子どもに使ってはいけないNGフレーズ7パターン
岡山朝日受験専門塾の塾長です。
前回、やってはいけないこととして、いくつか例を挙げましたが、それについて詳しくお話ししたいと思います。
とある朝のやり取り・・・
朝の忙しい時間帯。
『急いで子どもの幼稚園の準備をして、ご飯を食べさせないと。』
ふと子どもに目をやると、ご飯も食べず、おもちゃで遊んでいる。
「〇〇ちゃん!早くして!ママ忙しいんだから!」
只でさえ忙しいのに、なかなか思うように動かない。
「もう知らないよ!ママ(あなたを)置いて行っちゃうよ!」
このようなやり取りを経験されたお母さん(お父さん)は多いと思います。
本当は言いたくないんだけど・・・
そして、こんな結果になりませんでしたか?
親「もう知らないよ!置いていくよ!」
子「やだ!行く!」
子どもに言うことを聞かせるために、毎回毎回同じセリフ。
でも、これを言えばいうことを聞くので、ついつい使ってしまう言葉。
しかし、これはとても危険です。
そのうち、言っても聞かなくなる時がやってきます。
さあ、どうしますか?
子は親の鏡
面白いことに(親にとっては全然面白くないのですが)、子どもは親の口癖(?)をすぐに覚えてしまいます。
塾に姉弟で通う2人のお子さんのやり取りを紹介します。
ある日、お姉ちゃんと弟が遊んでいる時のことです。
姉「〇〇(弟の名前)!こっちおいで」
弟「はーい」
返事はするものの、一向に動かない弟。
するとお姉ちゃんは
「〇〇!おいで!もーーー!!!(怒)」
「行かないんだね!あっそ!もうチラナイ(知らない)!」
「もう置いていくからね!べーーーだ!」
傍から見ていると、お姉ちゃんの都合で無理やり引っ張られている弟はお姉ちゃんの理不尽な要求に振り回されているように見えてなんだか可哀そうに見えてきます。
お姉ちゃん自身も毎日のように言われている言葉ですが、言うことを聞かない時に使えば、相手は言うことを聞くだろうと何となく理解しているのかもしれません。
でも、これでいいのでしょうか?
子どもに使ってはいけないNGフレーズ
どういった言葉が、子どもの成長にとってマイナスになるのでしょう。
次の7つのパターンに分けることができます。
日頃使っている言葉はありませんか?
否定
例:「ダメ」「いけません」
自分の言動を否定されるということは、子どもの自尊感情を潰す可能性があります。
ルールを守るということは大切ですが、そのルールを理解できていない子に、ただ否定するだけでなく、なぜダメなのか?をしっかりと説明すること。
危ないと思ったら、その危険を回避する工夫をしてあげましょう。
急き立て
例:「早く」「グズグズしない」「急いで」「ちゃんとして」
常に急き立てられている状況下では、プレッシャーに弱くなってしまう可能性があります。
時間がかかるのであれば、早めに行動させたり、事前に何をするのかを伝えておいたりしましょう。
命令
例:「○○しなさい」「言うことを聞きなさい」「片付けなさい」
やりたいことができず、抑圧され続けると悪影響は必ず出ます。
キレやすくなる原因の一つでもありますね。
また、親からの指示・命令で動いてきた子は、自分で考えて行動できなくなってしまいます。
けなし
例:「ダメだねえ」「へただねえ」「バカだねえ」
当然ながら、けなし続けられた子は、自己肯定感が育ちません。
良い点を見つけ、できないことができるようになったことを褒めると良いでしょう。
比較
例:「お兄ちゃんなのに」「○○ちゃんはできるのに」
自己肯定感が低くなるばかりか、コンプレックスを抱くようになります。
兄弟姉妹で共通点もあるでしょうが、異なる点も沢山あります。
血が繋がっているから、同類であるということはありませんし、他人ができるから誰でもできるわけでもありません。
人は人、という考えを持つことです。
突き放し
例:「もう知らない」「いい加減にして」「勝手にしなさい」「もう嫌い」
いずれも本心ではないですよね。
何とか言うことを聞かせたいためのセリフ。
でも、大抵言うことを聞いてくれませんし、何度も使うことで子どもは慣れてしまいます。
解決方法として、1つは、どうやったら言うことを聞いてくれるか考え、実践してみることです。
但し、物で釣るのはおススメしません。
もう一つは、言うことを聞かせること自体が子どもを所有物化、奴隷化していると考え、子どもの意見を尊重し、子どもに判断させることです。
失敗もするでしょうが、それも含めて受け止めてあげる寛容さを持つことです。
クドクド・ネチネチ
例:「何度言ったらわかるの」「前も言ったでしょう」
自分はきちんと伝えたのに相手が理解してくれない状況は、子どもに限らず、大人の世界でもあることです。
何度言っても、伝わっていないのです。
理解できていないのです。
根気強く説明し、「なぜそうなのか」を伝えましょう。
子どもの能力を伸ばす子育てとは
一生懸命頑張って勉強すれば、ある程度の学力は身に付きます。
「どの子も努力すれば、必ず成績は上がります」という人もいます。
でも、それは『努力をすれば』『勉強をすれば』であって、実際は、『頑張ろうと思えない』「勉強しようとは思えない』子もいるわけです。
また、自由で伸び伸びと育って欲しいと願いながらも、命令したり、自分の思い通りに動かそうとしたりするのには、矛盾を感じます。
それから、子どもに勉強をさせる動機として、「勉強しなかったことで、社会に出て困ることのないように」というのも、NGフレーズが出やすくなるので注意してください。
幼児期の声掛けは、子どもに対する親の思いを伝えることになり、無意識のうちに刷り込まれていきます。
子どもの為を思うなら、「ことば」に対して気を遣う必要があるのではないでしょうか。