「おみやげ算」で楽しむ算数:小学生にも分かる数学の世界

はじめに:「おみやげ算」とは?
お子さんが算数に興味を持って楽しく学べるような方法を探していますか?
「おみやげ算」とは、2桁同士の掛け算を簡単に暗算できる計算方法です。この計算方法を使えば、小学生でも19×19までの掛け算を暗算でスラスラできるようになるそうです。
この方法では、片方の数字を「おみやげ」として分けることで、計算をシンプルにするのが特徴です。たとえば、
16×15を計算する場合
① 15の一の位の5を「おみやげ」として16に加えて21とする
② 21×10=210
③ 一の位同士をかけて 5×6=30
④ 210+30=240
このように、片方の数をうまく調整して計算することで、従来の筆算よりもシンプルなステップで答えを導き出せます。
この計算テクニックは、中学生で習う文字式や小学生で習う面積の概念などを応用して証明をすることができますが、今回は特に小学校低学年のお子さんでも簡単に理解できる方法をご紹介します。
みなさんでも、この「おみやげ算」を使えば、暗算が楽しくなり、数字に対する自信を育てることができるでしょう。
おみやげ算の証明:具体物で理解
算数が苦手な子どもでも、目で見て理解できればグッと分かりやすくなります。 「おみやげ算」の仕組みも、ただ数字だけで説明するのではなく、具体的な物を使うとイメージしやすくなります。ここでは、ドット棒を使った説明で、おみやげ算の計算方法を視覚的に理解する方法をご紹介します。
ドット棒を使って「16×15」を考えてみよう
「16×15」を計算するとき、おみやげ算では 「21×10+6×5=240」 という形に変換しました。これをドット棒を使って説明すると、次のようになります。
まず、縦に16個、横に15個のドット棒を並べます。

次に、横の15個を10個と5個に分け、5個の部分(B)を90度回転して、10個の部分(A)の下に配置します。


このとき、左右に分かれた2つの部分(★と◆)で考えると、★は「21×10=210」、◆は「5×6=30」となり、合計して「240」になります。

このように、視覚的に考えると、なぜこの計算が成り立つのかが自然に理解できるのです。
具体物を使うことで算数が楽しくなる理由
数式だけを見て考えるよりも、実際に手を動かして考えるほうが、記憶に残りやすく、理解が深まります。 特に、低学年の子どもは、視覚的にイメージできると計算の意味がすんなり頭に入るため、次のような方法を活用するのがおすすめです。
✅ おはじきや積み木を使って数の関係を体感する
✅ 紙に図を描いて、形の変化を目で見て理解する
✅ 自分でブロックやドット棒を並べて計算の仕組みを考える
特に、おみやげ算のように「数を分ける」「置き換える」といった考え方は、算数の基礎力を高めるのに役立ちます。子どもが自分で手を動かして「なるほど!」と納得できると、算数に対する苦手意識も減り、計算が楽しくなるはずです。
次の章では、おみやげ算を通じて、算数の学びを深めるために親ができることを紹介します。
算数の学びを深めるために親ができること
おみやげ算をはじめとする算数の考え方を身につけるには、家庭でのサポートがとても大切です。子どもが「算数って楽しい!」と思える環境を作ることが、学びを深める大きなカギになります。 親ができるサポートとして、次の3つのポイントを意識してみましょう。
① 計算の正解よりも「考え方」に注目する
算数の勉強というと、「正しい答えを出すことが大事」と考えがちですが、それ以上に「どのように考えて答えを導き出したか」が重要です。
たとえば、おみやげ算を使って16×15を計算したとき、
✅ 「どうして21×10+6×5に変えたの?」
✅ 「どういうふうに数字を分けたらやりやすい?」
✅ 「ほかに違う計算方法はあるかな?」
こんなふうに、子どもが自分の考えを言葉で説明できるように促してみましょう。 答えが合っているかどうかよりも、考え方を言葉にすることで、数学的な思考力が自然と鍛えられます。
② 具体物を使った学習を取り入れる
前の章で紹介したように、算数を学ぶうえで、目で見て理解できることはとても大切です。家でも簡単にできる工夫を取り入れてみましょう。
✅ 積み木やブロックを使って計算の仕組みを考える
✅ おはじきや豆などを並べて数の分解を体感する
✅ 図を描いて、数の変化を視覚的に理解する
たとえば、「今日は15×15を計算してみよう!」とブロックを並べながら計算の仕組みを一緒に考えると、算数がゲーム感覚で楽しくなります。
③ 「算数は日常の中にある」と伝える
算数は、学校の授業だけで学ぶものではありません。日常生活の中で、自然に数学的な思考を育てることができます。
✅ 買い物で「3つで100円のお菓子、1個はいくら?」と考える
✅ 料理で「200gの小麦粉を2等分すると?」と計算する
✅ 時計を見ながら「今から30分後は何時何分?」と考える
このように、日常の中でさりげなく算数の考え方に触れる機会を作ることで、子どもは「算数って生活の中にあるんだ!」と気づき、学ぶことが楽しくなります。
まとめ:算数を楽しく学ぶ環境づくりが大切
おみやげ算のような暗算法は、単に計算スピードを上げるだけでなく、数の分解や法則を学ぶのに役立ちます。親ができるのは、「正解を教える」のではなく、子どもが自分で考え、試し、発見できる環境を作ること。 計算がスムーズにできるようになると、算数に対する自信がつき、他の数学的思考力も自然と伸びていきます。
今日から、ちょっとした工夫で「算数って面白い!」と思える学習環境を作ってみませんか?
算脳トレ:具体物を使った学習法
「算脳トレ」の授業では、今回のおみやげ算の証明のように具体物を使って算数の概念を理解させます。
ドット棒などの教具を使うことで、かけ算だけでなく面積の概念も自然と理解できるようになります。
長さを理解するためには、実際の長さを測って㎜、㎝、mを感覚でつかみます。
重さは身の回りの物を実際にはかりで量って、g、kgの違いを明確にします。
これらは「できて当然」と思われている親が少なくないのですが、算数が苦手な子どもは、幼児・小学校低学年期に数や量の概念が理解できていないままになっているため、気づいた時には最初から戻って、基礎からやり直すような時間はないのです。
算脳トレでは、幼児~小学3年生の間に、算数で必要不可欠な数量概念を身につけることで、算数や数学が得意になる授業です。

まとめ:算数がもっと楽しくなる
算数が苦手な子どもでも、「おみやげ算」のような計算テクニックを知ることで、数字に対する自信がつきます。 そして、計算の仕組みを理解することで、算数がただの「計算問題」ではなく、パズルのように楽しいものだと感じられるようになります。
また、具体物を使った学習や、日常の中での算数の活用を意識することで、子どもが自然に「なぜこうなるの?」と考える力を伸ばせます。親が「答えを早く出すこと」ではなく、「考えること」を大切にすれば、算数に対する苦手意識も少しずつなくなっていくでしょう。
算数の学びは、計算の正確さだけではなく、「考える力」を育てることが大切です。 ぜひ、おみやげ算を通じて、お子さんが算数をもっと楽しめる環境を作ってみてください。 算数が得意になると、子どもの「できた!」という喜びが増え、学習へのモチベーションも自然とアップします。
家庭でのちょっとした工夫で、算数の世界がぐっと広がります。今日から、おみやげ算を親子で一緒に楽しんでみませんか?
