子どもの言葉は肯定的に受け止める
Aちゃんのお母さんが不満顔で言いました。
「うちの子は最近、お笑い芸人になりたいなんてバカなことを言うんです」
みなさんは、こんなとき、どう対応しますか?
「そんなことを考えていないで勉強しなさい!」と言うか、何としても勉強しないといけない職業に変えさせる(ように仕向ける)親もいるかもしれません。
もし、Aちゃんが次に「私、大人になったら美容師になりたい」と言い出せば、お母さんは、「何を言っているの。あなたはすぐに言うことが変わる。大学に行きなさい。」と、聞く耳を持たずに言うかもしれません。
こんなことを続けていると、子どもは、「私のことは何もわかってくれない」と考え始め、「何を言っても否定されて無駄だし、怒られるから何も言うのはよそう」と、自分の感じていることを話さなくなっていきます。
私なら、「そうなったら楽しそうだね」と受け止めて、「じゃあ、どうすればお笑い芸人になれるか自分で考えてごらん」と子どもに話します。
子どもの夢はコロコロ変わっていきます。
でもそれでいいのです。
毎日、そのときの「ああしたい」を口に出せる環境が、夢を持ち、やる気を出す習慣につながっていくのです。
安心してください。
子どもは意外と現実的です。
自分の頭で考えさせると、「やっぱり大学に行こう」と思い直し、また机に向かい始めることがほとんどです。
受験という高いハードルに挑んでいる最中なら尚更、他の事に気をとられると、親としては心配になることもわかります。
でも、少し辛抱して子どもとの会話に付き合ってあげてください。
「お母さん(お父さん)は自分のことを理解してくれる」「自由に何でも話せる」と思える居心地の良い環境にいると、子どもは精神的に安定していきます。
「そうだね」
夢や目標を達成するには、その夢を情熱的に人に話すことです。
夢を口に出すことで、自分を奮い立たせることにもなるのですが、前提として、その話を必ず聞き続けてくれる人が必要です。
偉人と言われる人たちは、最初は「そんなこと、できるわけがない」と思われるようなことを実現してきました。
だからこそ、歴史に名を残しているわけです。
子どもが抱く夢も、大人から見れば、「そんなバカな」と思えるものがほとんどです。
でも、頭ごなしに否定しないでください。
一度は子どもの話を、「そうだね」と受け止めて欲しいのです。
否定され続けると、子どもは自分の考えや夢を話さなくなります。
そして、殻に閉じこもろうとしてしまいます。
最悪なのは、「お前は勉強して、いい学校に入れば、やりたいことができるんだから・・・」などと理屈で説き伏せることです。
子どもに理屈は通用しません。
納得しないことに前向きに取り組むわけがありません。
では、何が子どもを目標に向かわせるのか。
それは、共感と信頼です。
「この人は私のことを大切に考えてくれている」「愛されている」と共感できるから、「自分が大切にしたい人を喜ばせたい」と思って、努力するのです。
だからこそ、子どもにとって最高の聞き役になってください。
子どもの夢の実現の半分は親のかかわりによるものなのです。