岡山朝日高校 学力検査自校作成問題・数学 平成16年度(2004年度)入試 大問2 解説
【岡山県立岡山朝日高等学校過去問解説シリーズ】
今回は、2004年(平成16年)岡山朝日高校入試の数学大問2の解説です。
問題は岡山県立岡山朝日高等学校公式HPからダウンロードしてください。
あくまで【解説】なので、どのような思考・手順で解けばよいのかに重点を置いています。
まずは時間を測りながら、自力で解いてみて、その後に読むようにしてください。
途中式や計算、証明問題などで簡単なところは省略している場合があります。
記述問題の解答は、岡山県立岡山朝日高等学校公式HPにある解答例を参考にしてください。
問題の難易度を★の数で表しています。★1~2個の問題は必ず解けるように。
目安時間以内に解ければ、制限時間45分以内に完答できるでしょう。
大問2【目安時間:6.5分】
①★直線の方程式【目安時間:30秒】
直線の方程式を求める問題です。
点B(2,10)、点C(7,0)より求められるのですが、
連立方程式を利用して求めるパターンが多く見られます。
それよりも傾きを先に求めてから切片を求める方法をおすすめします。
傾きの求め方は、
$\frac{yの増加量}{xの増加量}$
変化の割合の求め方と同じです。
$x$の増加量は2⇒7で5
$y$の増加量は10⇒0で-10
よって、$\frac{-10}{5}=-2$
$y=-2x+b$に(7,0)を代入して
※代入する座標は計算が楽な方を選びます。
$b=14$
したがって、$y=-2x+14$ ・・・(答)
②★直線の方程式の利用【目安時間:1分】
この問題も直線の方程式をまずは求めます。
点A(0,-6)、点B(2,10)より
傾きは$\frac{10-(-6)}{2-0}=8$
切片は-6
よって、直線ABの方程式は、
$y=8x-6$
直線$y=k$と線分ABの交点Qの$x$座標は
$k=8x-6$
$x=\frac{k+6}{8}$ ・・・(1)
したがって、交点Qの$x$座標は $\frac{k+6}{8}$ ・・・(答)
③★★線分の長さ【目安時間:1分】
①より直線BCの方程式は$y=-2x+14$
よって、直線$y=k$と線分BCの交点Rの$x$座標は
$k=-2x+14$
$x=\frac{-k+14}{2}$ ・・・(2)
したがって、線分QRの長さは(1)と(2)の差であるので、
$\frac{-k+14}{2}-\frac{k+6}{8}=\frac{-5k+50}{8}$ ・・・(答)
④★★三角形の面積【目安時間:1分】
三角形の面積を求めます。
底辺をAP、高さをPQとして考えます。
$AP=k-(-6)=k+6$ (点Aと点Pの$y$座標の差に等しい)
$PQ=\frac{k+6}{8}$ (点Qの$x$座標に等しい)
よって、△PAQの面積は
$\frac{1}{2}×(k+6)×\frac{k+6}{8}$
$=\frac{(k+6)^2}{16}$ ・・・(答)
ところでAPの長さの計算で、$AP=k+6$というように絶対値の和で求める習慣がついていませんか?
これは良くないです。たとえ答えが合っていても、です。
このような計算をする人の多くは次のような間違え方をします。
2点A(a,b),B(a,c)があり、$b>0$、$c<0$の場合、
その差は$AB=b+c$
差は引き算で求めます。
こういった当たり前のことを一つずつきちんと理解していくことが大切だと思います。
⑤★★三角形の面積の関係から$k$の値を求める【目安時間:3分】
△BQRの面積は
底辺をQRとすると
$\frac{(1}{2}×\frac{-5k+50}{8}×(10-k)$
$=\frac{5(10-k)^2}{16}$
※ $-5k+50=5(10-k)$とすることで、式が簡単になる。
△BQR=5△PAQより
$\frac{5(10-k)^2}{16}=5×\frac{(k+6)^2}{16}$
ここから計算を工夫して解きましょう。
両辺に$\frac{5}{16}$がかけてあること、そして$A^2=B^2$の形であることから、
$(10-k)^2-(k+6)^2=0$
$\{(10-k)+(k+6)\}\{(10-k)-(k+6)\}=0$
$16(4-2k)=0$
$2-k=0$
$k=2$ ・・・(答)
計算で何をやったのかわかるようにしましたが、多少省いても良いでしょう。
この方が展開して整理するよりも楽です。(模範解答では展開しています)
こういった計算の工夫ができる生徒の方を岡山朝日高校は求めていると思います。
ちなみに、$k$の値は何でもOKではなく、
問題に「直線$y=k$が線分BCと2点B,C以外で交わっている」と書いてあることから、
$0<k<10$です。
答えがこの条件を満たしていることを確認するのを忘れないでください。
例えば$k$の値が複数求められ、上記の範囲外の答えまで含んでいた場合、誤答となります。
高校ではそういったことも多くありますので、今から理解しておくとよいでしょう。
以上、2004年度(平成16年度)岡山朝日高校入試の数学大問2の解説でした。
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