勉強が得意な小学生ほど危ない?親が気づかない“伸び悩み”の落とし穴

「うちの子は勉強ができるから安心」と思っていませんか?実は、勉強が得意な小学生ほど、ある時期に伸び悩みに直面しやすいのです。小学校の学習は比較的易しいため、最初はスムーズに理解できても、中学・高校になると急に壁にぶつかることがあります。今回は、そんな「伸び悩み期」を防ぐために、親ができるサポートについて解説します。
学校の勉強が簡単に感じる子が陥りやすい落とし穴
小学校では授業の進度もゆるやかで、宿題も基礎的なものが中心です。そのため、勉強が得意な子は「学校の勉強は簡単」と感じやすいもの。
一見すると良いことのようですが、この「簡単すぎる」という感覚が落とし穴になることがあります。
- 授業を真剣に聞かなくなる
- 家での学習習慣が身につかない
- 「やればできる」と思い込み、努力を軽視する
この状態が続くと、中学で学習内容が難しくなったときに「頑張り方が分からない」まま壁にぶつかってしまいます。つまり、小学生のうちに“努力する経験”を積んでいないことが、伸び悩みの原因となるのです。
「先取り学習」と「深掘り学習」どちらを選ぶべき?
子どもの力を伸ばそうとするとき、多くの保護者がまず考えるのは「先取り学習」です。確かに、中学校の内容を小学生のうちから学べば、周囲より早く進んでいるように見えます。しかし、先取りだけに偏るのは要注意です。理解が浅いまま進んでしまうと、中学以降の応用問題でつまずく危険があるからです。
そこで大切なのが「深掘り学習」です。深掘りをしっかり行っておくと、中学で新しく学ぶ内容が「復習のように感じられる」ことがあります。たとえば中学2年で習う平行線と角は小学5年で扱い、中学2年の相似の考え方は小学6年の拡大図・縮図の学習とつながっています。小学生のうちに深掘りして考え方を身につけていれば、中学で学ぶときにスムーズに理解できるのです。
算数で言えば、学校の範囲にとどまらず中学受験レベルの問題や発展的な課題に挑戦するのも立派な深掘り学習です。図形や文章題をより多角的に解いたり、応用問題を考えたりすることで、中学の数学を難なく吸収できる基盤ができます。
国語でも同じです。要約や討論といった活動に加えて、漢字検定3級に挑戦する、ことわざや慣用句を調べて語彙を増やす、といった取り組みが「深掘り」にあたります。語彙力が増えることで、読解力や表現力もぐんと伸び、中学以降の文章理解に大きな差が生まれます。
つまり、先取りはあくまで補助的であり、真に力を伸ばすのは「深掘り学習」。時間をかけて学びを深めることこそが、子どもの学力を支える土台になるのです。
苦手を放置しない!得意とバランスをとる学習法
特に小学校高学年になると、苦手科目を放置しがちです。出された宿題だけをこなしていると一見どの教科も勉強しているように見えますが、算数の文章題が苦手なのに毎日計算ドリルだけをやっていても克服にはつながりません。国語も同じで、読解が苦手なのに漢字ドリルばかりを繰り返しても、文章を理解する力は育たないのです。
また、算数の応用問題が苦手だからといって、いきなり難しい問題集を与えても効果は期待できません。計算や公式は理解していても、それを「応用」する力が不足している場合、自力で挑んでもなかなか成果が出ず、かえって自信を失うこともあります。大切なのは、基礎を使って応用へと橋渡しするステップを一緒に踏ませることです。
さらに、算数や国語は得意でも、理科や社会、英語でつまずく子も少なくありません。その多くは、単純に勉強量が少ないことが原因です。主要科目に比べて時間をかけにくいため、知識が定着しないまま苦手意識につながってしまうのです。
したがって、得意を伸ばすだけでなく、苦手を少しずつ補う習慣を持たせることが重要です。毎日10分でも弱点に取り組む時間を作ると、得意と苦手のバランスが取れ、学力全体の底上げにつながります。
親ができる“伸びしろ”を広げる声かけ
勉強が得意な子の親は、どうしても基準が高くなりがちです。80点を取っても「まだまだだ」と感じることもあるでしょう。基準が高いこと自体は悪くありませんが、子どもの自尊心を傷つける言葉には注意が必要です。例えば、「どうしてできなかったの?」「頑張りが足りない」といった言葉は、子どもにとって大きなプレッシャーになります。繰り返されると、失敗を恐れて挑戦できなくなったり、弱点を隠そうとすることで結果的に伸び悩みに直結してしまうのです。
大切なのは、難しいことに挑戦したときには結果よりも挑戦そのものを認めることです。「最後まで頑張ったね」「よく粘ったね」と伝えるだけで、子どもは挑戦する勇気を持ち続けられます。
また、できた場合には「次はどこを強化しようか」と次につながる声かけをすると、子どもは自分の努力を前向きに捉え、さらに成長しようという気持ちが芽生えます。
そして何より効果的なのが、「過去の自分」との比較です。「前は5問中2問しかできなかったけど、今は4問できたね」と具体的に伝えると、子どもは自分の成長を実感できます。これが自信となり、学び続ける力につながります。
親の声かけひとつで、子どもの“伸びしろ”は大きく広がります。
まとめ:伸び悩みを防ぐカギは、親の見守り方
勉強が得意な小学生ほど、油断すると伸び悩みに直面します。
- 学校の勉強が簡単に感じる子には、努力する経験を意識的につくる
- 先取りよりも深掘りで「考える力」を養う
- 得意と苦手のバランスをとる
- 親の声かけで伸びしろを広げる
これらを意識することで、子どもは小学生のうちに「学び続ける力」を身につけられます。
そして、この基盤が将来の自学力につながり、中学・高校で大きく伸びる原動力となります。
親ができることは、教えることではなく、見守りと環境づくりです。子どもの“伸び悩み期”を防ぐカギは、まさに日常の関わり方にあるのです。

