前回、中学生になって様々な課題に直面しないよう、小学生のうちに身につけておくべき3つの力のうちの一つ、自学力について話しました。
今回は、残り2つの力のお話です。
前回のお話はこちら↓
国語力
国語力の中でも最大の関心事は、読解力ではないでしょうか。
読解とは、何が書いてあるのか、筆者の言いたいことは何なのか、文章を正確に読み取ることです。
更には、文章をまとめる力⇒要約力、
自分の考えを相手に伝える、文章を作る力⇒作文力
論理的に説明できる力⇒論理力
などが身につけば尚すばらしいですね。
まずは、ほとんどの子に不足している読解力を身につけることを考えていきましょう。
読解問題の解き方は、他の科目と同じです。
数学のように、解法・規則性・公式があると思ってください。
そして、そのルールを使いこなせるように演習を積み重ねることで、成績アップにつながります。
しかし・・・それでも読解問題が思うようにできない!となる場合があります。
原因は語彙力不足!
例えば、「利己」「卑下」「針小棒大」「具体的」といった熟語は小学生の国語の問題でも登場してきますが、その意味が解らないと問題が解けないこともあります。
小学校、中学校では国語で困ったことはないが、高校の現代文になると、途端に文章の意味が解らなくなって、何が答えなのか検討もつかなくなったという経験はありませんか?
その原因の多くは、語彙力にありますよね。
読解力が身に付く前提要素として、漢字・文法があります。
中学校の国語指導だけでは、小学校のように漢字や文法に対して十分に時間がとれません。
だから小学校のうちに、語彙力を高める必要があるのです。
試行力→思考力
これからの時代に必要な知的能力とは何でしょう?
一時期、脳科学が大ブームになりましたが、脳科学という学問は、コンピュータでいえばハードを研究する学問です。
例えば、脳科学を使って頭をよくするとか、記憶をよくするというのは、CPUの処理速度を上げるとか、ハードディスクの容量を大きくするとかいうことになるでしょう。
しかし、どんなに高性能のコンピュータを買っても、あるいはハードディスクを大きなものに替えたり、CPUまで入れ替えたとしても、中に入っているソフトが冴えないのでは話になりません。
それどころか、ソフトが入っていなければ、ただの機械にすぎません。
認知心理学という学問は、コンピュータのまさにソフトを研究する要領で、人間の知能や認知について研究する学問です。
認知心理学でいうところの頭のよさというのは、問題解決能力の高さということになります。
コンピュータにしても、いろいろなソフトが入っていれば、いろいろな問題に対応できます。
辞書ソフトが入っていれば辞書機能が使えるし、翻訳ソフトが入っていれば翻訳もできます。
いろいろなソフトを入れるに従って、いろいろなことができるようになります。
確かに考える材料としての知識は大切ですが、知識が多いだけでは、現実の問題解決は困難で、それを加工・応用できる推論能力が重要となります。
記憶力というのは、知識を増やすために重要なツールですが、知識をひけらかすだけでは、クイズ番組に強くなれたり、話のネタが豊富な人として人気を得たり、異性にもてたりするかもしれませんが、仕事ができる人間になる、つまりサバイバルという観点では十分な能力とは言えません。
そう、皆さんもお気づきのように、知識の記憶だけであれば、AIの方が優れているのです。
そこで、自分のもっている知識を頭の中で加工して、その場、その場で仕事に適したソリューションを出すことができる推論能力や思考能力が重要だとされるわけですが、現代社会では、頭の中だけで考えることには限界があると思います。
コンビニでは、試してみて、これはダメだという話になると、すぐに店頭から引き揚げるそうです。
こういうことを常にやっていると、結局、コンビニには売れる物しか置いていないという状況を作ることができます。
試してみて、生き残ったものだけを売っているからです。
もちろん、それでも飽きられるでしょうから、売れなくなることもあるかもしれません。
そうすると、次の商品が試されます。
どこの場所に置いたら、一番売れるか、も試すことでわかります。
理屈ではこうなるはず、頭で考えたことではこうなるはずと、どんなに頭がいい人や、どんなに権威がある人が言ったところで、その通りにならないのが、今の世の中です。
世の中は、試してみないとわからないことが多いのではないかと私は思います。
いいか悪いかあれこれ言う人がいますが、やってみなければわからないのは確かなことです。
ただし、この発想の場合、やってみてダメなら元に戻すという潔さも必要でしょう。
大事なのは失敗することで勉強になったと思えること。
しかし、やってみることで、結果は出ます。
ダメならやめればいいだけの話です。
世の中、みんな実験なのだと思えば、逆に失敗も怖くなくなります。
大事なのは、失敗を織り込み済みにして、その後のフォローができたり、一度やった失敗を二度やらないとか、失敗することで勉強になったと思えることです。
私は、あれこれと頭で悩んでいるより、実際の行動に移して、答えを出す能力のことを「試行力」と呼んでいます。
そして、これからの時代は思考力より、試行力が大事なのだと思います。
真の理系人間というのは、どんな偉い学者や経営者の言うことでもうのみにしたり、信者になったりせずに、試してみないとそれが正しいかどうかわからないという実験的な考え方の持ち主です。
ニュートンを疑い、いろいろな実験を重ねなければアインシュタインは現れない。
誰の説かどうかより、試す価値があるかどうかで判断できなければ、サバイバルなどおぼつかないのです。
まとめ
3つの力とは?
① 経験や習慣から育まれる『自学力』
中学校の上位層の子の特徴 ⇒ 経験値が高い
■ なぜ経験値が高いと、成績が良いのか
- 既知の事項が多い
- 基本事項の理解に割く勉強量が少なくて済む
上位層>>>>>時間の壁>>>>>中位層
■ 成績が良い子は、なぜ経験値が高い?
⇒ 既に、小学校時代に学んで知っているから!
勉強の方法論の習得
小学生の間に・・・
- 勉強の習慣づけ
- 演習量を多くこなす習慣
- 学習計画を立てる習慣など
勉強に対する考え方
「一発屋」にならない!
② 『国語力』
国語において最大の関心事は、「読解力」
- 成績の挙げ方は、他の科目と同じ
- 数学のように、解法・規則性・公式がある。
⇒ 演習をこなすことで、成績アップにつながる
でも・・・読解問題が思うようにできない!
⇒ 原因は語彙力不足!
読解力が身につく前提要素として、漢字・文法がある
中学校の国語指導だけでは、十分に時間が取れない
⇒小学生のうちに、語彙力を高める必要がある。
➂ 試行力 ⇒ 思考力
「試行力」とは・・・
実際に行動に移して答えを出す能力
やってみなければわからない
「頭が良い」=知識量?
- 知識が多いだけでは、現実の問題解決は困難
- 頭の中だけで考えることには限界がある。
- 試してみて、ダメなら次の手を考える。
・その後のフォローができる
・一度やった失敗を二度やらない
・失敗することで勉強になったと思えること