朝日高校は厳しいですか?」
と相談をされたとしても、親御さんとしては「合格できるかどうか」を聞きたいわけではないんです。
当然、「朝日高校入学後も上位で活躍できるほどの力を身につけられているか」という視点なんですね。
ここまでで、サンライズがすごく厳しい辛辛塾に見えるかもしれません。
でも、想像してみてください。
自分の子どもが頑張って上位校に合格したのに、高校では3年間深海魚になってしまったらどうしますか?
私は、指導した生徒がそうなって欲しくないと強く思います。
【深海魚とは】
中高一貫校で成績が最下層の生徒のことを例えた呼称です。
成績が向上できない様子を、光の当たらない深海で生息する魚類に例えています。
「深海魚」と呼ばれる由来は、入学後に勉強しなくなり成績を下げた生徒が底に沈んでなかなか上がってこない様子にあります。
学校を海、成績を海の深度(深いほど悪い)、生徒を魚に例えています。
「深海魚」は、中学受験で使われる用語ですが、高校受験でもあり得ます。
「深海魚」になる生徒は、ギリギリで入学するから落ちこぼれる、あるいは、たとえ目標を達成したとしてもそのあとに生じる虚脱感を指す場合もあります。