書かずに覚える!岡山朝日高校生が実践する英単語暗記法で英語の苦手を克服する具体的な方法

高校生になって急に英単語の量が増え、「なかなか覚えられない…」と頭を抱えているお子さんをお持ちの方は多いのではないでしょうか。実は、「英単語の暗記」というのは正しい方法を知っていれば、短時間でより多くの単語を覚えることが可能です。この記事では、公立トップ校の生徒が実践している「書かない」英単語暗記法を中心にご紹介します。実際に岡山朝日高校生が行っている方法も取り入れているので、中学生・高校生の英語力アップにぜひ活用してみてください。
なぜ「書いて覚える」のは非効率なのか?
“書く”はアウトプットであり、インプットが十分でないと効果半減
お子さんが英単語を覚えるとき、つい何度もノートに書いて記憶しようとしていませんか? もちろん「書いて覚える」やり方がまったくの無駄というわけではありません。しかし、多くの場合、“書く”=アウトプットにあたります。アウトプットばかりを繰り返しても、そもそも単語が頭に入っていなければ意味がありません。そのため、ただノートに同じ単語を繰り返し書き続ける勉強法は、時間ばかりかかって効率が悪いのです。
実際に、特に英語が苦手なお子さんほど、「ノートに何度も書いているのにちっとも覚えられない…」と感じがちです。それは、インプット量が不足しているから。まずは頭の中に単語の意味や発音を入れる(インプット)ことが重要だという点を押さえておきましょう。
“書かない”英単語暗記法とは?
公立トップ校の生徒がやっている基本ステップ
ここで紹介するのは、実際にサンライズに通う岡山朝日高校生や、ほかの公立トップ校の生徒が実践していると言われる「書かない」英単語暗記法です。具体的には以下のような流れで学習を進めます。
- 単語帳やテキストを使って「見て、声に出しながら」覚える
- 1単語につき1~2秒程度のリズムでテンポよく進める
- 最初から完璧を目指さず、「なんとなく覚える」でOK
- 何度も繰り返すことで接触回数を増やす
ポイントは、「絶対に書かない」ことです。先ほど述べたように、書いている間に時間がかかり、思ったよりも暗記が進まないケースが多いからです。もちろん「書く練習がゼロだとスペルが書けないのでは…」という不安があるかもしれません。しかし、お子さんがいま抱えている一番の問題は、「英単語の意味やイメージが瞬時にわからない」ことでしょう。そこを優先的に解決しないまま繰り返し書いたとしても、結局は暗記が定着しにくいのです。
“インプット”を重視した学習が大切な理由
まずは「読める・聞き取れる」を優先する
英語の成績でつまずく原因の多くは、「長文読解で出てくる英単語の意味がわからない」ことです。これは「アウトプット以前に単語を見た瞬間に理解できない」というインプット不足に起因します。発音や意味を理解しないまま何度も書いていても、結局自力で読めなかったり、音声を聞いてもわからなかったりします。
ですから、まずは音声付きの単語帳やテキストの音声CD・音源などを使い、「見て、聞いて、口に出す」回数を増やすことが英語力向上への近道なのです。
- 英単語ターゲット
- 鉄壁
- 速読英単語(速単)
- Duo 3.0
これらの市販教材や、学校配布の単語帳でも構いません。お子さんが使いやすいものを選んでください。もしカードを使っているなら、同じ要領で「声に出して」暗記してください。“書かない”からこそ短時間で単語を確認しやすく、テンポを落とさずに進められるメリットがあります。
回数を重ねる“忍者方式”で単語を定着させよう
1日目10単語、2日目新規10+前日の復習10
「何度も見る・何度も触れる」ことが暗記のカギです。たとえば、以下のようなプランを実行してみましょう。
- 1日目:まず10単語を「見て、声に出して」覚える
- 2日目:新しい10単語を覚える前に、前日の10単語をさっとチェック
- 3日目:2日目に覚えた10単語を復習してから、さらに新規の10単語へ
これは、接触回数を増やす「忍者方式」とも呼べるやり方です。1日ごとに真新しい単語ばかり覚えても、前日に覚えたはずの単語はすぐに忘れてしまうもの。そこで、毎日少しだけ復習を組み込むことで、以前学習した単語の定着度を高めます。
特に単語帳が「出る順」や「重要度順」になっている場合は、この方法で最初の単語ほど繰り返し登場させることが可能です。最初のうちは10個でも大変かもしれませんが、日に日に接触回数が積み重なることで、一度に大量の単語を早く覚えられるようになります。
覚えられない原因は「覚えた状態」がわかっていないから?
親御さんが簡単なチェックをしてあげると効果絶大
「うちの子は英単語が苦手で、なかなか覚えてくれないんです」というお悩みをよく耳にします。しかし、お子さんのなかには、「覚えた」とはいったいどの程度の状態を指すのかがわかっていないことも多いのです。つまり、“覚えた”という感覚を共有できていないのですね。
そこで、親御さんがぜひ協力してあげてほしいのが「意味を問うチェック」です。
- お子さんが「今日10個の単語を覚えた」と言う
- そのうちの3つほどを親御さんがピックアップ
- 英単語の意味を口頭で聞いてみる(発音してあげてもOK)
- 3つのうち3つとも即答できたら、その日はクリア
もし答えられなかったり間違えたりしたら、「まだ完璧に覚えていない」と判断して、少しだけ復習を促します。大切なのは、「知らないことが悪い」のではなく、「忘れているならもう一度見ればいい」というスタンスで、親子でストレスをためずに進めることです。
「初めて3つ全問正解した瞬間」の意義
このやり方を続けていると、ある日突然、お子さんが3つ全部正解を連続で答えられる瞬間が来ます。そのときこそが、親子で「これが覚えた状態だね」と共通認識を得るタイミングです。お子さんが英語に苦手意識を持ち続けてきたなら、ここで初めて「自分にもできるんだ!」と実感できるはずです。
筆者が過去に指導したケースでは、中学生が『英単語ターゲット1900』をマスターして、中2で英検準2級、中3で英検2級に合格した例があります。短時間でたくさんの単語を吸収できるようになる方法としてはとても有効なので、ぜひ毎日少しずつでも継続してみてください。
テスト前には「書く」アウトプット練習も必要
「書かない」だけではスペルまで完全には身につかない
ここまで「書かない英単語暗記法」の利点を強調してきましたが、テストや模試では「スペルを書けなければいけない」という場面が存在します。いくら意味がわかっていても、テストで空欄にせざるを得ないとなると点数につながりません。
そのため、以下のような「テスト形式」の練習を取り入れると効果的です。
- 英単語のスペルを隠して、意味だけをヒントに書いてみる
- あるいは親御さんが発音して、お子さんがスペルを書いてみる
- 書いた単語と答え合わせをして、間違えたスペルを確認する
こうしたアウトプットの練習は、「英単語カード」などを使うと非常にやりやすくなります。「書かない」と「書いて確認する」を状況に応じて使い分けることで、最終的にはテストでもしっかり点が取れる英単語暗記法が完成するのです。
親御さんができる“英単語 暗記法”サポートのポイント
- 声に出しているか確認する
- お子さんが目で見るだけでなく、しっかり声を出して覚えているかチェックしてみてください。声に出すことで複数の感覚(視覚、聴覚、発話)を使うため、記憶に残りやすくなります。
- 短時間でもいいから毎日触れさせる
- 「1日30分」と決めるよりも、「スキマ時間で毎日少しでも」触れるほうが効果は高いです。たとえば、部活や習い事で忙しくても、帰宅後の10分や就寝前の5分など、短時間を活かして**“毎日”**がポイントです。
- ゲーム感覚で取り組ませる
- 「暗記=つまらない」と思う子は少なくありません。そこで、たとえば「今日10個覚えたら、3つクイズに正解したらクリアにしよう」とゲーム感覚を取り入れるのも効果的です。短いスパンで「できた!」という達成感を味わえるように工夫してみましょう。
- 褒めてモチベーションを上げる
- 単語数が増えていくたびに、「よく頑張ってるね」「昨日より早く答えられたね」と積極的に褒めてあげてください。モチベーションが続くと、結果的に学習量も増え、暗記がさらに加速します。
実践例:中学生で英検準2級、高校生で英検2級に合格!
先ほども少し触れましたが、このやり方を地道に続けていくと、英語が苦手だった子でも着実に力を伸ばすことができます。たとえばある中学生の事例では、学校のテストで英単語をなかなか覚えきれずに悩んでいました。しかし、公立トップ校の英単語暗記法を参考に、まずは「書かない」「声に出す」「短い時間で繰り返す」を徹底したところ、中2で英検準2級、中3で英検2級に合格するまでに成長できたのです。
もちろん最初から順調だったわけではなく、「本当にこんな方法で英単語が覚えられるの?」と半信半疑の時期もありました。それでもお子さんと親御さんが二人三脚でチェックを続けて、失敗を恐れず復習を繰り返した結果、「英単語が読める」「意味がすぐわかる」と実感できるようになりました。単語力が身につくと、自然と文法問題や長文読解にも取り組みやすくなり、英語全体の成績が向上していくのです。
書かない学習法+確認テストで総仕上げをする流れ
- まずはインプット
- 単語帳やカードを用意し、「1単語1~2秒ペース」で声に出してテンポよく覚える。最初から完璧を目指さずに「なんとなく意味がわかる」状態を増やす。
- 複数回にわたって接触回数を増やす
- 「1日目10個、2日目10個+復習10個」のように、忍者方式で少しずつ覚える単語量を増やしていく。
- 親御さんが口頭でクイズ形式の確認
- 3つランダムに英単語を選んで意味を答えさせる。全問正解なら合格! 間違えたら再確認。
- テスト前や英検前にはアウトプット練習を追加
- 英単語の意味を見て、スペルを書けるかどうかチェック。「書かない」暗記法で意味は入っているので、短期間でスペルも固めることができる。
よくある質問(Q&A)
Q1. 書く練習をしないと、英文を作るときに困るのでは?
A1. 最終的に英文を書いたり、自分で作文したりするためには、もちろんスペルをアウトプットできるようにする必要があります。しかし、最優先は「意味を瞬時に理解できる」ことです。まずはインプットに重点を置き、ある程度語彙力がついたらテスト練習などでアウトプットを強化しましょう。
Q2. 「なんとなく」で覚えて、本当に定着するの?
A2. 一発で完璧に覚えるのは難しいからこそ、繰り返しが大切なのです。何度も目にしたり声に出したりしているうちに、脳は必要な情報として認識し始めます。そうした接触回数を重ねているうちに、次第に「なんとなく」が「しっかり定着」に変わっていきます。
Q3. どんな単語帳を選ぶべきか分かりません。
A3. 市販の人気シリーズ(「英単語ターゲット」「鉄壁」「速単」「Duo 3.0」など)はどれも優秀です。また、学校で配布されている単語帳でも問題ありません。お子さんが使いやすいものや、学校でテスト範囲に指定されるものを使うのが効率的です。
Q4. 毎日やる時間がなかなか取れません。
A4. 部活や習い事で忙しいお子さんには、帰宅後や就寝前の10分、あるいは朝起きてからの10分など、短い時間を活かすのがポイントです。短時間×毎日を積み重ねるだけで、単語力は着実にアップしていきます。
まとめ:親子で実践しやすい「書かない」英単語暗記法を続けよう
英語が得意な公立トップ校の生徒たちが実践しているという、“書かない”英単語 暗記法のポイントをおさらいしましょう。
- まずはインプット重視
- 「見る・声に出す」を中心に、短い時間でもテンポよく単語に触れる。
- “なんとなく”でいいから何度もリピート
- 一気に完璧を目指さず、1単語あたり1~2秒でチェック。回数を増やす。
- 親御さんが簡易クイズでチェック
- その日習った単語からランダムに3つ選び、意味を答えられるか確認。
- テスト前にはスペルのアウトプットを追加
- 「書けるかどうか」の練習は、ある程度インプットが定着したあとで短期集中する。
この方法を継続していけば、お子さんは「英単語が覚えられない…」という悩みから一歩抜け出し、スムーズに読み書きができるようになります。英語がわかるようになると、長文読解にも余裕が生まれ、受験対策や英検などの資格試験にも大いに役立つでしょう。
英語学習は継続が命です。最初のうちは、なかなか覚えられなくて落ち込むこともあるかもしれませんが、親子で協力して確認し合う仕組みをつくれば、モチベーションを保ちやすくなります。ぜひこの「書かない英単語の覚え方」を取り入れ、お子さんの語彙力アップと英語の成績向上をサポートしてあげてくださいね。結果として「英語がわかるって楽しい!」と感じる日も、そう遠くはないはずです。ぜひ今日から一緒にスタートしてみましょう。