英語学習はいつから始めるべき?英語を始める目的は?

幼児や小学生のお子さんをお持ちの方は、習い事の一つに英語学習を考える方もいるでしょう。
小学生保護者の英語学習に関する意識調査によると、約半数が学校の授業以外で英語学習をしており、始めた理由として多いのが「学校の授業で必要だから」「英語が必要な将来になると思うから」「英語が話せる方が有利だから」という回答です。
そして、「子どもが英語を学習する上で重視したいこと」として最も多いのが、「英語でコミュニケーションが取れるようになること」となっています。
また、85%が「日常的に英語を話す機会が必要」と回答しています。
しかし、実際はどうでしょう?
子どもが日常的に英語を話す機会はあるのでしょうか。
ここでは、難関校受験専門塾の指導者の立場から英語学習を始める時期と目的について、お話します。
英語が話せるようにならないのは当然?

私たちは、日本語を日常的に話せるようになるために日本語学習などしていません。
例え偏差値20の人でも、日常で日本語を使うことに苦労はしていません。
日本人が日本語で苦労しないのは、日常的に日本語と接している状態の中で生活しているからです。
同様に、英語を日常的に使う環境にあれば英語を習得するのは容易いことになるわけですが、実際そのような環境にはできませんよね。
週1回、英会話スクールや英語教室に通ったところで、圧倒的に日本語を使って生活している中では、非常に難しいのです。
もちろん、自宅で毎日のように英語学習をしているなど、習得に必要な時間をかけている場合は可能ですが、ほとんどの子は実際にはそれほど時間をかけていません。
何を目的に英語学習をするか

多くの方が英語でコミュニケーションが取れるようになることを望んでいますが、中学生や高校生、中には小学生も「英語が得意になりたい」「英語を苦手科目にしたくない」つまりは、教科としての英語で結果が出せるようになりたいと望んでいます。
英会話と教科としての英語は別と考えている方も多いです。
先ほどもお伝えしましたが、英語でコミュニケーションを取れるようになるためには、日常的に英語を使う環境、例えば長期間留学をするなどすれば、習得は可能です。
では、日本にいながら英語学習を早期に始めることは無駄なのかというと、そうではありません。
「英語を話せるようになること」を目的にするのではなく、「中学英語、高校英語、あるいは大学受験での英語で結果を出し、英語を理解するのに困らないレベルを目指す」ことを目的にすれば良いのではないでしょうか。
英語で日常会話ができるようにするなら、その後、語学留学などすればよいのです。
まずは日本で、例えば英検1級を目指すなど目標を決めて、そのために必要な事を必要だと思う時期から始めればよいのではないでしょうか。
大学入試の英語外部試験利用状況を知る

近年、大学入試で英語外部試験を利用した入試が増えています。
パターンはいくつかあります。
- 条件を満たせば「みなし満点」「一部試験免除」とする。
- 基準以上の英語外部検定資格を「必須」あるいは「出願条件」とする。
- 点数加算あるいは優遇する。
例えば英語の試験で難易度が高いといわれる岡山大学では、英検1級であればみなし満点となります。
おそらく多くが半分ほどの得点しか取れない英語で、満点となれば大きなアドバンテージとなります。
また、準1級や2級でもみなし満点となる大学もあり、高校3年生でそれらの級への合格を目指す子は今後も増えていくでしょう。
ただし、難関大学で有利になるのは準1級以上です。
目的を達成するためにいつから始めるか

大学受験までに、英検1級、あるいは準1級に合格するためには、いつから始めたらよいのでしょう?
経験上、中学からでは遅いです。
せいぜい2級までです。
では、小5から始めて、高3で英検1級に合格するプランを考えてみます。
小5 | 5級 |
---|---|
小6 | 4級 |
中1 | 3級 |
中2 | 準2級 |
中3 | 2級 |
高1 | (準1級) |
高2 | (準1級) |
高3 | 準1級 |
毎年着実に合格すれば、何とか1級に合格できそうですが、1級の壁は高く、合格するには非常に難しいでしょう。
高校生になって、どこまで英語に時間が割けるかという問題もあります。
もっと可能性を高めるなら、十分な学習時間が必要です。
小学生で3級、中学生で準1級を目指し、高校で1級を目指すというのがおすすめです。
小1~小2 | 5級 |
---|---|
小3~小4 | 4級 |
小5~小6 | 3級 |
中1 | 準2級 |
中2 | 2級 |
中3 | (準1級) |
高1 | 準1級 |
高2 | (準1級) |
高3 | 1級 |
早期に英語を始める目的は、「高3で英検1級に合格すること」。
それがはっきりしていれば、何を学習すればよいのかが見えてきます。
英語を日本語で理解する

「英語を英語で理解できるようにするべき」という意見もあります。
「英語脳」というものです。
英語を日本語に訳して理解するのではなく、英語を英語のまま理解する方がプロセスが減るので、コミュニケーションが取りやすいというわけです。
しかし、日本語で生活している我々が、英語をマスターするには、その方法はハードルが高すぎます。
現実的な勉強法としては、日本語で思考し、自分の考えをまとめ、英語で表現できることです。
語彙の少ない英語で思考しようとしても非常に時間がかかるのです。
英文法といった理屈を日本語で理解し、語彙も規則性やまとまりで理解する方が効率的なのです。
スマートイングリッシュとは
進学塾サンライズには、小学1年生~小学6年生対象の「スマートイングリッシュ」というコースがあります。
このコースの目標は、「小学生で英検準2級以上に合格」です。
小学生のうちに英検準2級に合格する子は、中3か遅くとも高1までに英検準1級に合格します。
2020年教育改革により、英語教育のゴールが明確になりました。
それが「CEFR B2レベル」を高校時代までに取得することです。
これが達成できれば、大学入試の英語外部試験において「みなし満点」「得点加算」など優遇措置を得ることができます。
CEFRのB2レベルを達成するには、英検準1級合格が目安となります。
現在の子どもたちの英語レベルからすると、来たる大学入試において、英語で非常に苦労することが目に見えています。
ですから、サンライズでは将来英語に困らないよう、小学生、中学生の英語は学校で学習する内容よりも先取りさせています。
学校での学習では間に合いませんよね。
既に、中学生には、中1で英検3級レベル、中2で英検準2級レベル、中3で英検2級レベルの指導をしています。
最初は戸惑いますが、1年もすれば学年以上の知識が身に付きます。
個別指導なので、周りの進度に合わせる必要はありません。
ドンドン先に進めることができます。

まとめ
小学1年生から英語に取り組ませる理由は、「高3で英検1級(準1級)に合格できるようにするため」です。
そのために、1年生から基礎的な英文法を理解し、語彙を増やしていくのです。
英語を英語で理解する必要はありません。
英語も、日本語もしっかり理解できるような子になって欲しいですよね。