数学の証明問題のコツ

 

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数学の証明問題のコツ

SNSにてある中2の保護者からしつもんがありました。

『今、数学で、証明の問題をしています。何か、子どもが理解できるコツ等があれば教えて下さい。』

中2の数学の証明ということは、三角形の合同の証明が主だと思います。

サンライズで、指導している様子を動画でアップするのが一番かなと思いましたが、つい先日その授業が終わってしまったので、文章で説明します。

証明問題のみならず、国語や英語の作文は、文章の型を理解するとよいです。

3つの合同条件

ご存じの通り、三角形の合同条件は3つあります。

① 3辺の長さがそれぞれ等しい。

② 2辺の長さとその間の角がそれぞれ等しい。

③ 1辺の長さとその両端の角がそれぞれ等しい。

図形の中から、合同な三角形を見つけるコツは、上の3条件を意識しながら探すことです。

与えられた条件(仮定)を正三角形なら3辺が等しい、3つの角が等しいなど、全て図に書き込みます。

その後、例えば、2辺の長さが等しいまでわかった場合、考えられる合同条件は、①か②の2つに絞られます。

大抵の場合、3辺とも等しいということは少ないでしょうから、(残りの辺が等しいとは証明できないとわかれば、)②の条件を使うという道筋ができます。

初めに大まかな証明の道筋を決めておく

苦手な子でよく見られるのが、「証明を書きながら、考える」ということです。

証明は作文のようなものです。

書くことも決まっていないのに書けません。

思い付いたことをその順番で羅列してもダメ。

書く前に、予め頭の中で書くことをイメージしましょう。

  • どの三角形の合同を証明するのか。
  • 合同条件はどれを使うか。
  • どこが等しいのか。

特に、最後の「どこが等しいのか」は、説明しにくい場合もあるでしょう。

「頭ではわかっているんだけど、何て書けばよいのかわからない」というやつです。

これは、自分の言葉では書けないわけですから、模範解答を参考にするなどして、練習するとよいでしょう。

パターンが多くないので、書き方が徐々にわかるようになるはず。

さあ、証明を書こう!

証明が書けない子は、模範解答を見ても、うまく書けない子がいます。

証明の雛形を示しますので、その通りに書くことを意識してください。

【例題】

上の図で、AB//CD、AB=CDであるときAE=DEであることを証明せよ。

【解答】( )は行数

(1) △ABEと△DCEにおいて、

(2) 仮定より AB=CD・・・①

(3) AB//CDより、平行線の錯角は等しいので

(4) ∠EAB=∠EDC・・・②

(5) ∠EBA=∠ECD・・・③

(6) ①,②,③より、1辺の長さとその両端の角がそれぞれ等しいので、

(7) △ABE≡△DCE

(8) よって AE=DE

以上を解説します。

仮定は AB//CD、AB=CD

結論は AE=DE

結論にもっていくには、それぞれの辺を含む三角形の合同を証明すればよいわけです。

ここでは、△ABEと△DCEになります。

仮定より、1辺が等しいことはわかっています。

後は、平行線の性質を利用して、2つの角が等しいことも言えますね。

ここでは必要ありませんが、対頂角が等しいことも見つけられます。

合同条件③を使えばよいですね。

(1) 三角形の合同条件を証明するためには、まず、どの三角形に注目するのかを言わなければいけません。

「において」は「で」でも構いません。

(2) 条件は、挙げやすいものからで構いません。

仮定はそのまま使えますから、書きやすいです。

ここで注意すべきなのは、「仮定より」の後には、等式をもってくるということです。

「問題に書いてある等式」

これをそのまま条件として使いたい場合に、「仮定より」という言葉を使ってください。

(3) AB//CDはそのままでは使えません。

条件として言いたいのは角です。

この場合、「AB//CDより、∠EAB=∠EDC」とせず、必ず理由(根拠)を入れてください。

「平行線の錯角は等しいので」

「共通な辺なので」

「平行四辺形の向かい合う辺は等しいので」

もちろん、性質を知らないと書けません。

覚えてください。

時々、理由を省いてある模範解答がありますが、理由をつけた方がよりわかりやすくなります。

いるか、いらないかの判断はなかなかできないでしょうから、「必ず書く」ということにしてください。

(4)(5) 等式は、1行に一つずつ書いてください。

数学では、「。(句点)」を使いません。

その代わりに、改行することで読みやすくしています。

(6)(7) 3つの条件を挙げたら、等式の後ろに番号をつけておくと、どの番号から合同条件が言えるのかがわかります。

(8) 最後に結論です。

ここでは、「よって」を使いましたが、同義語として「ゆえに」「したがって」を使ってもよいです。

最後に

非常に長い説明になりましたが、「型通りに書く」ことが基本です。

まずはこれができるようになれば、その他の問題も解きやすくなりますし、模範解答の意味がわかるようになるでしょう。

証明問題は公立入試に必ずというほど出題されます。

是非、克服してくださいね!

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