先取り学習の必要性とメリット・デメリット:幼児~大学受験までを考える

先取り学習の必要性とメリット・デメリット:幼児~大学受験までを考える

先取り学習は、本当にメリットがあるのかどうか。

勉強の進度が早い子は優秀な子が多いと思っていませんか?

子どもが勉強で困らないようにしたいと考える人の中には、「とにかく周りよりも先に勉強を進めること」だと思い込んでいる人がいます。

はたして本当にそうなのでしょうか?

ここでは、勉強の先取り学習についての必要性とメリット・デメリット、幼児から大学受験までの具体的な先取り学習の内容についてお話します。

目次

先取り学習とは

勉強の先取り学習とは、学校の授業を事前に学習することです。

多くの進学塾では、学校よりも進度が早く、先取り学習をしていると言えます。

また、私立中高一貫の進学校では、数学や英語に関して中学3年生で高校1年生の学習内容を指導しています。

また、幼児教室や小学校低学年を対象とした塾の中には、小学校高学年で学習する内容を早くから指導している場合もあります。

先取り学習の方法としては、一般的には参考書や教科書などを利用したものを想像しますが、それ以外にも読書や経験によって知識を習得することも広い意味での先取り学習といえます。

先取り学習のメリットは?

先取り学習のメリットはいくつかあります。

  • 学校で学習する際にその内容が復習となるため、理解しやすくなる。
  • 学校の宿題に割く時間が短くてすむ。
  • 先取りしている分、復習の機会が増える。
  • 知っていることが多い分、周りとの差を感じることができ、自信につながる。

事前にある程度学習しているため、学習時間の前倒しができ、受験期に十分な対策の時間を作ることができるというのが大きなメリットと考えられます。

先取り学習のデメリットは?

反対に、先取り学習のデメリットは何でしょうか?

  • 進度が早すぎてついていけないと感じることがある。
  • 理解が追いつかないまま、進度だけ進んでいる場合がある。
  • 学校の授業を事前に学習しているため、既知の情報であるという理由で軽視したり、つまらないと感じることがある。

少しの先取りはデメリットになりにくいのですが、過度な先取り学習は、逆にモチベーションが下がってしまうことがあります。

先取り学習は必要か?

先取り学習は、そのメリットだけを見て「良さそうだ」と考えてしまうかもしれません。

デメリットとなり得るケースについて理解し、極力そうならないように配慮しなければなりません。

それまでゆっくりとしたペースで走っていたのに、急に早くなるとすぐに息切れしてしまいます。

子どもの成長に合わせて上手に先取り学習をすれば、子どもの学力を伸ばすことができます。

幼児期~小学校低学年期の先取り学習

先取り学習は、中学生や高校生になってから始める人が多いですが、実は、幼児期~小学3年生までの一番伸びる時期から始めるのが有効です。

幼児期や小学校低学年期の先取り学習は、学校での学習内容の先取りよりも学習する上で必要な能力の強化をすることが有効です。

指先は、第2の脳と言われ、指先を使うことは大切です。

はさみ、ひも、のり、両面テープ、穴あけパンチ、ホッチキス、モール、クレヨンなど色々手になじませ、指先を動かすことで脳が活性化して発達を促します。

そして、ひらがなやカタカナ、漢字を早くから読めるようになれば、読書など活字に触れる機会を増やすことができ、幅広い知識を得るチャンスが増えます。

小さい頃から自然と触れ合う機会が多かったり、美術館や博物館に出かける機会が多ければ、そこで得た知識や経験が後に勉強に繋がります。

算数では、基礎となる数の概念や量の感覚など、小学校低学年期で学習する算数の土台を十分に身につけることが重要です。

九九や上級学年で学習する計算を早い段階で学習するメリットは、既に多くの方が感じていないと思います。

低学年のうちは成績上位にいますが、高学年になると周りも同じように解けるので、差がなくなるのです。

文章題が苦手な子が多いようですが、九九を覚える前に、かけ算の意味を理解する方が、応用問題に強くなります。

計算問題だけが得意になるよりも、文章問題や応用問題に強い方が後に大きな差になるのです。

小学校高学年期は、中学受験を意識し始め、塾に通い始める方が増える時期です。

実は、この時点で既に低学年期に準備をしている子とそうでない子の差が出てきます。

小学校高学年期の先取り学習

小学校高学年期に取り組むべき先取り学習は、小学校の学習内容ではなく、それよりも深く学習する中学受験の学習内容に合わせて進めることです。

それは算数に限らず、国語、英語、理科、社会においても同様です。

中学受験の勉強を進めていくと、中には中学校で学習する内容も含まれていることに気付くでしょう。

小学校で応用力も鍛えつつ、中学内容の先取りにつなげることで、中学校でも勉強に困ることはありません。

中学生の先取り学習

中学校で意識すべきことは、目指すトップ高校での学習についていけるだけの準備をすることです。

小学校高学年期の学習によって、いくつかの単元の理解は容易に進みますので、ドンドン先へ進めることができます。

中学校で応用問題が解けるようになるのも、小学生の間に中学内容をある程度理解しているからです。

先日も、中1の授業で、ある塾生が突然、「プッ」と吹き出していました。

「どうしたの?」と聞くと、「この内容、小学校の時にやったことばかりだから・・・」

確かに、サンライズの小学部では、かなり高いレベルまで指導していましたから、中学校の勉強はよくわかるようになっているんです。

ですから塾での指導は教科書レベルだけでなく、応用・発展問題や高校の内容まで指導できるのです。

理科や社会はほとんど学習済みですので、ほとんど時間がかからないです。

その分、国語や数学、英語に時間を使います。

ここで、先取り学習のデメリットである進度の早さや理解ができないまま進めることについての懸念を持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、理解に時間がかかりそうな場合は、立ち止まってじっくりと学習しても構わないです。

先取り学習をして学習時間を前倒しした分があるのですから、少しくらい立ち止まっても遅れることはないでしょう。

そして、中学3年生の時期には、国語、数学、英語に関して、高校1年生の内容を始めることができます。

中高一貫校に通っていなくても、塾で先に進めていけば可能です。

サンライズの中学生には、中学校内容にとどまらず、高校で習う内容も一部指導しています。

中学内容でも、応用、発展問題も出てきますので、日頃から受験レベルに挑戦していることになります。

高校生での先取り学習

トップ校をはじめとした高校での学習は、基本的に進度が早いですが、その更に先を進める先取り学習は可能です。

岡山朝日高校の新1年生に、「勉強どう?難しい?」と聞くと、どの子も「普通かな。塾で中学校の時にやったことばかりだし。」と答えます。

国語の現代文、英語、数学は先取りをしておりますので、朝日高校の進度についていくことができ、自分の勉強が思い通りになりやすいのです。

英単語、英文法は高校1年生でほぼ終わらせられれば、数学演習や理科・社会に時間を割くこともできます。

まとめ

先取り学習は、学校の理解を深めるために行うべきであり、先に進めば進むほど賢くなるわけではありません。

それよりも、日々の学習をコツコツ積み重ねていくなど、当たり前の勉強の王道ができることの方が結果につながりやすいです。

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