まず最初に、ここで「英会話」あるいは「英会話教室」「英語教室」を否定するつもりはありません。
英会話教育が受験英語に通用すると思われることに警鐘を鳴らしたいのです。
英会話教室に通われている子は多いです。
中には、もしかすると「受験英語が得意になって欲しい」と思われている方もいるかもしれません。
今回の記事は、そういう方に読んで欲しい内容です。
英語が話せれば英語が得意になるはず!
もしかして、以下のように考えている方はいませんか?
「自分は中学までは暗記で英語が出来たけど、高校になったらいきなり難しくなって嫌いになった。」
→「自分の子どもには英語で苦労させたくない。」
→「だから英会話を習わせるのはどうだろう。英語が喋れれば、授業も受験もスムーズにいくはず。だって英語で考えられるんだもん。」
本当にそうなのか?
考えてみてください。
週に1、2回英会話を習って、そもそも『受験レベル』まで英語を喋れるようになるのでしょうか?
英会話を習う以上に、毎日、日本語のシャワーを浴びているのに、英語で物事を考えられるようになるのでしょうか?
違いますよね。
日本人である以上、頭の中は日本語で考えているのが普通です。
考える前に口から英語が出てくる。
それは理想ですが、普段日本語でないと物事をしっかり考えられませんよね?
例え喋れたとして、喋るだけでは受験で通用しません。
なぜなら私たちはみな日本語ペラペラですよね?
では全員、国語の偏差値が高いですか?
受験で100点取れますか?
違いますよね。
実際に、イギリスに10年以上在住している友人、当然ペラペラに英語が喋れますが、試しに共通テストの問題を解いてもらったら、点数が全然取れていませんでした。
長文読解もそうでしたが、和文英訳など本当に書けないんです。
日本語でもそうですが、喋れるだけでは点はとれません。
筋道をたてて思考したり、論理的に考え活用したりする力が必要になります。
早期英会話の限界
私たち親世代は英語に苦労した苦い記憶があります。
「ならば我が子には小さい頃から英会話を!!」
となりますが、ここに落とし穴があります。
早期英会話の限界は「思考を英語に出来ない。」ということです。
知ってるフレーズを増やすだけ、知らないフレーズは思考停止してしまう。
全て記憶をたどり、似た文の記憶を探す。
思考しているのではなく、思い出しているのです。
暗記には限界があります。
英語にもルールがあります。
英語という教科において思考する事が大事なのです。
今の英語教育は、この考えるという事をさせてくれません。
考える前に口から出なさいといけないのですが、これが出来る人は多くはありません。
慣れて覚える英語だと、英会話もなんとなく通じます。
しかし、
YES, I am.
YES, it is.
YES, I do.
の違いも分からないと。
なぜなら英会話なら「YES」だけで通じるから。
しっかり理屈を理解しないとダメなのです。
「どういう理由でその単語はここにあるの?」
と聞くと、
「分かりません。でもそう習ったので」
って普通に皆答えます。
受験英語と英会話は別物
英語に限りませんが、教科には理屈があります。
受験英語は、「英会話」ではなく、「教科」「勉強」ととらえた方が楽になります。
日本語とは文字が違う、単語が違う、語順も違う。そもそも頭の中の思考の順番も違う。
「それを覚えればオッケーでしょ」と考えてやっても結局は行き詰まるのに、英語で考えていけば・・・なんてもっとムリな話なんです。
英語という教科を日本語で思考することが大切なのです。
英会話を否定しているわけではありません。
「英会話教室」は『習い事』なんです。
習い事では、受験英語には通用しません。
受験英語を得意にさせるには、習い事ではなく教科学習として学ばせる必要があるのです。
小学校英語でも「話す」「聞く」を重視した結果、中学校英語でどうなったのか、その実態を「英語セミナー」でお話しします。
衝撃のデータを目にすることと思います。