努力している“つもり”が一番危ない —— 偏差値70を超えられない子の共通点

偏差値60までは、
正直に言えば「真面目さ」と「勉強量」で到達できます。
毎日机に向かい、
言われたことをきちんとこなし、
それなりの時間を勉強に使っていれば、
成績は少しずつ上がっていくでしょう。
しかし、偏差値70という壁の前で止まってしまう子は、
決して努力が足りないわけではありません。
むしろ、本人なりに一生懸命やっているケースがほとんどです。
問題は、
その努力が「学力に変換される方向」を向いているかどうか。
友達と勉強する。
板書をきれいに写す。
問題集を次々にこなす。
気合いで長時間机に向かう。
どれも一見、正しい努力に見えます。
しかし、偏差値70を超えられない子ほど、
こうした“努力しているつもり”の学習に安心してしまいます。
この記事では、
真面目に勉強しているのに伸び悩む子に共通する
「努力のズレ」を具体例とともに整理し、
偏差値70を超えるために必要な
努力の向きの修正について考えていきます。
偏差値60で止まる子は、怠けていない
まず、はっきりさせておきたいことがあります。
偏差値60前後で伸び悩む子は、決して怠けていません。
毎日勉強しています。
宿題も出しています。
テスト前には時間も取っています。
それでも伸びない。
この段階で、多くの家庭はこう考えます。
- これ以上は才能の差なのか
- うちの子はこの辺が限界なのか
しかし、現場で見ていると、
原因はもっと手前にあります。
それは、
「努力の向き」が一度も点検されていないことです。
間違った努力①:友達と勉強する
友達と一緒に勉強すること自体を、全面的に否定するつもりはありません。
ただし、偏差値70を目指す段階では、極めて慎重であるべきです。
友達が近くにいるだけで、
- 何をやっているのかが気になる
- 無意識に気を遣う
- 集中の深さが浅くなる
こうしたことは、本人が思っている以上に起きています。
試験本番は、当然ですが一人です。
誰の様子も気にせず、
誰にも気を遣わず、
自分の頭だけで考え続けなければなりません。
モチベーションを上げたいなら、
友達である必要はありません。
自習室や、周囲に他人が黙々と勉強している環境の方が、
むしろ本番に近く、集中力も鍛えられます。
間違った努力②:板書の丸写し
授業中、ノートを丁寧に取っている子ほど、
板書をそのまま写して安心してしまう傾向があります。
しかし、
ただ写しているだけでは、
思考はほとんど動いていません。
極端に言えば、
丸写しするくらいなら写真を撮った方が早いのです。
授業中に本当にやるべきことは、
- なぜこの説明になるのか
- 自分ならどう書き直すか
- 後から見て分かる形になっているか
を考えながら、
自分の言葉で整理することです。
間違った努力③:問題集を次々に変える
「この問題集が終わったから、次へ」
一見、前向きな学習に見えます。
しかし、
1周やっただけで問題集を変えても、力はほとんど残りません。
解けるようになるまでには、
最低でも3周程度は必要です。
- 1周目:分からない
- 2周目:思い出しながら
- 3周目:説明しながら
この段階まで到達して、
初めて「身についた」と言えます。
問題集を変える前に、
その1冊を説明できるレベルまで使い切れているか
を確認する必要があります。
間違った努力④:科目や時間帯を意識しない
一日中、同じ調子で勉強できる子はいません。
脳が一番元気な時間帯に、
- 数学
- 国語・英語の読解
- 思考力を使う問題
を持ってくる。
午後や疲れている時間帯には、
- 音読
- 暗記
- 確認作業
を回す。
時間帯と科目の相性を考えることも、
立派な「努力の方向修正」です。
間違った努力⑤:教科書を使い切れていない
教科書には、
覚えるべき内容がすべて載っています。
ただし、
情報が散らばっていて、
そのままでは復習しづらいことも多い。
だからこそ、
- 補足を書き込む
- 関連情報をまとめる
ことで、
情報を一元化する必要があります。
教科書を「読むもの」ではなく、
「自分専用の参考書」に変えられているか。
ここで、復習効率は大きく変わります。
間違った努力⑥:気合いで乗り切ろうとする
もちろん、気合いや根性は大切です。
ただし、それだけでは足りません。
偏差値70を超える子が必ずやっているのは、
- 今日の課題は何だったか
- なぜできなかったか
- 明日は何を変えるか
という、毎日の振り返りと修正です。
闇雲に頑張るのではなく、
考えて頑張る。
この違いが、
60と70を分けます。
共通点:考えず、修正せず、本番を想定していない
ここまで挙げた「間違った努力」には、
明確な共通点があります。
それは、
- 自分の頭で考えていない
- やり方を修正していない
- 本番の状況を想定していない
という点です。
努力の量は足りている。
でも、努力の向きがずれたまま固定されている。
だから、
どれだけ時間をかけても、
偏差値70には届きません。
偏差値70を超える努力とは何か
最後に、
偏差値70を超えていく子が共通して持っている姿勢をまとめます。
- なぜ間違えたかを言葉にする
- 解き方を説明し直す
- 毎日、やり方を微調整する
- 一人で考える時間を大切にする
どれも、派手ではありません。
しかし、確実に学力に変換される努力です。
おわりに
努力は大切です。
でも、努力を信じすぎることが、
一番の落とし穴になることもあります。
偏差値60で止まっているなら、
必要なのは根性ではありません。
努力の方向を、今日から修正できるか。
そこに気づけた子だけが、
偏差値70の壁を越えていきます。
よくある質問(FAQ)
友達と勉強するのは本当にダメなのでしょうか?
友達と勉強すること自体が悪いわけではありません。
ただし、偏差値70以上を目指す段階では、集中の質が最優先になります。
無意識に周囲を気にしたり、集中が浅くなったりするなら、一人で黙々と取り組む方が学力には直結します。
本番は常に「一人」です。その環境に近い形で勉強できているかが重要です。
真面目にやっているのに伸びないのは、才能の限界ではありませんか?
多くの場合、才能が原因ではありません。
偏差値60前後まで到達している時点で、基礎的な理解力や処理能力は十分にあります。
伸び悩みの原因は、努力の量ではなく「努力の向き」が修正されていないことにあります。
問題集を何冊も解くのは悪い勉強法ですか?
問題集を複数使うこと自体は問題ありません。
ただし、1冊を理解しきらないまま次に移る学習は、学力が定着しにくくなります。
「説明できるレベルまで使い切れているか」を基準に、次へ進むか判断することが大切です。
勉強時間を増やしても意味がないのでしょうか?
勉強時間を確保することは必要です。
しかし、時間を増やすだけでは偏差値70は超えられません。
重要なのは、毎日の学習で「何ができるようになったか」「何を修正するか」を考えているかどうかです。
気合いや根性は必要ないのですか?
気合いや根性は、努力を続けるためには必要です。
ただし、それだけに頼ると、やり方の間違いに気づけなくなります。
偏差値70を超える子ほど、気合と同時に分析と修正を欠かしません。
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