子どもをやる気にさせる親の心得とは
調子に乗るなら、更に調子に乗せて
「この子はすぐ調子に乗るんです。だからあまり褒めないでください」というお母さんは多いです。
でも、ちょっと考えてみてください。
たとえば、スポーツ選手が調子の波に乗って活躍しているのを、「調子に乗るな」という人は誰もいません。
むしろ、もっと調子良くなって欲しいと思うはずです。
同様に、子どもが調子づいて勢いが出るのを止めることも誤りです。
もっといい気分で努力を続けられるよう、励ます方がいいに決まっています。
但し、勘違いして欲しくないことが一点。
「図に乗った」ときは、私は厳しく叱ります。
「図に乗る」というのは、「自分は頭が良いから、あまり勉強しなくてもいいんだ」と考え、努力することを止めたときです。
確かに、頭の回転が速く、物覚えがいい子はいます。
しかし、より高いレベルを目指して、常に努力を続けないと、気の緩みは即座に成績の下降となって表れます。
「調子に乗る」と「図に乗る」は、似ているようで、まったく意味が異なります。
その見極めが大事です。
勉強嫌いだった子が少しわかるようになっただけで見違えるように意欲的になり、成績が急上昇することは日常茶飯事です。
せっかく生まれた小さな意欲を消すことなく、大きく育てるように心がけましょう。
レベルアップ
子どもは、ゲームが大好きです。
なぜ好きなのか。
それは、主人公が成長してレベルアップしていくのが楽しいからです。
あるいは、点数を稼いだり、アイテムが増えていったりすることも楽しいと感じる要素になります。
子どもは、レベルアップすることが大好きです。
ただ、勉強に関して、レベルアップしている実感は少ないのではないでしょうか。
テストの点数や偏差値、順位など、数字となってはっきり表れるものがあります。
でも、その数字ではなかなか気持ちが動かない子もいます。
成績が良い子は、目標を小さくし、小さな達成感を味わいながらレベルアップしていく喜びを知っているのです。
例えば、高さ1メートルの階段は登れませんが、10センチくらいなら登れるでしょう。
大きな目標も小さく分解し、達成感をたくさん味わえるようにすると楽しめるようになります。
小さな目標
自分から進んで勉強する子に育てるには、達成感を感じさせてあげることが重要だと考えています。
そもそも達成感とは、夢や目標がなければ味わうことはできません。
様々な課題や苦労を乗り越えて初めて、達成感は得られるのです。
夢や目標があるからこそ、人は苦労も辛抱できるのです。
逆に言えば、夢や目標なしに、子どもは頑張ることができないのです。
ただし、いきなり「夢や目標を持って勉強に取り組め」と言ってみたところで、できる子は、まずいません。
ですから、達成感を感じさせることで、「やればできるんだ」という感覚を、たくさん経験させてあげるのです。
たとえば、「これから勉強を頑張る」というような抽象的な目標を持つのではなく、「算数のドリルを1日1ページやる」「1週間で漢字20個覚える」というように、達成したことがわかる目標を持つとよいでしょう。
目標を明確にすると、子どもが取り組みやすいのです。
また、目に見える行動ですから、子どもがやっているのを見かけたら親も、「偉いねえ」と褒めてあげやすいはずです。
「ほめられるからうれしい」=「もっとがんばろう」というサイクルができれば、子どもはドンドン意欲的になります。
現状に満足せず、より上を目指させるには
成績が上がって、子どもが喜んでいる時には、「すごいね~!こんなにできたんだから、次はもっと上にいけるよ!」と褒めてあげてください。
「え~無理だよ~」と言っても、子どもは満更でもない表情をします。
よくないのは、「またこんなところ間違えているじゃない」「ここができるようになったら、もっと成績が上がるはずよ」と言うことです。
とにかく子どもに「自分はできるかも」「自分はもっと上にいけるかも」と思わせることが大切です。