正解を知りたがる
よく「解らないことは質問しなさい」と子どもは親に言われます。
言われるがままに、子どもは質問をするのですが、よくよく尋ねてみると、正解を知りたがる子が多いことに気付きます。
中には、「これは試験に出ますか?」と聞いてくる子も。
受験勉強では、正解が何かを突き詰めていくことが多いからでしょう。
考えるきっかけを与える
国際バカロレアをご存じでしょうか?
世界150以上の国や地域にある約5000の認定校で実施されている教育プログラムで、「なぜだろう?」と繰り返し問いながら分析を深めていく対話型の授業が特徴です。
国際バカロレアでは、「根拠があれば、それは1つの答えである」というのが考えにあるので、「自分の意見はどうなのか?」「なぜそうなるのか?」ということを重視しています。
先生は、「教える」というよりも生徒と共に学ぶ「学習者」であり、授業は子どもが主体です。
子どもが自分の頭で考え、決断し、行動できる力を伸ばしていくという理念です。
考える力は、教えたり指示するのではなく、子どもに考えるきっかけを与えることで養えるのです。
考える力を養うために
答えを教えない
子どもから何かを質問されたら、すぐに正解を教えないで、「あなたはどう思う?」「なぜだろうね?」と問いかけます。
すぐに答えの解らないワクワク感が、考えるきっかけになるからです。
自分で考えようとしない場合は、一緒に調べたり考えたりしてあげることで、ただ正解を教えるのではなく、学ぶプロセスを体験させます。
質問させる
子どもにはたくさん質問をしてもらいます。
(我が家では質問ばかりするので、「ナンデマン」と愛称をつけて呼んでいます。)
質問したがらない場合には、親の方から「パパ(ママ)はこう思うんだけど、あなたはどう思う?」
などと質問をしてみます。
子どもは親を手本に言葉の使い方を覚えていきます。
たくさん質問する子は、親も子どもにたくさん質問をしているという調査結果もあります。
(実は、元々私が「ナンデマン」と呼ばれていました。)
あえて反論する
ディベートなどで、多数派に対してあえて批判や反論をする役割の人を「悪魔の代弁者」と呼びます。
この役割を親が担うことで、子どもが考えるきっかけを作れます。
子どもの発言に対して、「それって本当?」などと切り出して、あえて真逆の意見をぶつけてみるのです。
例えば子どもが、「地球は丸いに決まっている」と言ったのに対して、「本当?じゃあなぜ地面は平らなの?」などと、常識と思われていること、当たり前のことに対して反論をし、考えるきっかけを与えるのです。