岡山朝日高校の数学入試対策完全ガイド
岡山朝日高校合格への道(2)数学編
第2回は、岡山県立岡山朝日高等学校独自入試の数学対策について。
ちなみに「岡山朝日高校合格への道」シリーズは他にもあります。
よろしければご覧ください。
岡山朝日高校入試の数学、その特徴と対策
岡山朝日高校の数学入試は自校作成問題という独自の特徴を持っています。
数と式、図形、関数、資料の活用といった基礎的・基本的な概念や原理・法則についての知識や理解力に基づいた問題が出題されます。
また、数学的な表現や処理の仕方を習得し、事象を数理的に考察し、表現する力をはかるため、各領域から幅広く出題されています。
数学のよさを実感できるよう、身近な内容を素材としているのも特徴です。
しかし、ただの基礎問題ではなく、応用力が求められるため、生徒たちはしっかりとした基礎知識と、それを用いる能力が必要です。
つまり、「数学の応用問題を出題するけど、見たことあるような問題は出さないからね。大丈夫。基礎的な概念をきちんと理解していて、使いこなせるようになってるなら、解けるはずだから。もしかして、数学は難しいからって、ヤマを張ろうとしてる?それはやめておいた方がいいよ。あ、融合問題もあるからね。」ということなのです。
本シリーズでは、岡山朝日高校の数学入試に向けた具体的な学習方法や対策をご紹介します。
基礎基本の徹底と正確な計算力・グラフの利用
岡山朝日高校の計算問題は工夫が必要です。
通常の問題と異なり、例えば分配法則、交換法則、結合法則や乗法公式などを活用する必要があります。
計算ミスを避けるためにも、これらを十分理解していて使いこなせるレベルにして、基本的な計算スキルを高めることが不可欠です。
計算ミスは何が原因で起こっているのかを一つ一つ解明することで減らしていくことができます。
日頃からの練習を通して、正確な計算力を身につけましょう。
関数に関する問題の中には、例えば、変域に関する問題、最大値、最小値を求める問題などは、グラフを利用すると求めやすくなる場合があります。
書くことが面倒臭いと感じている人ほど、グラフだけでなく、頭の中でイメージをすることが苦手です。
日頃から書いてイメージする練習のために、テキスト等で繰り返し練習を行うことで、計算力や応用力を高めていきましょう。
問題文の正確な理解
岡山朝日高校の数学では、問題文の理解が鍵となります。
特に方程式を用いる問題では長文問題が出題されるため、問題文を正確に読み解き、適切に式を立てる能力が求められます。
また、毎年の入試では、学校行事を題材にした問題が出題される傾向にあります。
例えば、平成22年度は「ボランティア清掃」、平成23年度は「富士登山」、平成24年度は「小テスト」、平成25年度は「文化祭」、平成26年度は「ボランティア募金」、平成27年度は「生徒会活動」、平成28年度は「スキー教室」、平成29年度は「部活動」、平成30年度は「文化祭」が題材でした。
ただし、平成31年度は「動物園」など、最近は学校行事以外が題材になっています。
題材が変わっても、問題文の細部に注意を払い、正確に理解することが大切です。
方程式の文章題は、毎年正答率が高いのですが、部分点しかもらえない人がいます。
問題文に、「途中の式や計算なども書きなさい。」と書いてあるにも関わらず、必要事項を書いていないからです。
例えば、使用した文字の説明が無いケースです。
自分で問題を解いて答え合わせをしていると、自分の判断で決めることになります。
解答を第三者に見てもらうなど、どこが間違っているのかの指導を受け、完答できるようにしましょう。
考え方の過程を記述するには論理的思考力が必要ですが、「論理的思考を持とう!」と言われても、何をどうしたらよいかわからない場合は、どのような思考過程を経てその結論に至ったのかを、”誰でも理解できるよう、明確に説明できる“ように心掛けながら書きましょう。
数学用語の理解と応用
数学の基礎用語を正確に理解し、それを応用する能力も重要です。
例えば、中学1年生で学ぶ「資料の活用」における「相対度数」「中央値」「階級値」「最頻値」や、中学2年生の「一次関数」における「変化の割合」「切片」など、基礎用語の理解が求められます。
理解をするとは、教科書に書かれている説明の文章を、一字一句、“正確に覚える”という意味ではありません。
「素因数分解」の場合、教科書などには、「自然数を素数だけの積で表すことを,素因数分解するという。」などと書かれています。
この時、「自然数」「素数」「積」「因数」「因数分解」とは何かを説明できない場合は、まずそこから理解することです。
「素因数分解」が説明できるならば、「素数」も説明できるはずです。
他にも例を挙げます。
「相対度数」の場合は、教科書などでは「度数分布表で,各階級の度数の,度数の合計に対する割合を,その階級の相対度数という。」と書かれています。
ここでは、「度数」「度数分布表」「階級」「相対」「割合」の理解が必要です。
既に習っていることを曖昧にしていると、新しい用語が出てきたときに、正確に理解できません。
用語をただ暗記するのではなく、それを実際の問題に適用できるようになることが重要です。
用語を応用するということがどういうことかについて、例を挙げて説明します。
中学生で理解できていない人が多いと感じる言葉があります。
小学校で習う「速さ」「割合」「分数」です。
速さとは何か、と説明を求めると、「道のり÷時間」と答える生徒もいます。
しかし、それは「速さの求め方(公式)」であり、「速さ」の説明になっていません。
速さとは、単位時間あたりに進む距離のことですが、ここでも「単位時間」に関する理解が必要になります。
時速は、「1時間あたりに進む距離」のことですが、この「1時間」というのが単位時間のことです。
つまり、「12kmの道のりを3時間で進んだ時の速さ」求める際には、1時間でどれだけの距離進んだかを考えれば、12÷3という式が出てくるはずです。
「公式」を覚える必要はありません。
「分数」も同様に説明します。
意味は1つではありません。
例えば、「5分の3」の意味を聞くと、「3÷5」と答える人がいますが、3÷5の答えが5分の3であり、意味の説明ではありません。
以下の問題を解いてみてください。
「AはBの5分の3である。A:Bを求めよ。」
数学の苦手な子は、3/5:1=3:5 と解くでしょうが、得意な子は、AはBを5つにわけた3つ分だから、3:5と頭の中で一瞬でイメージをして解いてしまいます。
応用問題ばかりを解けば、応用力が身に付くわけではありません。
まずは、教科書を中心に、基礎基本を固めた学習をして、用語が出てきたら、それを説明できるかどうか、誰かに聞いてもらいましょう。
応用問題が解けない原因は、主に基礎・基本が曖昧であることです。
何が分かっていないのか、一つ一つ丁寧に分析して原因を見つけて、一から勉強し直すつもりで、教科書に戻りましょう。
時間はかかりますが、意味も理解しないまま、大量演習・長時間学習を続けることの方が無駄な時間を過ごすことになります。
グラフの読解力と作図力
関数のグラフを理解し、正確に読み取る能力は、岡山朝日高校の入試で必要とされます。
岡山朝日高校の独自入試数学では、関数と図形の融合問題が出題されます。
関数の知識だけでなく、図形の知識も必要になるので、少しでも不安な分野があれば、一次関数・二次関数・三角形や四角形の性質などをもう一度復習をしましょう。
与えられた条件は何かを、頭の中だけでなく書きこむなどして整理します。
また、作図力も同様に重要です。
円や三角形の作図はもちろん、作図の背後にある理論を理解することが大切です。
円、三角形、線分の垂直二等分線、角の二等分線は書けても、「なぜ、その作図の方法で描けるのか」という作図の意味まで考える人は少ないです。
証明までできるようにしておくと、これを応用して、「3点を通る円の中心」なども作図できるようになります。
平面図形の把握、証明、応用力
平面図形に関する問題では、与えられた条件の正確な理解と、それに基づく証明力が求められます。
図形問題が苦手な原因の多くは、問題で与えられた条件は何かが、掴めていないことにあります。
図形に与えられた条件を書きこむなどして、「何がわかっていて、何を求めればよいのか」を整理しましょう。
証明問題では、仮定と結論だけでなく、その過程も重要です。
特に、理由・根拠は必ず書きましょう。
模範解答通りにならなくても構いません。
大切なのは、根拠がはっきり書かれていて、結論を導く過程が合っていることです。
また、角度や長さを求める問題では、基礎的な概念を応用する力が必要です。
「見たことがある問題は解けるが、見たことがない問題が解けない」そういう人は、応用力があるとは言えません。
分からないからといって、すぐに解説を見て、理解できた気になるのではなく、普段から、粘り強く問題に取り組む習慣を身につけけることが必要です。
“応用力がある”とは、基本的・基礎的概念がきちんと身についており、それを活用できる力のことです。
学習した一つ一つの図形の基本を理解し、応用問題のどこで活用すべきかを演習を通じて身につけていきます。
岡山朝日高校の数学、成功への道
岡山朝日高校の数学入試を突破するには、基礎知識の徹底と応用力の向上が鍵です。
数学力を高めていけばいくほど、基本の大切さが身にしみて分かるようになります。
数学が苦手な生徒でも、効果的な学習方法と継続的な努力で、入試を乗り越えることができます。
本シリーズを通して、成功への道を探求していきましょう。