読書感想文が苦手な子の書き方── 書けない本当の理由と、親ができる具体的なサポート

「読書感想文がなかなか書けない」
「原稿用紙を前にして、手が止まってしまう」
「何を書けばいいのか分からず、親子で雰囲気が悪くなる」
読書感想文に関する悩みは、毎年多くの家庭で繰り返されます。
ただし、これは一時的な問題ではありません。
読書感想文でつまずく子は、作文そのものに苦手意識を持っている場合がほとんどです。
そして多くの保護者が、こう考えます。
「本をちゃんと読めていないから書けないのでは?」
「感想を持つ力が足りないのでは?」
しかし、指導の現場で子どもたちを見ていると、
原因はそこではないことが分かります。
読書感想文が書けない理由は「読めていない」からではない
読書感想文が苦手な子どもは、
実は本をしっかり読んでいます。
- あらすじは説明できる
- 登場人物の行動も理解している
- 印象に残った場面もある
それでも書けないのは、
「何を書けば正解なのかが分からない」
からです。
つまり、
- 文章力の問題でも
- 語彙力の問題でも
- 読書量の問題でもありません
一番の原因は、
書き方の「型」が見えていないことです。
「自由に書いていい」が一番書けなくなる
読書感想文でよく聞くアドバイスに、
「自由に書いていいよ」という言葉があります。
一見、子どもの主体性を尊重しているように見えますが、
作文が苦手な子にとっては逆効果です。
なぜなら、
- どこから書き始めればいいか分からない
- どこまで書けばいいか分からない
- これで合っているのか不安になる
という状態のまま、放り出されてしまうからです。
自由は、
選択肢が見えている人にとって初めて成立します。
見通しのない状態での自由は、安心ではなく不安になります。
読書感想文に必要なのは「型」
読書感想文を書くために必要なのは、
特別な表現力やセンスではありません。
必要なのは、
考えを並べる順番=型です。
たとえば、次のような型です。
- 心が動いた場面
- なぜその場面が印象に残ったのか
- 自分の経験や考えとのつながり
この順番が分かるだけで、
- 何を書くか
- 次に何を書けばいいか
が見えてきます。
型は、
文章を縛るものではありません。
書くための道しるべです。
「あらすじ→感想」ではうまくいかない理由
多くの子がやってしまうのが、
- 本の内容を長く説明し
- 最後に「おもしろかったです」で終わる
という形です。
これは、
- 何を書けばいいか分からない
- とりあえず書けそうなところから書いている
結果です。
読書感想文では、
本の内容を説明する力ではなく、
「自分は何を感じ、どう考えたか」
が求められています。
そのためにも、
最初から「感想の軸」を決める必要があります。
親がやってしまいがちなNGサポート
ここで、家庭でよく見られるNG例を整理します。
- 正解を教えてしまう
- 文章を直してあげる
- 表現を大人が整えてしまう
これをしてしまうと、
子どもは「書かされている側」になります。
結果として、
- 次も自分では書けない
- 書くことが嫌いになる
という悪循環に入ります。
親ができる一番効果的なサポート
親がやるべきことは、
書くことではありません。
やるべきなのは、
- 話を聞く
- 問い返す
ことです。
たとえば、
- どの場面が一番心に残った?
- それはどうして?
- 自分のことと似ているところはある?
このやり取りを通して、
子どもの中で「書く材料」が整理されていきます。
文章にするのは、
そのあとで十分です。
学年別に違うつまずき方
読書感想文のつまずき方は、
学年によっても違います。
低学年
- 文が短い
- 気持ちが一言で終わる
→ 型を使って、順番を示すことが大切
中学年
- あらすじが長くなる
- 感想が薄くなる
→ 「どこが大事か」を絞る練習が必要
高学年
- 言葉は多いが抽象的
- 何を伝えたいか分からない
→ 考えを整理する型が不可欠
読書感想文は「国語力を伸ばす教材」
読書感想文は、
単なる学校の課題ではありません。
- 読んで
- 考えて
- 整理して
- 書く
この一連の流れを練習できる、
非常に優れた国語教材です。
一度型を身につけると、
- 作文
- 記述問題
- レポート
にも応用できます。
通年で取り組む価値がある理由
読書感想文は、
特定の時期だけのものではありません。
- 書く力
- 考えをまとめる力
- 言葉で伝える力
これらは、
一年を通して育てていく力です。
だからこそ、
今回だけ何とかする
ではなく
書き方を身につける
という視点が大切です。
まとめ|読書感想文が書けないのは能力の問題ではない
読書感想文が苦手な子は、
決して能力が足りないわけではありません。
- 書き方が見えていない
- 型を知らない
それだけです。
型を知り、
親が正しく関わることで、
書くことへの苦手意識は確実に減っていきます。
読書感想文は、
子どもの国語力を伸ばす大きなチャンスです。
「宿題を終わらせるため」ではなく、
「書く力を育てるため」に活用していきましょう。
よくある質問(FAQ)
読書感想文は、本をしっかり読めば書けるようになりますか?
必ずしもそうではありません。
多くの子は内容を理解していますが、「何を」「どの順番で」書けばよいかが分からず止まっています。読書感想文で必要なのは、読解力よりも考えを整理して文章にする型です。
感想が思い浮かばない子は、考える力が弱いのでしょうか?
考える力が弱いわけではありません。
感想が出てこないのは、「どの場面について考えればよいか」が決まっていないからです。心が動いた場面を一つに絞るだけで、言葉は出やすくなります。
親が文章を直してあげた方が、仕上がりは良くなりませんか?
一時的には整いますが、次につながりません。
文章を直してもらう経験が続くと、子どもは「自分で書く」感覚を失います。親の役割は、文章を直すことではなく、考えを言葉にする手助けです。
学年が上がるほど、読書感想文は難しくなりますか?
難しくなります。
高学年になるほど、「自分の考えをどう説明するか」が求められるためです。その分、低学年のうちから型を使って書く経験を積んでおくと、後が楽になります。
読書感想文は、普段の国語の成績向上にも役立ちますか?
役立ちます。
読書感想文は、読む・考える・整理する・書くという国語の基本を一度に練習できる課題です。型を意識して取り組むことで、記述問題や作文にも応用できます。

