「この子はすぐ調子に乗るんです。だからあまり褒めないでください」
というお母さんは多いです。
でも、ちょっと考えてみてください。
たとえば、スポーツ選手が調子の波に乗って活躍しているのを、
「調子に乗るな」という人は誰もいません。
むしろ、もっと調子良くなって欲しいと思うはずです。
同様に、子どもが調子づいて勢いが出るのを止めることも誤りです。
もっといい気分で努力を続けられるよう、
励ます方がいいに決まっています。
但し、勘違いして欲しくないことが一点。
「図に乗った」ときは、私は厳しく叱ります。
「図に乗る」というのは、
「自分は頭が良いから、あまり勉強しなくてもいいんだ」と考え、
努力することを止めたときです。
確かに、頭の回転が速く、物覚えがいい子はいます。
しかし、より高いレベルを目指して、常に努力を続けないと、
気の緩みは即座に成績の下降となって表れます。
「調子に乗る」と「図に乗る」は、似ているようで、
まったく意味が異なります。
その見極めが大事です。
勉強嫌いだった子が少しわかるようになっただけで、
見違えるように意欲的になり、
成績が急上昇することは日常茶飯事です。
せっかく生まれた小さな意欲を消すことなく、
大きく育てるように心がけましょう。