子どもの批判的思考を育む方法
子どもに問いかける重要性
親としてよく「わからないことがあったら質問しなさい」と子どもに促しますが、多くの子どもは単に正解を知りたがるだけでなく、その過程で思考を深める機会を求めています。
この記事では、親が自分の子どもの批判的思考能力を育むための実用的な方法を学ぶことができるように、分かりやすく解説します。
国際バカロレアとは何か?
世界中で約5000校が採用している国際バカロレア(IB)教育プログラムは、「なぜだろう?」という疑問を持ちながら学びを深めていく対話型の授業が特徴です。
このプログラムは、子どもが自分の頭で考え、自ら学びを進めることを重視しています。
この教育方針は、子どもたちが単に知識を詰め込むのではなく、自ら考え、自分の意見を持つことの重要性を示しています。
子どもの思考力を養うための実践的アプローチ
1. 答えをすぐに教えない
子どもが質問したとき、すぐに答えを教えず、「あなたはどう思う?」や「なぜだろうね?」と返すことで、彼らの好奇心と思考のプロセスを刺激します。
すぐに答えの解らないワクワク感が、考えるきっかけになるからです。
自分で考えようとしない場合は、一緒に調べたり考えたりしてあげることで、ただ正解を教えるのではなく、学ぶプロセスを体験させます
このアプローチは、子どもが自分で答えを探求する喜びを経験させることができます。
2. 子どもに質問させる
家庭内で質問を奨励し、子どもが自然に疑問を持ち、探求する習慣をつけさせます。
質問したがらない場合には、親の方から「パパ(ママ)はこう思うんだけど、あなたはどう思う?」などと質問をしてみます。
たくさん質問する子は、親も子どもにたくさん質問をしているという調査結果もあります。
質問をすることが日常的になれば、子どもは自然と批判的思考力を養っていきます。
3. あえて反論する
ディベートなどで、多数派に対してあえて批判や反論をする役割の人を「悪魔の代弁者」と呼びます。
親が「悪魔の代弁者」となり、子どもの意見に対して「それって本当?」などとあえて反論することで、彼らが自分の考えを再考し、さまざまな角度から物事を見ることを学びます。
例えば子どもが、「地球は丸いに決まっている」と言ったのに対して、「本当?じゃあなぜ地面は平らなの?」などと、常識と思われていること、当たり前のことに対して反論をし、考えるきっかけを与えるのです。
これは、批判的思考を促す効果的な方法です。
批判的思考の育成が子どもに与える影響
批判的思考を育むことで、子どもたちはより自立し、自分の意見を持ち、多様な視点から物事を考えられるようになります。
この能力は、学校の成績を向上させるだけでなく、将来的に社会で活躍するためにも必要なスキルです。
まとめ
子どもの批判的思考を育むためには、正解をすぐに教えず、質問を奨励し、意見に対して積極的に反論することが重要です。
親がこの方法を実践することで、子どもたちは自分の意見を形成し、多角的に物事を考える能力を身につけることができます。
これらのスキルは、子どもたちが未来に向けて自信を持って進むための強固な基盤となります。