辞書的に言えば、
やる気は、
「物事をやろうとする気持ちや欲求」であり、
モチベーションは、
「やる気を起こしたり、何かをしようとするための刺激や動機づけ」
である。
勉強において、やる気やモチベーションの事がよく話に出てくるが、
はたして、「やる気」とは何だろうか?
「モチベーション」とは何だろうか?
色々話を聞いていると、おそらく、
やる気とは、
「自ら勉強をしたいと思うこと」と思われているように思える。
それに倣い、モチベーションとは、
「勉強をしたいと思う気持ちが起こること、あるいは続くこと」
となる。
しかし、実際指導していて、大人が思うように、
純粋に「勉強がやりたい」と思う子はいるのだろうか。
自分が子どもの時にそう思っていない人の方が圧倒的に多いはずだ。
やる気とは、
「いかなる理由があっても、勉強をしようとする気持ち」に
他ならない。
・明日までにやらないといけないからやる。
・高校に進学したいから(やらなければ受験で合格できないから)やる。
とにかく、やらなければならない理由があるから、
勉強をしようと思うのが、「やる気」なのではないか。
そして、
・やらないと叱られる。
・やらないと恥ずかしい思いをする。
・やらないと夢が叶わない。
など、ネガティブなものではあるが、そういったものが、
「モチベーション」になっている人もいると思う。
もちろん、ずっとそういうことがモチベーションになっていては、
長続きしない。
精神的に成長していく中で、自分の目標が見つかったり、
褒められり、成績がよくなったりがあって、
プラスのモチベーションに変わっていくこともある。
昔、こんな話を聞いたことがある。
早稲田大学に合格した女の子が、自分の勉強を振り返って、
「自分が本当にやろうと思って始めたのは高3の時だけだった。
それまでは、親にめちゃくちゃ勉強させられた。
でも、今思えば、それがあったから、合格できたんだと思える。
だから、親に感謝したい。」
こういう話をすると、「鞭打ってでも、とにかく勉強をガンガンさせればいい」と偏ったとらえ方をされそうに思うが、それは、違う。
まだ精神的に幼いうちに、壮大な目標を掲げて、
自ら勉強をするような子になるのをじっと待っていても、
その時が来ることはないだろう。
いつか、自分で「やろう!」と思う時がくる。
それまでは、大人がしっかりとサポートして、
勉強をさせていけばいい。
一見、やる気がなさそうに見えても、
実はみんな「やる気」は持っている。
実際、塾で、
「やる気がないなら、塾を辞めてもいいし、
無理に勉強しなくてもいい。」
と言って、辞めた子はいない。
大抵、
「いいえ!やります!この塾で勉強したいです。」
と返ってくる。
人間誰しも、気持ちがダレてくる時がある。
その時に喝を入れると、目を覚ますことが多い。
「厳しい塾」でなくなった時は、
もう子どもたちの「モチベーション」をあげられなくなった時かなと。