価値観を押し付けない
子どもが間違っていたことをしていたら大人が注意をして正すのは、その通りだと思います。
甘やかしてばかりではいけない、その通りだと思います。
でも、大人の価値観をあまり押し付けるのはどうかなと私は思うのです。
これは、あくまで私個人の意見です。
ですから軽く聞き流してください。
1か月前のある日の授業での出来事です。
低学年の子が私に
「こんなの学校の授業の方がマシだわ」
と言ってきました。
指導者にとってこれは非常に失礼だと感じる言葉かもしれません。
厳しく注意する方もいると思います。
親に対しても「親の躾がなっていない」と説教をして、即退塾とする方もいるかもしれません。
言葉だけだと、その子が腹を立てて言っているように聞こえますが、別に怒っているわけでもなく、いやいややっているわけでもなく、ごく普通にぼそっと発言したのです。
あまりにしれっと言われたので一瞬驚きましたが、私が返した言葉は、
「あ、そう?そっかあ。」
その言葉だけ。
別に言い返すこともありませんでした。
もちろん、子どもに悪気があっての言葉ではないとわかっています。
失礼な言動はよくないと正す躾もあると思いますが、私は子どもには「思ったことを発言できる」ことも必要だと思っているのです。
だから、私はあえて「ダメだ」とは言いません。
最近、安芸高田市議会の話題がよく取り上げられています。
高齢の議員に向かって、市長が発する言葉は、議員にしてみればカチンとくる発言が多いかもしれません。いや、腹が立つでしょう。
でも、媚びを売ったり、発言を遠慮しようとして結果何も言えないという風潮は、それまでの経験の中で、「これは言わない方がいい」「言うとダメな気がする」など、空気を読んで発言し、周りに合わせて生きるという、日本人の良いところでもあり、悪いところでもあると思います。
先ほどの低学年の子は、私の授業がまだどんなものかよくわかっていないのかもしれません。
学校の授業とは違うので、慣れない授業にふと「慣れた環境」の方がよいと言ったのかもしれません。
だから、私もさほど気にならなかったのです。
今は、その子は「授業が楽しい!」と笑顔で帰っていきます。
難しいことができた時の喜びや達成感を感じて、今は充実しているようです。
価値がわかるようになったら、子どもも変わるんです。
この話、お父さんにしか共感してもらえないかも(笑)