岡山朝日高校 学力検査自校作成問題・数学 平成17年度(2005年度)入試 解説

岡山朝日高校学力検査自校作成問題・数学 平成17年度(2005年度)入試解説

【岡山朝日高校過去問解説シリーズ】

2005年度(平成17年度)岡山朝日高校入試の数学の解説です。問題は岡山朝日高校公式HPからダウンロードしてください。あくまで【解説】なので、どのような思考・手順で解けばよいのかに重点を置いています。解答は単位を省略している場合があります。まずは時間を測りながら、自力で解いてみて、その後に読むようにしてください。途中式や計算、証明問題などで簡単なところは省略している場合があります。記述問題の解答は、岡山朝日高校公式HPにある解答例を参考にしてください。問題の難易度を★の数で表しています。★1~2個の問題は必ず解けるように。目安時間以内に解ければ、制限時間45分以内に完答できるでしょう。

※スマートフォンでご覧になると、数式が文字化けしている場合があります。その際は、最下部にて「モバイルバージョンを終了」すると正常に見ることができます。

目次

大問1【目安時間:6.5分】

①★文字式の計算【目安時間:25秒】

前年度と同様、よくある分数の引き算です。

分数ですから、まず通分をするのですが、以下のように間違えて方程式を解くように分母の最小公倍数をかけてしまわないようにしましょう。

<【文字式の計算】と【方程式の解法】を混同してしまった間違いの例>

$\frac{3x-4}{2}-\frac{x+2}{3}$

$=3(3x-4)-2(x+2)$

通分する際は、【1つの分数としてまとめる】でしたね。

分配法則によりカッコを外す際には、符号に注意すること。

以下の計算では、$4y$の前の符号(+)になります。

(与式)=$\frac{3(x-y)-2(x-2y)}{6}$

$=\frac{3x-3y-2x+4y}{6}$ 

$=\frac{x+y}{6}$・・・(答)

②★平方根の計算【目安時間:30秒】

平方根の計算問題ですが、【式の展開】も利用します。

あとは素早く$a\sqrt{ b }$の形にできるようになっておくとよいでしょう。

(与式)=$(3\sqrt{ 2 }+\sqrt{ 3 }-\sqrt{ 2 })(2\sqrt{ 2 }+3\sqrt{ 3 }-4\sqrt{ 3 })$

=$(2\sqrt{ 2 }+\sqrt{ 3 })(2\sqrt{ 2 }-\sqrt{ 3 })$$(a+b)(a-b)$の形になっている

=$8-3=5$

$(a+b)(a-b)$の展開、因数分解の公式はよく活用するので、重要です。

③★2次方程式【目安時間:25秒】

2次方程式の問題です。

少しでも時間短縮につながるように、計算の工夫があると良いでしょう。

まずカッコを外します。

$x^2-12x+35-2x^2-62=0$・・・①

これを整理すると、

$-x^2-12x-27=0$・・・②

となると思いますが、マイナスが邪魔なので、

$x^2+12x+27=0$に直しますよね。

この手間を省くために少し頭を使いましょう。

①の式を整理する際に$x^2$の前にマイナス(-)がつくと気づいたら、

②の式を書かずに、逆の符号に変えた式を書きましょう。

あるいは、右辺に移項したと考えても良いでしょう。

こんな感じ。

$0=x^2+12x+27$

慣れればややこしくないです。

あとは2次方程式の解法通り、因数分解を考えます。

$x^2+12x+27=0$

$(x+3)(x+9)=0$

$x=-3,-9$・・・(答)

④★★確率【目安時間:3分】

確率の問題です。

パターンで解き方を覚えている人は要注意です。

$a,b$の目の出方の組み合わせは全部で$6×6=36$(通り)

$b=2a$となる組み合わせは、$a=1,2,3$を代入していけばOK。

$b$が6になった時点でストップ!

$(a,b)=(1,2),(2,4),(3,6)$

の3通りです。

よって、求める確率は

$\frac{3}{36}=\frac{1}{12}$・・・(答)

次に、$b$が$a$の倍数になる確率について考えます。

1~6までの数で、

1の倍数は、1~6の6個

2の倍数は、2,4,6の3個

3の倍数は3,6の2個

4~6の倍数はそれぞれ1個しかありません。(合計3個)

以上の合計は14個

よって、$\frac{14}{36}=\frac{7}{18}$・・・(答)

⑤★★★平面図形【目安時間:3分】

平面図形の問題です。

図形問題は、複数の基礎知識を活用して解くことが多いので、

知らないものが一つでもあれば解けないでしょう。

図形問題を解く際には、必ず与えられた条件を図に書き込んでから考えましょう。

まず、AMの長さから。

これはあっという間にできてしまうかもしれません。

AB=ACより△ABCは二等辺三角形です。

MはBCの中点です。

このことから気づきましたか?

二等辺三角形の性質に

二等辺三角形の頂角の二等分線は、 底辺を垂直に2等分する。

というのがありましたね。

ということは、AMはBCの垂直二等分線ということになります。

基礎知識を活用できるかどうか、ここで問われているわけです。

まだまだあります。

AM⊥BCより△ABMは直角三角形であるとわかりました。

$AB=\sqrt{ 2 }$

$BM=\frac{1}{2}BC=1$

だから、直角三角形の辺の比【1:1:$\sqrt{ 2 }$】が当てはまることになります。

よって、AM=1 ・・・(答)

次が少し難しいと思います。

角度でまずわかるのは、先ほどの直角三角形の辺の比が当てはまったことから、

△ABM,△ACM,△ABCは直角二等辺三角形なので、

∠ABM=∠ACM=45°

台形よりAD//BCだから、平行線の錯角は等しいことより

∠DAE=∠ACM=45°

ここまではわかると思います。

DからBCに垂線を引いた交点をHとすると

△DBHにおいて、DH=1,BD=2がわかるので、

直角三角形の辺の比【1:2:$\sqrt{ 3 }$】を利用して、∠DBH=30°がわかります。(*)

これに気付ける人が少ないので、★3つにしました。

平行線の錯角より∠ADE=30°

よって、∠AED=180°-(45°+30°)=105° ・・・(答)

<別解>(*)の後から

△ABEにおいて

∠ABE=∠ABM-∠DBH=45°-30°=15°

∠BAC=45°より

∠AED=90°+15°=105° ・・・(答)

これは、「三角形の2つの内角の和は残りの内角の外角に等しい」ことを利用しています。

以上、2005年度(平成17年度)岡山朝日高校入試の数学大問1の解説でした。

他の年度の大問1の解説も参考になると思います。

大問2【目安時間:8分】

①★★方程式の利用【目安時間:3分】

方程式の利用(文章題)の問題です。

<連立方程式を利用した解法>

一般的にはこちらの解き方になります。

昨年度の男子の参加者数を$x$人、女子の参加者数を$y$人とすると

\begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} y – x = 130 \\ \frac{5}{100}x + 22 = \frac{4}{100}(x+y) \end{array} \right. \end{eqnarray}

$\frac{105}{100}x + y+22 = \frac{104}{100}(x+y)$ ・・・①とする人もいるかもしれませんが、

どちらの方が計算が楽かは明らかだと思います。

①の式で解こうとする人は、これまでも同じような式で解いていますよね。

それよりも【増減】に関して立式した方が計算が楽なのでおススメです。

連立方程式を解く過程は省略しますが、加減法でも代入法でも良いと思います。

気を付けないといけないのは、求めるのが「今年度の男子の参加者数」だということ。

$x$の値を求めてそのまま答えとしないようにしましょう。

②★★平面図形【目安時間:5分】

(ア)相似の利用

△ABCと△MBAで

∠Bが共通で、∠BAM=∠Cより

2角がそれぞれ等しいので、△ABC∽△MBAということがわかります。

よって、対応する辺の比は等しいことからABが求められます。

$AB=x$とすると、

$x$:2=4:$x$

$x^2=8$

$x>0$より

$x=2\sqrt{ 2 }$ ・・・(答)

(2)直角三角形の辺の比の利用

∠B=60°から直角三角形の辺の比が使えるとピンとくればOK。

点Aから辺BCに垂線を引いた交点をHとすると、

△ABHは【1:2:$\sqrt{ 3 }$】の直角三角形です。

AHを求めれば、△ABCの面積が求められます。

AH=$2\sqrt{ 2 }×\frac{\sqrt{ 3 }}{2}$

=$\sqrt{ 6 }$

よって、△ABCの面積は

$\frac{1}{2}×4×\sqrt{ 6 }=2\sqrt{ 6 }$ ・・・(答)

以上、大問2の解説でした。

大問3【目安時間:10分】★★

平面図形の問題です。

① ★円周角の定理の利用

問題にある「点Aを含まない弧BCの長さは、円Oの円周の長さの2/3である」がヒント。

∠BACは、点Aを含まない弧BCに対する円周角であるので、

$180×\frac{2}{3}=120$

② ★証明問題

模範解答を参照。
四角形ABDCにおいて円に内接する四角形の対角の和は180°であることを利用して、
∠BDC=180°-∠BAC=180°-120°=60°
でもOK。

③ ★★円の面積、直角三角形の辺の比

△OBDにおいて、点Oから線分BDに垂線を引いたとき、垂線と線分BDの交点をEとすると、

DE=$\frac{7}{2}$、∠ODE=30°より
OD=$\frac{7\sqrt{ 3 }}{3}$
よって、円Oの面積は、
$π(\frac{7\sqrt{ 3 }}{3})^2=\frac{49π}{3}$

④ ★★空間図形

体積が最大となるとき、A,O,Dは一直線上になる。
BCとADの交点をFとする。
△BCDの面積は、
$7×\frac{7\sqrt{ 3 }}{2}×\frac{1}{2}=\frac{49\sqrt{ 3 }}{4}$
高さは
AF=$\frac{14\sqrt{ 3 }}{3}-\frac{7\sqrt{ 3 }}{2}=\frac{7\sqrt{ 3 }}{6}$
よって
$\frac{49\sqrt{ 3 }}{4}×\frac{7\sqrt{ 3 }}{6}×\frac{1}{3}=\frac{343}{24}$

以上、大門3の解説でした。

大問4【目安時間:15分】

① 一次関数の直線の式

A,Bの座標から、まずは傾きを求め、切片をbとおいて点Aの座標を代入するとよいでしょう。

② 動点の問題

OCの長さは、三平方の定理を利用して10㎝となるから、OからCを通ってBまでの長さは15㎝となる。
よって、点Qの速さは毎秒1㎝となり、点Qが点Cと一致するのは、出発してから10秒後だとわかる。

③ 点と直線の距離

模範解答参照。この面積を利用した解法を使う問題は、頻繁に出題されているため、ぜひ使えるようにしてほしい。

④ 動点の問題

動点の問題での記述問題は、高校数学でもよくある「場合分け」を使う。
ここでは、3つに場合分けして、ⅰ)$0<t<\frac{5}{2}$のように表す。
ⅰ)やⅱ)やⅲ)というのは、1,2,3のことですね。

⑤ 動点の問題

④や⑤の記述問題のように、高校数学でも出てくるような解答がよくあります。
「条件に適する」「条件に適さない」といった文言は、忘れずに入れること!

以上、大門4の解説でした。

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