結果じゃないよ!過程だよ!
2学期が始まり、「夏休みの頑張りをテストで測る」というイベントが始まっています。
その成績を見て
「うちの子はこのままではまずいのでは?」
と塾を探す親も少なくないと思います。
塾を探している親御さんに、その理由を聞くと中には
「国語の点数がすごく悪かったので・・・」
と成績や結果について言われることはありますが、
「国語の〇〇を勉強したけれど・・・」
などと、それまでの過程を言われる方はほとんどいないように思います。
国語の勉強をしていないから悪かった、ということなのかもしれませんが・・・。
テストの結果だけを褒めるとやる気がなくなる
試行錯誤しながら学ぶ力は、本来誰にでも備わっています。
しかし残念なことに、子どもは成績だけを褒められると、かえって学ぼうとする意欲を削がれてしまうのです。
子どもはもともと単純に「楽しい」という理由から頑張るのですが、頑張った内容には触れずに結果だけを褒められ、更にご褒美まで与えられたりすると、「点数しか見ないんだな」「自分がやっていたことはご褒美のためだったのか」と、楽しい気持ちが損なわれてしまうのです。
コロンビア大学の実験でも、子どもの頭の良さをほめると子どもたちは意欲を失い、成績が低下することがわかりました。
結果だけに注目するのではなく、取り組んでいる中身や子どもの取り組み方そのものに気を配ってあげることが大切です。
親が子どもの考えを詳しく聞いたり、面白いアイデアや問題の解き方などに関心を向けると、子どもは自分の考えを深掘りしていこうと思えるようになります。
深掘りの意欲を伸ばすには?
どんなことも前向きにとらえる
「学習する」とは、今までわからなかったことがわかるようになることです。
であれば、失敗も成長のひとつだと思えませんか?
結果が振るわない時には、どこが足りなかったのか、何が問題だったのかを一緒に振り返り、
「わかるようになってよかったね」
「ほら、一歩前進だ」
と声をかければ、こどもの自尊心を傷つけずに伸ばすことができるでしょう。
子どもに質問をする
「なぜだと思う?」
「自分ではどう思う?」
「それってどういうことかな?」
と色々質問してみましょう。
子どもは質問されることで、自分の理解不足に気付いたり、自分が知りたいこと、やるべきことは何なのかを自分の頭で考えるようになります。
ただし、質問するときに注意しなければならないことがあります。
それは、結果を問い詰めるような聞き方をすることです。
(詳しくは「3つのオープンクエスチョンとは?」をご覧ください。)
自分の頭で考えられるようにするには、質問による促しが最も効果的だと考えています。
親の好きな分野と話をからめる
対話の内容を子どもの興味に限定する必要はありません。
子どもが取り組んでいることに対して、親の得意な分野や好きな分野とからめて話すことで、様々なヒントで視野を広げてやれば、子どもはそれを頭の中でつなげ、いろいろいじくりまわして、柔軟な思考力を育むことができます。
専門家の言葉に触れる
親が何でも子どもより詳しい必要はありません。
親が答えられないようなことは、専門家に話を聞くと、子どもにとってもためになります。
子どもが興味をもつ分野があれば、周囲で自分より詳しい人を探し、子どもが交流できる機会を作るのはどうでしょうか。
SNSを通じて、詳しい人とつながって、子どものために直接質問してあげるのもよいでしょう。
また、そうした番組や本などで専門家の言葉に触れるのも、子どもの知的好奇心を刺激します。