偏差値70を超えられない子は、言葉を「雰囲気」で読んでいる――抽象語を処理できない勉強の落とし穴

偏差値60台後半までは順調に伸びてきた。
勉強量も足りているし、やる気もある。
それなのに、なぜか偏差値70の壁だけが越えられない――。
この段階で多くのご家庭は、
「演習量が足りないのでは」
「まだ本気になれていないのでは」
と考えがちです。
しかし、現場で見ていると、
原因はもっと別のところにあります。
それは、
言葉を“理解しているつもり”になっていること。
特に、抽象語やカタカナ語が増えると、
文章を読めているようで、実は読めていない。
このズレが、偏差値70を境に一気に表面化します。
この記事では、
努力しているのに伸びない子に共通する「読みの落とし穴」と、
偏差値70を超える子が無意識にやっている言葉の処理を、
具体例を交えて整理します。
偏差値70を分けるのは「知識量」ではない
ここで誤解してはいけません。
偏差値70を超えられない原因は、知識不足ではありません。
語彙量もある。
暗記もできる。
問題演習の量も足りている。
それでも伸びない。
理由は単純で、
文章中の重要語を、構造として捉えられていないからです。
たとえば、次のような言葉です。
- リスク
- コンセプト
- 価値
- 役割
- 背景
- 本質
これらは、定義を丸暗記しても使えません。
文脈の中で意味が変わる言葉だからです。
偏差値70を超える子は、
「この場面では、どういう意味で使われているか」を考えます。
一方、超えられない子は、
なんとなく聞いたことのある意味を当てはめて読み進めます。
この差が、得点差になります。
「わかったつもり」が一番危ない
成績が伸び悩む子ほど、こう言います。
「意味はわかります」
「言ってることは読めてます」
しかし、答案を見ると、
- 設問の意図からズレた答え
- 抽象的なまとめができない
- 本文の言葉を言い換えただけの記述
が並びます。
これは理解不足ではありません。
理解した“つもり”で思考が止まっている状態です。
特に危険なのが、
「カタカナ語+抽象語」が重なった場面。
ここで処理が止まると、
文章全体の論理構造が崩れます。
偏差値70を超えられない子に共通する読み方
答案や日々の学習を見ていると、はっきり分かれます。
偏差値70を超えられない子の多くは、
- 言葉を一語ずつ処理していない
- 「前後関係」を追っていない
- 定義を確認せずに読み進める
という読み方をしています。
つまり、
文章を「意味の流れ」ではなく「文章の雰囲気」で追っているのです。
これでは、
- 記述問題
- 理由説明
- 要約
- 英語長文
- 国語評論
で安定して点は取れません。
努力しても伸びない理由は、ここにあります。
偏差値70を超える子は「言葉を止めて読む」
一方、偏差値70を超える子は違います。
- 「この言葉、どういう意味だ?」で一度止まる
- 「ここで使われている意図は?」と考える
- 前後の文と照らして解釈を修正する
この作業を、無意識でやっています。
だから、
- 記述がズレない
- 英語の抽象文でも内容が取れる
- 初見問題でも対応できる
のです。
知識量の差ではありません。
言葉の扱い方の差です。
カタカナ語は「思考力の地雷」
カタカナ語は、偏差値60台の子にとって最大の落とし穴です。
なぜなら、
- 日本語訳を当てはめた瞬間に思考が止まる
- 「知っている感」が強すぎる
- 本文の論理を読まなくなる
からです。
たとえば「リスク」。
「危険」と訳して終わる子と、
「どんな危険を、どの立場で言っているのか」を考える子。
この差が、そのまま偏差値差になります。
偏差値70を超えるために必要なこと
必要なのは、先取りでも演習量でもありません。
やるべきことは一つです。
言葉を止めて考える習慣をつくること。
- 抽象語に出会ったら、立ち止まる
- 自分の言葉で言い換える
- 文脈と照らして意味を確認する
これができるようになると、
- 国語が安定する
- 英語長文が楽になる
- 思考系問題に強くなる
という変化が一気に起きます。
おわりに:努力している子ほど、ここで止まる
皮肉なことに、
一番この壁にぶつかるのは、真面目で努力している子です。
だからこそ、
「もっと勉強しよう」では解決しません。
必要なのは、
勉強の量ではなく、言葉の扱い方を変えること。
偏差値70の壁は、才能ではありません。
読み方の壁です。
そしてこの壁は、
正しい視点を持てば、必ず越えられます。
よくある質問(FAQ)
勉強時間が足りないだけではないのですか?
いいえ。
偏差値60前後までは「量」で伸びることもありますが、偏差値70付近からは、量だけでは頭打ちになります。
同じ時間をかけていても、
・考えながら学んでいるか
・作業としてこなしているか
で、伸び方は大きく変わります。
暗記を徹底すれば偏差値70は可能では?
不可能ではありません。
ただしその場合、膨大な暗記量と反復時間が必要になります。
多くの生徒はその学習量に耐えられず、途中で失速します。
一方、理解を軸にした学び方なら、必要な学習量そのものを減らすことができます。
地頭の差ではありませんか?
よくある誤解ですが、
偏差値60→70で差が出る最大の要因は地頭ではなく、学び方の方向性です。
「なぜそうなるのか」を考える習慣があるかどうか。
この差が、長期的に大きな差になります。
早期から対策しないと間に合いませんか?
ここで言う「早期」とは、先取り学習のことではありません。
大切なのは、
・問いを立てる
・言葉で説明する
・理解を深める
という姿勢を早い段階で身につけることです。
学年が上がってからでも、学び方を切り替えれば十分に間に合います。
親ができることはありますか?
あります。
「量を増やそう」「もっとやりなさい」と言うよりも、
・どう考えたのかを聞く
・答えより過程を認める
・言葉で説明させる
こうした関わりの方が、偏差値70を超える土台づくりに直結します。
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