目標を具体化すると現実性が増す
目標を立てるときに重要なことは、なるべく具体的にして、その目標が達成できたら〇、できなかったら×をつけられるくらいに明確にすることです。
「もっと積極的になる」「毎日家で勉強する」という目標では抽象的で、子どもが実際の行動に移しにくいですし、本当にできたかどうか評価もできません。
子どもが、「もっと積極的になる」と言えば、「積極的ってどういうことかな?」と聞いてみてください。
すると子どもは、「大きな声で挨拶すること」「自分から発言すること」「言われる前にやること」「自分から話しかけること」などと言うはずです。
人によって「積極的」の具体的イメージは違うのです。
さらに、ここでのもう一押しが大切です。
「大きな声ってどのくらい?」と返すと、「いつもの2倍の大きな声で」と答えたら、しめたもの。
目標が具体化され、明確になることで、現実性が増していきます。
同様に、「毎日たくさん勉強する」ではダメです。
もっと噛み砕くことが大切なのです。
「夜7時半になったら2時間机に向かう」というくらい目標を具体化する必要があります。
そして、目標は必ず紙に書かせ、目立つところに貼ることも大切です。
子どもに繰り返し目標を意識させることで、着実に効果が上がります。
そして、目標通りにできたときには、少し大げさなくらい褒めてあげて下さい。
ここが最も重要なポイントです。
お母さんの笑顔と、「よく頑張ったね」の一言が、「やればできるんだ」という達成感となって積み上がり、子どもはより積極的に物事に取り組みます。
目標はスモールステップで
目標を立てるときに注意することは、まずは、確実にできる小さなステップから始めることです。
例えば、家で全く勉強しない子が、いきなり、「毎日3時間勉強する!」なんて言っても、三日坊主で終わるだけです。
こんなお話を聞きました。
Aくんは、家での勉強はおろか、塾の宿題もまったくやってきませんでした。
遅刻や欠席も頻繁です。
そこで、「毎日、学校帰りに塾に寄り道していけ」と言ったところ、遊びの延長なのか、毎日ニコニコ顔で来るようになり、遅刻や欠席をしなくなりました。
その次に、「毎日、3分間だけ集中して机に向かう。それ以上はするな」と目標を設定したそうです。
「たった3分」と不安に思う方もいるでしょう。
でも、勉強する習慣のない子に、いきなり、「1時間やれ」と言ってみても無駄です。
無理やりにやらせても、勉強するフリをするか、ますます勉強嫌いになるだけです。
たとえ3分といえども、まずは毎日勉強する習慣をつけることが大切です。
最初のうちは、「3分やったから」といって、その後は漫画やテレビゲームをやっていたようですが、「3分以上するな」というと不思議なもので、Aくんは1ヶ月もしないうちに1時間以上も勉強するようになったそうです。
彼は結局、受験も合格しました。
目標は小さなステップに分けて、できるところから始めて、確実にクリアすることが大切です。
小さな成功体験は次のステップへ進むエネルギーとなり、子どもに大きな自信を与えます。
小さな目標から始めて、少しずつ大きな目標へチャレンジすることが、やる気を引き出すコツなのです。