子どもの語彙力を伸ばす6つの方法:読解力アップの秘訣

語彙力は、読解力だけでなく、子どもの自信や表現力にも直結する大切な力です。しかし、近年の調査では、多くの中高生が教科書レベルの文章を理解できていないことがわかっています。その背景には、基本的な語彙力の不足があると言われています。本記事では、親子で取り組める「語彙力を伸ばす6つの方法」を具体的にご紹介します。日々の生活で実践できるヒントを見つけてみてください!

目次

大人との会話で新しい言葉に出会う

子どもが語彙を増やすうえで、親や祖父母、先生など 年齢差のある大人との会話 は非常に効果的です。東北大学の川島隆太教授の研究によると、親子で多様な話題について話すことで、子どもの言語能力に関連する脳の発達が促されることがわかっています。また、ベネッセの調査でも、親や教師など大人との会話が多い子どもほど語彙力が高い傾向があると報告されています。

大人と話すメリット は、同年代の友達との会話ではなかなか出会えない「新しい言葉」を学べることです。例えば、親が旅行の計画を話し合う際に「交通機関」「宿泊先」など、普段は使わない言葉を耳にするだけでも、子どもの語彙は自然と広がります。

さらに、子どもにとって 「言葉の意味を質問できる環境」 を作ることも大切です。「この言葉はどういう意味?」と聞かれたときは、ただ答えるだけではなく、具体的な例を交えて説明するか、一緒に辞書を引くとより深く記憶に残ります。

日常会話の中で大人が意識的に語彙を広げる言葉を使い、子どもが興味を持ったときにその意味を丁寧に伝えることで、語彙力は自然と増えていきます。

実践のヒント

  • 日々の会話に少し難しい言葉を取り入れてみる。
  • 子どもが聞き返した言葉をわかりやすく説明する。
  • 家族でテーマを決めて話し合う時間を設ける。

これらを意識するだけで、子どもは新しい言葉にどんどん触れられる環境をつくることができます。

子どもの話にはすぐに反応する

子どもが話しかけてきたときに、親がすぐに返事をすることは、語彙力を伸ばす大切なポイントです。意外に思われるかもしれませんが、応答のタイミングが早い親の子どもほど、語彙力が高く、発話量も多いという調査結果があります。親の反応が遅い、あるいは無関心な態度をとると、子どもは「話しても意味がない」と感じ、自ら発言する機会が減ってしまうこともあるのです。

しかし、ただ返事をすればいいわけではありません。子どもの話を最後まで聞かずに遮ったり、早口で返答するのは逆効果です。子どもの話が終わったタイミングを見計らい、「適度なリアクション」 を返すことが重要です。例えば、子どもが「今日ね、学校で面白いことがあったよ」と言ったら、「どんなこと?」と興味を示すだけで、会話はどんどん広がります。

また、親が感情豊かに反応することで、子どもも「伝えたい!」という気持ちが芽生え、語彙力だけでなく 表現力 も伸ばすことができます。

こんな返事はNG!

  • 「それで?」と素っ気ない対応。
  • 「ちょっと待って」と会話を後回しにする。
  • 子どもの話を遮り、自分の話に切り替える。

こんな返事がオススメ!

  • 「それは面白いね!詳しく教えて!」
  • 「そんなことがあったんだ。どう感じた?」
  • 「すごいね!それでどうなったの?」

日常の会話の中で、子どもの発言に対して親がいかに興味を持ち、迅速かつ適切に反応するかが、語彙力アップの鍵になります。親が良い聞き手であることはもちろん、積極的なリアクションが語彙の吸収を助けるのです。

聞き役になり、子どもの発言を引き出す

親が「聞き役」になることで、子どもが自然と話す機会が増え、語彙力を伸ばすことができます。実際の調査でも、親が話す時間が短い家庭ほど、子どもが積極的に話す傾向があることがわかっています。会話の主役を子どもに譲り、親は適度なリアクションを心がけることが大切です。

例えば、子どもが「恐竜を見たよ!」と話しかけてきたときに、親が「恐竜ってすごく大きいよね!」と短い返事を返すと、子どもはその言葉を受けて「どうして恐竜は絶滅したのかな?」とさらに話を広げていきます。一方で、「恐竜の起源は2億4千年前の三畳紀中期だよ」などと長々と説明すると、子どもは言葉を返すタイミングを失い、話す意欲が削がれてしまうことがあります。

聞き役として意識したいポイント

  • 子どもの発言を繰り返す:「それは面白いね!」や「そうなんだ!」と繰り返すことで、会話が弾む。
  • 質問を投げかける:「それでどうなったの?」や「他には何があった?」など、次に続く話題を引き出す。
  • 子どものペースに合わせる:話を急かさず、子どもが自分のペースで話せるようにする。

また、親が短い返事をこまめに返すことで、子どもは自然と「自分の言葉で伝えたい」という気持ちが強くなります。この繰り返しが、子どもの語彙力や表現力の向上につながります。

実践例

  • 子ども:「見て!恐竜の絵本だよ!」
    親:「ほんとだ!すごく大きいね。」
    子ども:「首が長いけど、草を食べるためかな?」
    親:「確かに。キリンみたいだね!」

このように、親が聞き役に徹することで、子どもは安心して自分の考えを話せるようになります。それが、語彙力アップの大きな助けになるのです。

ゆっくり、はっきり話して言葉を覚えやすくする

小さい子どもは、親の話し方を真似することで言葉を学んでいきます。そのため、親が日常的に 「ゆっくり、はっきり話す」 ことが、語彙力を伸ばす基本的なサポートとなります。特に、言葉の音やリズムを覚える段階では、子どもが聞き取りやすいスピードで話すことが重要です。

例えば、「ありがとう」を教えるとき、早口で伝えると子どもがうまく真似できなかったり、意味が曖昧なまま覚えてしまう可能性があります。一方で、「あ・り・が・と・う」と区切るようにゆっくり話す と、子どもにとって音や言葉の意味がクリアになります。

ゆっくり話すメリット

  • 子どもが言葉の正しい発音を覚えやすい。
  • 新しい言葉を覚える時間を確保できる。
  • 子どもの質問や疑問を引き出しやすくなる。

また、親が言葉を教える際は、具体的な状況や物を指し示しながら話すと、言葉の意味がより理解しやすくなります。例えば、外で散歩中に「この花はチューリップだね」と言いながら指さすと、言葉と物の関連性を記憶しやすくなります。

さらに、子どもが正しく発音できたときは、「よく言えたね!すごい!」 と褒めてあげることで、言葉を使う意欲も高まります。

実践のコツ

  • 難しい言葉を教えるときは、短いフレーズに分けて伝える。
  • 子どもが聞き返したら、丁寧に説明する。
  • 動作や表情を交えて伝えると、理解が深まる。

親がゆっくり丁寧に話しかけることで、子どもが言葉をしっかりと覚え、自然に語彙力を増やしていく環境を作ることができます。こうした小さな工夫の積み重ねが、読解力や表現力の土台となるのです。

本や新聞で語彙を増やす

読書は、子どもの語彙力を伸ばすうえで最も効果的な方法の一つです。本や新聞、漫画といった文字のメディアに触れることで、日常会話では出会えない言葉を自然と学べます。特に、文章量が多く内容が濃い本や新聞は、語彙力向上に大きな効果をもたらします。

読書のメリット

  • 新しい言葉に触れる:例えば、冒険小説を読むと「探検」「挑戦」といった言葉を学べます。
  • 文脈で意味を理解する:文章の流れから言葉の使い方を覚えることで、実践的な語彙力が身につきます。
  • 興味の幅が広がる:いろいろなジャンルの本を読むことで、知らなかった世界や概念に触れられる。

子どもにとって読書を身近にするためには、家族が集まるリビングなどに本や新聞を置いておくのがおすすめです。また、親が率先して読書を楽しむ姿を見せることで、子どもも自然と興味を持つようになります。

漫画も活用しよう!
新聞や本に比べると漫画の語彙力向上効果はやや低いですが、親しみやすさの面では大きな強みがあります。特に物語性のある漫画を通じて、「共感」「葛藤」など感情に関連する言葉を学ぶことができます。漫画から興味を広げて、関連する小説やノンフィクションの本を読むきっかけを作るのも良いでしょう。

具体的な実践例

  • 図書館で子どもが興味を持ちそうな本を一緒に選ぶ。
  • 毎日数分でもいいので、一緒に新聞の見出しを読んでみる。
  • 寝る前に読書タイムを設けて、習慣化する。

家庭環境の工夫

  • リビングや寝室に本棚を置き、手に取りやすくする。
  • 子どもが好きなジャンル(冒険、ファンタジー、科学など)の本を揃える。
  • 子どもが読んだ本について感想を聞き、親子で会話を楽しむ。

本や新聞は、語彙力だけでなく読解力や表現力も鍛える絶好の教材です。親が積極的に読書環境を整えることで、子どもの学びを豊かに広げることができます。

辞書を使う習慣をつける

わからない言葉に出会ったとき、そのままにしないで調べる習慣をつけることは、語彙力を伸ばす重要なステップです。高校生や大学生を対象としたベネッセの調査でも、辞書を頻繁に使う子どもほど語彙力が高い傾向があることがわかっています。

家庭では、すぐ手に取れる場所に辞書を置くことで、調べる行動が自然に習慣化されます。例えば、リビングのテーブルや子ども部屋の机の上に置いておけば、「これってどういう意味だろう?」と思った瞬間に調べることができます。また、電子辞書やスマートフォンの辞書アプリを活用するのも便利です。

親子で辞書を使う楽しみを共有
子どもが「これってどういう意味?」と質問してきたら、「一緒に調べてみよう!」と声をかけると、調べること自体が楽しい体験になります。辞書を引くだけでなく、言葉の例文を一緒に読んだり、関連する言葉を調べたりすることで、知識が広がります。

辞書活用のポイント

  • すぐに手が届く場所に置く:子どもが自然と手に取れる環境を作る。
  • 親子で調べる時間を楽しむ:ただ教えるのではなく、一緒に言葉の意味を探すプロセスを共有する。
  • 電子辞書やアプリも活用:紙の辞書だけでなく、便利なツールも積極的に取り入れる。

さらに、辞書を使う習慣を続けることで、子どもは「知らないことを調べる」という姿勢を身につけます。これは語彙力だけでなく、学び全体においても大きな武器となります。

実践の工夫

  • ゲーム感覚で辞書を引く遊びをする(例えば「〇〇に関連する言葉を探してみよう!」など)。
  • 家庭内で「今日覚えた新しい言葉」を共有する時間を作る。
  • 子どもが調べた言葉を会話の中でさりげなく使ってみる。

辞書を使いこなす習慣は、語彙力を着実に増やすための最強のツールです。日常生活の中でこの習慣を取り入れることで、子どもの言葉の力は大きく成長していきます。

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