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親が手を出しすぎると、中学で困る理由

親が手を出しすぎると、中学で困る理由

「今日、宿題やったの?」から始まって、丸つけ、直し、明日の持ち物の確認まで。気がつけば、子どもの勉強のほとんどを親が回している。そんな毎日ではありませんか。

小学生のうちは、それで成績が保たれます。
だからこそ、問題が見えにくいのです。

この記事では、親が見ているからうまくいっている状態が、中学に入るとどうなるのか。塾で子どもたちを見てきた立場から、お話しします。

目次

親が見ているから成績が保たれている子がいる

面談で保護者の方の話を聞いていると、「うちは私がかなり見ています」というご家庭が少なくありません。

宿題の丸つけは親がして、間違えた問題は隣について解き直させる。テスト前は範囲表を親が読んで、やることを決めてあげる。

その結果、学校のテストはよくできています。忘れ物もない。提出物も出ている。周りから見れば、何の問題もない子です。

ただ、塾で本人と話してみると、

「昨日、何を勉強したの?」

という質問に答えられないことがあります。

やったことは覚えているのに、なぜそれをやったのかは知らない。
決めていたのが親だからです。

成績が保たれていることと、子どもが自分で勉強できていることは、別の話です。ここが分かれていないまま中学に進むと、あとで苦しくなります。

小学生のうちは、親が見れば何とかなることがある

まず、はっきりさせておきたいことがあります。
小学生の勉強を親が見ること自体は、悪いことではありません。

小学校の学習量は、親が把握できる範囲に収まっています。宿題は1日30分程度。テスト範囲も狭い。親が横について見れば、たいていのことは何とかなります。

低学年のうちは、むしろ親が横にいたほうが、勉強の習慣がつきやすい面もあります。

実際、小学生のうちに親がしっかり関わってきたご家庭の子は、計算も漢字も、よく仕上がっています。そこは親の関わりの成果です。

問題は、「何とかなっているのは、誰の力なのか」です。

親が始めさせて、親が間違いを見つけて、親が直させている。
この状態で出ている点数は、親子の合作です。子ども一人の力ではありません。

合作であること自体は構いません。
ただ、そこを見間違えると、中学に入ってから「あれ?」となることがあります。

親が管理している間は、子どもの力が見えにくい

親が管理している状態の怖いところは、「できていない部分」を親が先に気づいて直してしまうことです。

例えば、宿題を忘れそうになったら、親が声をかける。だから忘れ物はゼロ。計算ミスがあれば、親が丸つけで見つける。だからテストでは直っている。

この子が「自分で気づけない」という弱点を持っていても、記録の上ではどこにも残りません。

塾に来たばかりの子で、こういう子がいました。

宿題は完璧に出す。字もきれい。
ところが、授業中に「自分のノートの中から間違いを探してごらん」と言うと、どこを見ればよいのか分からない様子でした。 

間違いを探すという作業を、これまで一度もしたことがなかったからです。
ずっと親の仕事だったのです。

親が手をかけるほど、表に出てくる結果はよくなります。
同時に、子どもの本当の姿は見えにくくなります。

点数を見て安心する前に、「その点数が、子ども自身の力だけで取れているものなのか」を一度考えてみてほしいのです。

間違える前に直してしまうと、自分で気づく機会が減る

親が横で見ていると、子どもが間違えそうな瞬間が分かります。

筆算の桁がずれた瞬間、

「あ、そこ違うよ」

と言いたくなりますよね。

その気持ちはよく分かります。
放っておけば間違えたまま進んで、直しが増えるだけに見えますから。

ただ、間違える前に直された子は、「間違えた」という経験をしていません。

間違えて、答えが合わなくて、どこがおかしいのか自分で探す。
この一連の流れを経験していないのです。

塾では、あえて途中で言わないことがあります。
桁がずれたまま最後まで計算させて、答え合わせで×がつく。

そこで、

「どこで間違えた?」

と聞きます。

最初は「わからない」と言っていた子が、何度か繰り返すうちに、

「あ、ここだ。繰り上がり忘れてる」

と自分で見つけるようになります。

間違いを見つける目は、間違えた経験の中でしか育ちません。
先回りして直すことは、その場のミスを減らす代わりに、気づく練習の機会を減らしています。

すぐ教えると、自分で考える時間が短くなる

「わからない」と言われたとき、すぐに説明していませんか。

家庭で親が教えると、どうしても早くなります。
夕食の支度もあるし、時間は限られている。子どもが5分考えているのを待つより、教えたほうが早い。

これも自然なことです。

ただ、家で「わからないと言えば、すぐ教えてもらえる」が続いている子は、塾でも問題を見て3秒で「わかりません」と言います。

読んでもいないのです。
考える前に助けを呼ぶことが、癖になっています。

一方で、伸びていく子は、わからない問題を前にしたとき、何かをします。

図を描いてみる。
問題文をもう一度読む。
前のページを見返す。

正解にたどり着けなくても、その数分間に手が動いています。

この差は、生まれつきではありません。
「すぐには助けが来ない時間」を過ごしてきたかどうかの差です。

家庭でできることは、教える前に、

「どこまで考えた?」

と一言聞くこと。
それだけで、子どもが考える時間は変わります。

忘れ物や予定管理を親が全部していないか

勉強の中身だけでなく、周辺のことも見てみてください。

明日の時間割をそろえるのは誰ですか。
水筒を玄関に置くのは誰ですか。
提出物の締め切りを覚えているのは誰ですか。

多くのご家庭で、答えは「親」だと思います。

小学生のうちは、それで回ります。
ただ、この状態の子は、「自分の予定を自分で把握する」という経験がほとんどありません。

頭の中に予定表がないのです。
あるのは親の頭の中です。

塾で、

「来週、テスト対策をするから、学校のワークを持ってきてね」

と伝えたとき、自分でメモを取る子もいれば、「家で親に言われるだろう」と思っているように見える子もいます。

後者の子は、忘れてくることが多い。
本人に悪気はありません。持ち物の管理が自分の仕事だと思ったことがないだけです。

いきなり全部任せる話ではありません。

まずは、

「明日の準備、できてる?」

と確認の声かけに変える。

そろえるのは子ども。
最終チェックは親。

この順番にするだけで、子どもの側に仕事が生まれます。

中学に入ると、親が見切れない量になる

なぜ小学生のうちに、と言うのか。
理由は単純で、中学に入ると量が変わるからです。

教科は9教科。
テスト範囲は各教科数十ページ。
提出物はワーク、ノート、プリントと教科ごとにあり、締め切りもばらばらです。

そこに部活が加わります。
帰宅は6時、7時。親が横について全部を見る時間は、物理的に取れなくなります。

しかも、中学の内容は親が教えるのも難しくなっていきます。

小学生のうちは丸つけできていた親が、中学の数学で説明に困る。
よくある光景です。

このタイミングで、管理が親から子へ、いきなり全部移ることになります。

今まで一度も自分で予定を組んだことのない子が、9教科の提出物を管理する。
これはかなり難しいです。

実際、上位層の子でも、中学に入ってから提出物や予定管理で苦労することはあります。
学力の問題というより、自分で管理した経験の差が出るのです。

中学で困る子は、能力が足りないのではありません。
自分で段取りを考えた経験が足りないまま、量だけが増えたのです。

答えだけでなく、勉強中の動きにも目を向ける

では、親は何もしないほうがいいのか。
そうではありません。

見る場所を変えるのです。

これまで見ていたのは、答えが合っているか、宿題が終わったか、忘れ物がないか。つまり「結果」です。

これからは、「子どもがどう動いたか」を見てください。

間違えたとき、自分で探そうとしたか。
わからない問題で、すぐ助けを求める前に何か試したか。
明日の準備を、言われる前に始めたか。

答えが合っていなくても、自分で間違いを探して直せたなら、その日は、それで十分です。
逆に、全部丸でも、隣で親が誘導した結果なら、本人の力はあまり動いていません。

塾でも、私が見ているのは答案より手元です。

消しゴムを持つ前に、どこが違うか探しているか。
それとも、こちらの顔色を見て正解を探っているか。

動き方を見れば、その子が今、どこで困っているのかが見えてきます。
家庭でも、同じ目で見ることはできます。

手を離すのは、一気でなくていい

「じゃあ、明日から手を離します」となる必要はありません。

むしろ、いきなり全部を手放すと、子どもは何をしていいか分からず、勉強そのものがうまく回らなくなります。

それで「やっぱりうちの子は無理だ」と親がまた全部やる。
この往復が一番よくありません。

離すのは、一つずつです。

例えば、こんな順番です。

まず、

「今日は何をする予定?」

と聞いて、子どもに予定を説明してもらう。
決めるのが親から子に移ります。

次に、丸つけは親がしても、間違いの場所を探すのは子どもにする。

「この列のどこかに間違いがあるよ」

とだけ伝えて、探させる。

次に、教える前に、

「どこまでわかった?」

と聞く時間を挟む。

持ち物は、そろえるのを子ども、確認を親にする。

一つ任せたら、しばらくはそこだけ見守る。
できるようになったら、次のことを任せる。

半年、一年かけて構いません。
小学生のうちに始めれば、その時間は十分あります。

岡山朝日高校を目指すなら、小学生のうちから自分で動く経験を

岡山朝日高校のような上位校を視野に入れているご家庭なら、なおさらこの話は他人事ではありません。

岡山朝日高校を受ける子たちは、中3の後半になると、誰に言われなくても自分で計画を立てて勉強しています。

というより、そうでなければ届きません。
親が管理できる量を、勉強量がとっくに超えているからです。

過去問を解いて、自分の弱い単元を見つけて、そこに戻る。
この一連の作業を、本人がやります。

その姿は、中3になって突然生まれるものではありません。

小学生のときに、自分で間違いを探した経験。
わからない問題を前に、粘った時間。
明日の準備を自分でした習慣。

そういう小さな経験の積み重ねの先にあります。

小学生のうちにテストで100点を取らせることより、100点でなくても自分で気づいて直せる子にしておくこと。

上位校を目指すなら、小学生のうちに見ておきたいのは、点数そのものよりも、そういう動きです。

親が助けることと、子どもの代わりにやることは違う

ここまで読んで、「私のやり方が悪かったのか」と感じた方がいるかもしれません。

そうではありません。

子どもを見て、手をかけてきたこと自体は、間違いではないのです。
手をかけられてきた子は、勉強の型がきちんと入っています。

分かれ目は、「助ける」と「代わりにやる」の間にあります。

子どもが考えている横で待つのは、助けること。
考える前に答えを言うのは、代わりにやること。

準備を確認するのは、助けること。
準備を全部そろえるのは、代わりにやること。

小学生の今なら、失敗しても取り返しがつきます。

宿題を一回忘れても、テストで一回ミスしても、そこから「次はどうする?」を本人に考えさせる時間があります。

中学に入ってからでは、その余裕が減ります。

親が助けることは、これからも続けていい。

ただ、気づくこと、直すこと、進めること。
この三つだけは、少しずつ子どもの手に返していく。

その積み重ねが、中学からの学び方を決めていきます。

お子さんの状況は、一人ひとり違います。

どこでつまずいているのか、
どのようなサポートが必要なのかもそれぞれです。

お子さんに今どのような学習が必要なのか、一緒に考えていきます。

「まずは現状を聞いてみたい」という方は、
進学塾サンライズまでお気軽にご相談ください。

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