なぜ学ぶのか?

 

自学力 塾長の指導観・受験観

山口県萩市にある「松下村塾」

初めて訪れ、目にした時には鳥肌が立ったのを覚えています。

数々の名言を遺した吉田松陰の言葉として次のようなものがあります。

およそ学をなすの要は己が為にするあり。己が為にするは君子の学なり。

人の為にするは小人の学なり。

吉田松陰 講孟余話

意味は

学問をする上で大切なことは、自分を磨き自分を高めることにある。

自分のためにする学問は、しっかりした人間を志す人の学である。

人にほめられるためにする学問は、とるに足らない人の学である。

「自分を磨くこと」が学ぶこと、勉強の目的であると言っています。

学校では「なぜ学ぶのか」という学問をするための大前提について語り合うことはないでしょう。

テストで良い点を取って褒められるため、受験のため、一流企業への就職のためなど、「学ぶ」ということの本質を突き詰めるまで深めることが少ないように思います。

そして大人になれば、勉強する理由が出世のため、仕事のためなど多様化していきます。

しかし、「学ぶ」ことの本質は一つです。

松下村塾で吉田松陰が塾生たちと共になされた最初の問答は

「何のために学ぶのか」ということ。

塾生たちに一人ずつ問い、その答えを聴いて、それぞれの学ぶ理由を語るのです。

そしてそれぞれの理由を褒めたたえた後に吉田松陰は「学べない人たちのために学ぶのだ」と諭します。

そして次の言葉に続きます。

「学は人たる所以を学ぶなり」

つまり「学ぶ」とは、「人の生き方を学ぶこと」。

学ぶということの目的が薄れてきた現代において、何のために学ぶのかという吉田松陰の問いかけは何よりも大切な示唆を与えてくれるように思います。

160年経っても少しも色あせない吉田松陰の言葉は、これからの我々の生き方のお手本になるかもしれません。

小崎 高寛

県立岡山朝日高校受験に特化した進学塾サンライズ塾長。岡山県岡山市出身。岡山市北区に2005年3月開塾。「算数・数学徹底塾」に変わり、最も得意な上位層対象、難関高受験に特化した「岡山朝日高校受験専門塾」に至る。1歳児から高3までを対象とし、自主自律をモットーに、難関大学受験を見据えた指導、幼児~高校を通じて生涯役立つ「考える力」「自学力」を伸ばす。以来、中3の大半が岡山朝日高校に合格だけでなく、大学進学でも東大・東工大・阪大・名古屋大・九州大・岡大医学部医学科・慶應大・早稲田大など超難関国立大・有名私立大の合格実績を残している。「自学力の育て方」(KADOKAWA)など3冊を共著出版。塾長・講師ともに全員岡山朝日高校出身。岡山中央小学校、岡山中央中学校出身。

関連記事