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岡山朝日高校が定員割れする理由――進学希望調査から見える構造的な問題

岡山朝日高校の校門。落ち着いた雰囲気の正門から校内を望む写真

昨日、岡山県教育委員会から
「令和8年度 中学校卒業見込者の進学希望状況調査」が公表されました。
(※調査の概要は岡山県教育委員会の公表資料を参照)

数字を見て、率直に感じたのは
「またか」という感想よりも、
「この状況が続いて大丈夫なのだろうか」という違和感でした。

県立トップ校である岡山朝日高校が、
昨年に続き、定員割れの可能性が高い状況にあります。

この現象を
「最近の子どもは勉強しなくなった」
「朝日は人気が落ちた」
といった言葉で片づけてしまってよいのでしょうか。

私は、この問題を
個々の生徒や家庭の意識の問題ではなく、
進路選択の“構造”の問題
として捉える必要があると感じています。


目次

進学希望調査が示している違和感

岡山朝日高校は、
長年にわたり岡山県の県立トップ校として位置づけられてきました。

進学実績、知名度、校風。
これらが、ここ数年で大きく変わったわけではありません。

それにもかかわらず、
進学希望調査では志望者数が伸びず、
定員割れが現実味を帯びています。

この点から考えても、
今回の数字は「一時的なブレ」ではなく、
繰り返し起きている傾向として受け止める必要があります。


岡山朝日高校は「魅力がなくなった」のか

まず確認しておきたいのは、
岡山朝日高校の魅力が急に失われたわけではない、という点です。

授業レベルや学習環境、
難関大学を目指す生徒にとっての価値は、
今も変わっていません。

もし問題が「魅力不足」なのであれば、
広報や情報発信を強化すれば改善するはずです。

しかし、現実はそうなっていません。

魅力発信だけでは説明できない要因が、
この定員割れの背景にあると考える方が自然です。


上位層の志望行動に起きている変化

塾の現場で見ていると、
岡山朝日高校を目標にしていた生徒が、
途中で別の上位校へ志望を変更するケースが増えています。

その理由として多く聞かれるのは、

  • 朝日高校の勉強についていけるか不安
  • 勉強ばかりの高校生活は避けたい

といった声です。

ここで重要なのは、
これが「学力が足りないから諦める」という話ではない点です。

合格の可能性があっても、
あえて別の選択をする
――
そうした動きが、上位層の中で起きています。


親と子の進路観がずれるときに起きていること

親が子どもの進路を決めるわけではありません。
それは当然の前提です。

ただ、多くの保護者は、
高校生活そのものだけでなく、
その先にある大学受験や就職、将来の選択肢まで含めて進路を考えています。

ここで問題になるのは、
もともと岡山朝日高校を視野に入れていたにもかかわらず、
途中で志望を変更するケース
です。

子どもが志望変更を考える理由を聞くと、
「勉強ばかりは避けたい」
「もっと楽しそうな高校生活を送りたい」
といった声が少なくありません。

それ自体を否定するつもりはありません。
しかし、こうした判断が、
高校卒業後の進路や学習環境まで見通した上での選択かどうかについては、
立ち止まって考える余地があるように感じます。

子どもはどうしても、
目の前のイメージ――
「楽しそう」「楽そう」
といった要素に強く引き寄せられます。

一方で、その選択が数年後にどのような影響を及ぼすかまでは、
十分に想像できないことも多いのが現実です。

「本人が納得しているなら、それでいい」という考え方もあります。
ただ、だからこそ大人は、
感情だけで決まってしまわないよう、
判断材料を具体的に示す役割を担う必要があるのではないでしょうか。


城東高校の倍率上昇が示しているもの

今回の進学希望調査では、
岡山城東高校の倍率が上昇しています。

これは、城東高校がどうこうという話ではありません。
城東高校は、進学実績も高く、評価の高い学校です。

注目すべきなのは、
上位校群の中で志望の流れが起きているという点です。

トップ校が敬遠され、
相対的に負荷が低いと感じられる学校へ志望が移る。

この動きは、
個々の生徒の問題というより、
制度と心理が噛み合った結果として捉えるべきでしょう。


問題は「意欲」ではなく「構造」にある

この現象を
「子どもの意欲が下がった」
「家庭の教育方針が変わった」
と結論づけるのは簡単です。

しかし、実際には
子どもたちはその時点で合理的だと思える判断をしています。

そして、その判断が
今の高校入試の仕組みの中では成立してしまっている

結果として、
県立トップ校である岡山朝日高校が定員割れする。

これは、
誰かの怠慢でも、誰かの失敗でもなく、
構造として起きている現象です。


他県では、どのような考え方が取られているのか

石川県や宮城県の事例を見ていると、
共通して感じるのは、
トップ校の倍率が結果として維持されているという点です。

それは、特定の学校だけを優遇しているからではありません。
少子化を前提に、県全体の高校配置や募集定員を見直し、
入口の人数を調整してきた結果だと考えられます。

岡山県と事情が異なる点があることは、もちろん承知しています。
通学圏や学校数、地域ごとの人口動態も違います。

それでも、
「トップ校の倍率が維持されるよう、入口の設計から考える」
という発想そのものは、岡山でも検討に値するのではないでしょうか。

魅力発信で志望者を集めるのではなく、
構造として志望が集まる形をどう作るか。
今、問われているのはそこだと思います。


このまま進むと、何が起きるのか

もし、この流れを放置すれば、

  • 岡山朝日高校の定員割れが常態化する
  • 上位層が分散し、学習環境の密度が下がる
  • 結果として、県外や私立への流出が進む

といった影響が考えられます。

これは、
一つの高校の問題ではありません。
岡山県全体の教育力に関わる問題です。


今、考えるべきこと

岡山朝日高校を変える必要はありません。
生徒や保護者を責める話でもありません。

問われているのは、
県全体として進学校の定員設計をどう考えるかという点です。

今回の進学希望調査は、
偶然の数字ではなく、
構造的な課題を示すサインだと受け止めるべきでしょう。


まとめ

  • 岡山朝日高校の定員割れは、単なる人気低下ではない
  • 上位層の志望行動と制度設計が噛み合って起きている現象である
  • 魅力発信だけでは解決しない
  • 入口(定員設計)という視点から考える必要がある

この問題を考えることは、
今後、岡山で進路を選ぶ子どもたちにとって、
決して無駄にはならないはずです。


よくある質問(FAQ)

岡山朝日高校が定員割れするかもしれないと聞いて、不安です。大丈夫なのでしょうか?

不安に感じる方が多いのは自然なことだと思います。
ただし、進学希望状況調査はあくまで「途中段階の数字」であり、最終的な出願状況とは異なります。岡山朝日高校の教育内容や進学実績が急に変わったわけではなく、学校としての価値が下がったわけでもありません。

定員割れということは、岡山朝日高校の人気が落ちているのでしょうか?

人気が落ちた、魅力がなくなった、という見方は適切ではありません。
朝日高校は今も、県内トップレベルの学習環境と進学実績を持つ学校です。今回の数字は、学校そのものではなく、高校選択の仕組みや志望行動の変化が影響していると考える方が自然です。

定員割れすると、入学後の学力レベルが下がるのではありませんか?

そのように単純に考える必要はありません。
岡山朝日高校を志望する生徒層は、依然として学習意欲が高く、基礎学力もしっかりしています。クラス全体の学習水準や授業の質が大きく変わるような状況ではありません。

朝日高校を目指すこと自体、リスクが高くなっているのでしょうか?

いいえ。朝日高校を目指す価値が下がったわけではありません。
むしろ、「なぜ朝日高校を選ぶのか」「そこで何を目指すのか」を明確にしている生徒にとっては、今も非常に恵まれた環境です。

他の上位校の倍率が上がっていると聞きました。朝日高校よりそちらの方が良いのでしょうか?

高校の良し悪しは、倍率だけで決まるものではありません。
どの学校にもそれぞれの特色があり、進学実績や学習環境も異なります。朝日高校は「学問を深く学びたい」「高い目標に挑戦したい」生徒にとって、今も変わらず適した学校です。

今後、岡山朝日高校の入試が簡単になるということですか?

そのように考えるのは早計です。
進学希望状況調査の数字だけで入試難易度が大きく変わるわけではありません。岡山朝日高校を目指すのであれば、これまで通り、しっかりとした準備が必要です。

朝日高校を目指す家庭として、今できることは何でしょうか?

大切なのは、「朝日高校での3年間」を具体的にイメージすることです。
課題量、学習ペース、周囲の学習意識、大学受験までの流れなどを早い段階で理解しておくことで、途中で不安から志望を変える必要は少なくなります。朝日高校は、目標を持って臨む生徒にとって、今も非常に価値の高い学校です。

朝日高校について、厳しすぎる・大変そうという声を見かけて不安になります。

そのような印象を持たれる背景には、
朝日高校が学習面で高い基準を大切にしている学校であるという事実があります。

授業の進度や課題量、周囲の学習意識は決して低くありません。
そのため、中学校までとの違いを想像して不安を感じる方がいるのは自然なことです。

ただし、それは
「環境が合わない学校」という意味ではなく、
学問にしっかり向き合う姿勢が求められる学校だということでもあります。

目標を持って入学した生徒にとっては、
自分の力を引き上げてくれる環境だと言えるでしょう。

朝日高校に対する不安の多くは、
学校の質が低いからではなく、
求められる水準が高いことへの戸惑いから生まれています。

朝日高校では、授業についていけなくなる生徒が多いのでしょうか?

朝日高校を目指す段階で、
「自分が本当についていけるのか」と不安に感じる生徒は少なくありません。

ただし重要なのは、
最初から完璧についていけるかどうかではありません。

朝日高校で求められるのは、
・日々の学習を積み重ねる姿勢
・わからないことをそのままにしない姿勢
です。

これらが身についていれば、
特別な才能がなければ続けられない学校ではありません。

実際には、
最初は戸惑いながらも、周囲の刺激を受けて学習習慣が整い、力を伸ばしていく生徒が多い
というのが、現場で見てきた実感です。

朝日高校は、もともと成績上位の一部の生徒しか向いていない学校ですか?

そのように捉える必要はありません。
朝日高校に向いているかどうかを分けるのは、
「最初から完璧にできるか」ではなく、
「高い基準の中で努力を続けられるか」です。

実際、入学時点では不安を抱えていた生徒が、
周囲の環境に刺激を受け、
学習への向き合い方を大きく変えていくケースも少なくありません。

朝日高校は、
できる生徒だけが集まる場所ではなく、
伸びようとする生徒が集まる場所

だと言えるでしょう。

定員割れと聞くと、朝日高校のレベルが下がるのではと心配になります。

定員割れ=レベル低下、と考える必要はありません。
朝日高校を志望する生徒層は、今も高い学習意欲と目標意識を持っています。

今回の進学希望状況調査の数字は、
学校の質そのものではなく、
志望行動や制度の影響が反映されたものと見る方が適切です。

教育内容や学習環境が急に変わることはなく、
朝日高校の価値が下がったわけではありません。

不安がある中でも、朝日高校を目指す意味はありますか?

あります。
朝日高校は、
「楽に過ごす3年間」ではなく、
自分を高める3年間を過ごしたい生徒にとって、今も大きな意味を持つ学校です。

不安を感じること自体は、
高い目標に向かっている証拠でもあります。

その不安を、
正しい情報と準備で解消しながら進んでいけるのであれば、
朝日高校を目指す価値は十分にあると言えるでしょう。

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