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中3でも正答率28%!? “0は偶数”が解けない日本人に欠けている力とは

2で割り切れる数=偶数を、0・8・65・110からすべて選べ

「0は偶数か?」――誰でも即答できそうなこの質問。
ところが、PRESIDENT Onlineの記事によると、中学3年生で正答できたのはわずか28%
さらに、金融の基礎を問う問題でも中学生の正答率16.4%、教員でさえ17.6%という結果が出ています。

これらの数字が意味するのは、「大人も子どもも“読めていない”」ということ。
いまの日本人に欠けているのは、計算力でも知識量でもなく、定義を正しく読む力なのです。


目次

「0は偶数?」 学年が上がるほど正答率が下がる理由

出題はこうでした。

「2で割り切れる数=偶数を、0・8・65・110からすべて選べ」

小学生なら、2で割って確かめる子が多いでしょう。
「0 ÷ 2=0。あ、割り切れる」と。

ところが学年が上がるにつれ、答えは乱れます。
記事によれば、小6の正答率は60%、中3で28%、会社員でも33%。

知識が増えるほど間違える――これは驚きです。

なぜ、こうした逆転現象が起こるのでしょうか?
理由は単純です。
多くの人が「偶数=末尾が0・2・4・6・8」と暗記したルールで判断しているからです。
つまり、「2で割り切れるとはどういうことか」を定義として読んでいない。
“0は偶数”を覚えているだけで、意味を理解していないのです。


金融の問題でも、“定義を読めない”現実

次の問題は、金融リテラシーに関する中学生向けの設問です。

資金が不足している経済主体と、資金に余裕がある経済主体との間で資金を貸し借りするのが金融である。
金融は資金の貸し手と借り手が直接に資金を融通し合う直接金融と、銀行などの金融機関を介して資金の貸し借りを行う間接金融に大別される。

直接金融を利用している主体を選びなさい。
① A銀行に預金している中学生
② 祖父母からお年玉をもらったBさん
③ C銀行に勤めている人
④ D大学から奨学金を借りた人

この問題の正解は④のみです。
大学という非金融機関からお金を直接借りているため、「直接金融」に当たります。
①は銀行を介しているので「間接金融」、②は贈与であり貸し借りではなく、③は雇用関係です。

にもかかわらず、中学生の正答率は16.4%、教員でさえ17.6%
「直接金融」「間接金融」といった言葉の意味を知らなくても、
文章をきちんと読めば答えは出せるはずです。

それでも間違えるのは――
“読んでいるのに、読めていない”からです。


問題は「知識の不足」ではなく「読む力の欠如」

偶数の問題も、金融の問題も、共通して問われているのは“定義を読めるか”という力です。
どちらの設問も、「説明文の中にすべての答えが書かれている」。
文章を正確に読めれば、誰でも解ける問題です。

にもかかわらず、年齢や学歴に関係なく間違える。
それは、「読む→理解する→確かめる」いう基本のプロセスを飛ばしているからです。

  • 一度読んだだけで「わかったつもり」になる
  • 文章よりも、自分の記憶や印象を優先する
  • 「考えるより早く答える」癖がついている

この3つの習慣が、定義の理解を曖昧にしているのです。
こうした学び方では、知識をどれだけ増やしても“使える理解”にはなりません。
知識とは、「読んで意味を取る力」とセットではじめて機能します。


つまり問題は、「0が偶数か」「金融の種類を覚えたか」ではなく、
“読むことを軽んじてきた学び方”そのものにあります。


中学生で正答率が下がるのはなぜか

小学生より中学生の正答率が下がる。
その原因は、単に知識が増えるからではありません。

中学になると、勉強が「暗記中心」へと移行するからです。
定義や公式の意味よりも、「テストで使えるかどうか」が重視される。
結果、問題を読む力が弱まり、定義を“使えない知識”にしてしまう。

一方で、定義を理解して学ぶ子は違います。
「どうしてそうなるのか」「他の例ではどうだろう」と考えながら読む。
この積み重ねが、後に大きな差を生みます。

定義を正しく読む力は、一夜漬けでは育ちません。
毎日の学びの中で鍛えられる“思考の筋肉”なのです。


サンライズが大切にしている「読む力」から始まる学び

進学塾サンライズでは、授業の冒頭でよくこんなやり取りがあります。

「“割り切れる”って、どういう意味だろう?」
「“直接金融”って、“直接”ってどういうことかな?」

このように、言葉の定義から考えることを重視しています。
なぜなら、定義を正しく読めなければ、いくら知識を積んでも使いこなせないからです。

サンライズの「算脳トレ」や「論理トレ」では、
問題文の中にあるキーワードを読み取り、自分の言葉で言い換える練習を繰り返します。

たとえば、「2で割り切れる数」と言われたら――
「2で割って余りが0になる数」と自分で説明できるかどうか。

この“言語化”のプロセスこそが、思考力の核です。
「考える力」とは、頭の中で定義を読み直し、自分の言葉で理解し直す力のこと。
これを繰り返す子どもは、学年が上がっても迷いません。


家庭でもできる“読む力”の鍛え方

読む力を育てるのに、特別な教材は必要ありません。
家庭でも次の3つのステップを意識するだけで十分です。

  1. 一緒に読む
     問題文や説明を、親子で声に出して読んでみる。
     途中で「ここで言っている“これ”って何のこと?」と確認する。
  2. 言い換える
     子どもに「つまりどういうこと?」と聞いてみる。
     正解を言わせるのではなく、自分の言葉で整理させることが目的です。
  3. 確かめる
     「本当にその意味で合っている?」と定義を読み返す。
     読み飛ばしていた一文に気づけると、理解が一段深まります。

読む力とは、一度読んで終わりにしない力です。
何度も読み返し、意味を確かめる習慣がつけば、どんな教科にも応用できます。


まとめ:知識よりも「読む力」が未来を決める

「0は偶数」も、「直接金融」も、難しい話ではありません。
それでも多くの人が間違えるのは、定義を読む力が欠けているから。

この力は、知識よりもずっと根深いものです。
覚えた知識は時間とともに薄れますが、読んで理解する力は一生の武器になります。

サンライズが目指しているのは、
「知っている」子ではなく、「読んで理解できる」子を育てること。

偶数の定義を正しく読める子は、数学の本質を理解できる。
金融の仕組みを正確に読み取れる子は、社会の仕組みも読み解ける。

学びのすべては「読む力」から始まります。
“読む力”を侮らないこと。
ここからすべての学びが始まります。

お子さんの状況(どこで止まっているか/どんなサポートが合っているか)は一人ひとり違います。
「まずは現状を聞いてみたい」という方は、進学塾サンライズまでお気軽にご相談ください。

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