子どものやる気を引き出す親の心得
子どもが勉強に取り組む姿勢ややる気を引き出すことは、親にとって非常に大切な課題です。
特に、小学生や中学生の子どもを持つ親御さんは、子どもの成績が伸び悩んだり、やる気が続かないと悩むことも多いでしょう。
今回は、子どものやる気を上手に引き出し、成績向上につなげるための親の心得について詳しくご紹介します。
調子に乗せて子どものやる気を引き出す
「うちの子、すぐに調子に乗るから、あまり褒めすぎないようにしています」という声はよく聞かれます。
しかし、褒めることで子どもが調子に乗るのは決して悪いことではありません。
むしろ、やる気が出てきた時こそ、その勢いをさらに後押しすることが重要です。
たとえば、スポーツ選手が絶好調のときに「調子に乗るな」と言う人はいないでしょう。
それどころか、もっと活躍してほしいと期待するはずです。
子どもの場合も同様で、やる気が出たときには、その波に乗せてさらに褒めてあげることが大切です。
褒められることで自信がつき、さらに前向きに勉強に取り組むようになります。
しかし、「図に乗る」こととは区別しなければなりません。
「図に乗る」とは、子どもが自分を過信し、「これくらいで十分だ」「もう頑張らなくてもいい」と思い込んでしまう状態です。
これは勉強において非常に危険であり、親としては厳しく指導しなければなりません。
「調子に乗る」ことと「図に乗る」ことは、似ているようでまったく異なる意味を持ちます。
親としては、子どもが良い調子で頑張っているときは励まし、努力を怠り始めたら適切に叱るというバランスを取ることが大切です。
ゲーム感覚で楽しむ「レベルアップ」の実感
子どもが大好きなものの一つにゲームがあります。
ゲームでは、キャラクターが成長して強くなる過程や、アイテムを集めてスコアを伸ばしていく楽しさが大きな魅力です。
この「レベルアップ」の感覚を勉強に活かすことが、子どものやる気を引き出すポイントとなります。
しかし、勉強においては、レベルアップを実感することが難しいこともあります。
たとえば、テストの点数や偏差値といった数字が目に見える結果として表れる一方で、これらが子どもにとって実感として湧きにくい場合もあります。
特に、成績があまり良くない子どもにとっては、数字の上昇がモチベーションに結びつかないことが多いでしょう。
そこで、親ができることは、小さな目標を設定し、その目標を達成するたびに「レベルアップ感」を味わわせることです。
たとえば、「今日は算数のドリルを1ページ終わらせる」「今週は漢字を10個覚える」といった、達成しやすい具体的な目標を設定してあげましょう。
こうした小さな成功体験を積み重ねることで、子どもは「やればできるんだ」という自信を持ち、次のステップに進む意欲が高まります。
また、こうした目標設定の際には、勉強だけでなく日常生活においても達成感を味わえるように工夫することが重要です。
たとえば、「宿題を終わらせたら好きなテレビ番組を見てもいい」「1週間で本を2冊読む」といったルールを作り、目に見える形で進捗を確認できると、子どもは自分の成長を実感しやすくなります。
小さな目標で大きな達成感を育てる
やる気を引き出すには、達成感を感じさせることが重要です。
しかし、子どもにとって「大きな目標」を掲げるのはハードルが高く、逆にプレッシャーになってしまうことがあります。
そこで、まずは小さな目標を設定し、それを達成する喜びを味わわせることが効果的です。
たとえば、「毎日20分間、集中して勉強する」「1週間で漢字20個を覚える」といった具体的で達成可能な目標を立てることがポイントです。
こうした小さな目標をクリアすることで、子どもは次第に自信を持ち、大きな目標にも挑戦しやすくなります。
また、親が目標達成をしっかりと認めてあげることも大切です。
子どもが何かを達成したときは、すかさず「よく頑張ったね!」と褒めてあげましょう。
褒められることで子どもは「次も頑張ろう」と思うようになります。
この「褒める→やる気が出る→さらに頑張る」というサイクルを作ることが、子どものやる気を持続させるためのカギとなります。
現状に満足せず、次のステップへ進ませる
子どもが成績を上げ、何かを達成したときには、その喜びを一緒に分かち合い、次の目標を見据える手助けをしてあげましょう。
「すごい!これだけできたんだから、次はもっとできるよ!」と励ましの言葉をかけることで、子どもは「自分はもっと上を目指せるかもしれない」と感じるようになります。
一方で、子どもがミスをしたり、期待通りの結果が出なかった場合には、否定的な言葉をかけることは避けるべきです。
「ここがまだできていないじゃないか」と指摘するのではなく、まずはできた部分をしっかりと認め、「次はここを頑張ろう」と前向きな声かけをすることが大切です。
子どもにとっては、親からの評価が大きなモチベーションとなります。
だからこそ、成績が上がった時も下がった時も、どのように声をかけるかが非常に重要です。
特に、小学生や中学生の子どもにとっては、親の励ましが次のステップへの原動力となることが多いのです。
学習塾の活用と親のサポート
やる気を引き出すための手段として、学習塾の活用も有効です。
学習塾では、プロの講師が子どもの学力に応じた適切な指導を行い、目標達成に向けたサポートをしてくれます。
また、他の生徒と切磋琢磨する環境が、子どものやる気を引き出すきっかけになることも少なくありません。
さらに、親としても、子どもが塾で学んだことを家庭でしっかりとフォローすることが大切です。
塾での勉強を家庭学習にうまく取り入れ、日々の学習習慣を身につけさせることで、より高い成果が期待できます。
たとえば、「塾でやった問題をお家でも復習しよう」「先生に褒められたことを、家でもやってみよう」といった声かけをすることで、塾での学びを家庭でも活かすことができます。
まとめ:子どものやる気を引き出す親の姿勢
子どものやる気を引き出すためには、調子が良いときにはその勢いをさらに後押しし、図に乗らないように気をつけながら適切なサポートをすることが大切です。
小さな目標を立てて達成感を味わわせることで、子どもは自然と自信を持ち、勉強に積極的に取り組むようになります。
また、親としての役割は、子どもの成績ややる気に対して常に前向きな姿勢で接することです。
子どもの成長を見守り、適切なタイミングで褒めたり励ましたりすることで、長期的な学力向上につながります。