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子どもを伸ばす家庭はここが違う:褒める・叱るの具体例と実践的アドバイス

子育てをしていると、「どこで褒めればいいのか」「どんな時に叱るべきなのか」という迷いがつきまといます。とくに勉強に関しては、子どもの気分や行動に波があるため、一つの声かけでやる気が出たり、逆に意欲を失ってしまったりすることもあります。私自身、長年サンライズで小学生・中学生を指導する中で、家庭での声かけが子どもの行動に大きく影響する場面を何度も見てきました。

ただし、「褒める:叱るの比率は○:○が正しい」といった議論をしても、現場ではあまり役に立たないことが多いものです。比率を気にして声をかけても、子どもの行動は状況によって刻々と変わるからです。むしろ大切なのは、「どんな場面で褒めるか」「どんな行動を叱るのか」 を具体的に理解しておくことです。線引きをきちんと決めることで、親の迷いが減り、子どもも安心して行動できるようになります。

この記事では、私の指導経験にもとづき、「褒めるべき場面」「叱るべき場面」を明確に整理し、今日から家庭で実践できる声かけのコツをお伝えします。


目次

褒めることの本当の意味

まず、褒めることの目的は「子どもを気分よくさせる」ことではありません。褒めるのは、子どもに“良い行動を続けてもらうため” です。つまり、褒めるべき場面は、子どもの行動が「成長につながる方向に動いたとき」です。

ただし、闇雲に褒めると逆効果にもなります。たとえば「すごいね」「賢いね」などの結果だけを褒める言葉は、子どもがプレッシャーを感じたり、失敗を避けるようになったりします。褒めるときは、行動・努力・変化 のいずれかに注目することがポイントです。

ここでは、家庭で意識しやすい褒める基準を3つ紹介します。


褒める基準①:行動を“始めた”とき

いちばん褒めてほしいのは、子どもが自分で行動を「始めた瞬間」です。

宿題を開いたとき、机に向かったとき、提出物の準備をし始めたとき――。その瞬間は、親が思う以上に大きなハードルを越えています。

たとえば、

  • 「自分で机に向かったの、いいね」
  • 「まず取りかかれたの、すごくいいと思うよ」

と伝えるだけで、子どもは「次もやってみよう」と感じます。

大切なのは、完了ではなく“開始”を褒めることです。勉強を終えた段階では、子どもは疲れていて褒め言葉が響きにくい場合があります。始めた瞬間は、行動がまだ軽く、褒められると気持ちよく続けられます。


褒める基準②:行動を“続けた”とき

もうひとつ褒めたいのは、「継続」。特に、子どもが苦手としている行動を続けられたときは効果が大きいです。

たとえば、

  • 「昨日より5分長くできたね」
  • 「続けて取り組めたの、いいね」

のように、具体的に続けた部分を認めることが大切です。

継続を褒めることで、子どもは「努力すれば伸びる」という自己効力感を育てられます。この“自己効力感”がある子は、勉強も習い事も長く続けられるようになります。


褒める基準③:失敗後に“やり直した”とき

最後に、最も褒めたいのは「失敗をやり直した場面」です。

間違えた問題を解き直したとき、忘れ物を反省して自分で準備したとき、提出を忘れた子が自分で先生に相談したとき――。

多くの親は「失敗しないように」と思いがちですが、失敗そのものは悪いことではありません。むしろ、失敗から自分で立て直せる子は、勉強でも人生でも強く伸びていきます。

たとえば、

  • 「やり直したね。そういう姿勢がいちばん大事なんだよ」

と“行動の再スタート”を認めることで、子どもは前向きに挑戦できるようになります。


叱ることの本当の目的

次に、叱ることについて考えてみます。

叱る目的は、子どもをコントロールすることでも、感情をぶつけることでもありません。叱るべきは、子どもの行動が「他者を傷つける」「自分を傷つける」「社会のルールを破る」など、成長を妨げる方向に向かってしまったとき です。

つまり、叱るべき場面は明確に線を引くことができます。あいまいにすると、親の気分で叱ったり叱らなかったりしてしまい、子どもは混乱し、行動も不安定になります。


叱るべき場面①:人に迷惑をかけたとき

叱るべき最優先は「他者への迷惑行為」です。

  • 友達を傷つけた
  • 物を投げたり壊したりした
  • 先生や周囲への態度が失礼だった

こうした行動は、勉強より何よりも先に正したいポイントです。親が明確に「これはいけない」と伝えることで、子どもは社会性を身につけていきます。

叱るときは、長く叱る必要はありません。

  • 「それはしてはいけないよ」
  • 「相手が嫌な気持ちになるよ」

のように、短く・理由を添えて伝えるだけで十分です。


叱るべき場面②:嘘をついたとき

「嘘」は、家庭の信頼関係を大きく揺るがします。

もちろん、子どもが嘘をつく背景には不安や焦りがあることも多いですが、それでも「嘘をついてもいい」と認めてしまうと、勉強も生活も不安定になります。

叱る際は、

  • 「本当のことを言ってくれたほうがうれしいよ」
  • 「嘘をつくと、君自身が困ることになるよ」

と、“行動が自分に返ってくる”ことを伝えるのが効果的です。


叱るべき場面③:危険な行動をしたとき

道路への飛び出し、ふざけすぎてけがをしそうな行動、刃物の扱い方など、命や安全に関わる場面は迷わず叱るべきです。

  • 「危ないからダメ」

ではなく、

  • 「君が大事だから止めたよ」

と、子どもを守るための叱りであることを伝えると、納得しやすくなります。


叱る必要のない場面

逆に、多くの家庭で“叱らなくていい場面”を叱ってしまい、子どもが萎縮することがあります。

  • できない
  • 失敗した
  • わからない
  • 集中できない

これらは叱る必要がありません。むしろ、叱るほど子どもは勉強から遠ざかってしまいます。
この場合、次の行動につながる言葉をそっと添えること が大切です。

たとえば「わからない」という場面なら、

「どこから難しかった?」

この一言だけで十分です。
責めるのではなく、状況を一緒に整理してあげるイメージです。

叱るのは「ルール違反」や「危険行動」。
叱らないのは「学習上の困りごと」。

この区別をつけるだけで、家庭の空気は大きく変わります。


親がやりがちなNG行動

ここからは、実際の指導現場でよく見られる“やってしまいがちなNG”を3つ紹介します。


NG①:結果だけを褒める

「100点すごいね」「賢いね」と結果ばかり褒めると、子どもは数字でしか価値を感じられなくなります。達成できないと自信を失い、挑戦しなくなることもあります。


NG②:人格を否定する叱り方

「なんでこんなこともできないの?」「あなたはダメね」
こうした言葉は、行動ではなく“人格”を否定します。

叱る対象はあくまで「行動」です。


NG③:親の気分で叱り方が変わる

昨日は叱られなかったのに、今日は叱られる――。
このように基準が揺れると、子どもは「何が正解かわからない」と感じ、行動が安定しなくなります。

基準を決めておくことが、親にとっても子にとっても安心につながります。


今日からできる実践的な関わり方

ここからは、家庭で今日からできる具体的な声かけのポイントを紹介します。


● 叱るときは短く、理由を添える

  • 「それはダメ。人が嫌な気持ちになるよ」

この一言で十分です。長く叱ると、子どもは叱られた理由を理解できなくなります。


● 褒めるときは“行動”に目を向ける

  • 「自分から始めたのがいいね」
  • 「続けられたね」
  • 「やり直したのは大事だよ」

結果ではなく、行動の変化を褒めることで、子どもの自信が自然に育ちます。


● 親が最初に「線」を決めておく

  • 叱るのは○○のとき
  • 叱らないのは○○のとき

この線引きが明確になるだけで、家庭内の迷いや葛藤が大きく減ります。


まとめ:家庭の関わり方が子どもの学びを支える

褒めることも叱ることも、子どもをコントロールするためではなく、子どもが自分で行動できるようになるためのサポート です。

「どんな行動を褒めるのか」「どんな行動を叱るのか」を親が整理しておくと、家庭の空気が落ち着き、子どもは自分で動きやすくなります。

そして、褒める場面が増え、叱る場面が減り、結果として親子のコミュニケーションが安定し、学習も生活も良い方向に向かっていきます。

今日からできる小さな声かけの積み重ねで、子どもの行動を変えていきましょう。

よくある質問(FAQ)

褒めるタイミングで迷ったときはどう判断すればいいですか?

行動が“前に進んだ瞬間”を褒めるのが基本です。 行動を始めた時・続けられた時・やり直した時のいずれかに当てはまれば、迷わず褒めてよい場面です。

勉強中に集中できない場合は叱ったほうがいいですか?

叱る必要はありません。 集中できないのは性格ではなく環境やタイミングによることが多いため、短い休憩や小さな課題に切り替えるなど、次の行動が見える声かけが有効です。

叱るべき行動と叱らない行動の線引きはどう考えればいいですか?

ルール違反・危険行動・嘘は叱る。学習の困りごとは叱らず方向を示す。 この線引きが親子で安定したコミュニケーションをつくります。

お子さんの状況(どこで止まっているか/どんなサポートが合っているか)は一人ひとり違います。
「まずは現状を聞いてみたい」という方は、進学塾サンライズまでお気軽にご相談ください。

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