岡山朝日高校 学力検査自校作成問題【数学】平成19年度(2007年度)入試 問題解説

【岡山朝日高校過去問解説シリーズ】
今回は、2007年(平成19年)岡山朝日高校入試の数学の解説です。
問題は岡山朝日高校公式HPからダウンロードしてください。
あくまで【解説】なので、どのような思考・手順で解けばよいのかに重点を置いています。
まずは時間を測りながら、自力で解いてみて、その後に読むようにしてください。
途中式や計算、単位、証明問題などで簡単なところは省略している場合があります。
記述問題の解答は、岡山朝日高校公式HPにある解答例を参考にしてください。
問題の難易度を★の数で表しています。★1~2個の問題は必ず解けるように。
目安時間以内に解ければ、制限時間45分以内に完答できるでしょう。
大問1【目安時間:5.5分】
①★平方根の計算
定番の平方根の計算です。
計算を少しでも速く解くために、いくつか計算の工夫ができるとよいでしょう。
今回は因数分解の公式$a^2-b^2=(a+b)(a-b)$を利用します。
$a=\sqrt{ 2 }+\sqrt{ 12 }=\sqrt{ 2 }+2\sqrt{ 3 }$
$b=\sqrt{ 2 }-\frac{6}{\sqrt{ 3 }}=\sqrt{ 2 }-2\sqrt{ 3 }$
とすると、
$a+b=2\sqrt{ 2 }$
$a-b=4\sqrt{ 3 }$
よって、
(与式)=$2\sqrt{ 2 }×4\sqrt{ 3 }=8\sqrt{ 6 }$ ・・・(答)
というふうに解けます。
この通りでなくても良いのですが、短時間で手間取ることなく計算をするために工夫はこれからも求められます。
日頃から意識して計算を行いましょう。
②★一次関数
(ア)$-x+3=2x-3$の代入法で解く。
(イ)(ア)で求めた交点の座標を代入して求める。
③★★確率
難しいわけではないけれど、条件に当てはまる場合を探すのに少し面倒な問題。
(ア)$b=\frac{6-a}{2}$とすると、求めやすくなる。条件に当てはまるのは、$a=2,4$の2通り。よって、$\frac{2}{36}=\frac{1}{18}$
(イ)$a+2b=12$のとき、$b=\frac{12-a}{2}$とすると、条件に当てはまるのは、$a=2,4,6$の3通り。$a+2b=18$のとき、$b=\frac{18-a}{2}$とすると、条件に当てはまるのは、$a=6$の1通り。よって、2+3+1=6(通り)が6の倍数となる場合の数になる。確率は、$\frac{6}{36}=\frac{1}{6}$
④★正多角形の内角
1つの外角は$\frac{360°}{20}=18°$
よって、$180°-18°=162°$
⑤★平面図形
(ア)△ABCにおいて、三平方の定理を使って求める。5:12:13の辺の比を覚えていればすぐわかる。
(イ)点Pを通り、辺ABに平行な線をひくと、等積変形より、求める面積の和は△ABCの面積と同じであることがわかる。
大問2【目安時間:5分】
問1 ★★文字式の利用
模範解答の通り。
$n$はすべての数を満たすわけではないので、必ず条件を記載($n$は9≦$n$≦23の自然数かつ13,14,20,21を除く)する必要がある。
問2 ★★空間図形
① 点Oから底面ABCDにおろした垂線とABCDの交点をHとする。
AC=$6\sqrt{ 2 }$、AH=$3\sqrt{ 2 }$
△OAHにおいて、OH=$3\sqrt{ 2 }$
これは、△OAHが1:1:$\sqrt{ 2 }$の直角三角形だと気づくと簡単に解ける。(気づけなくても問題なし)
よって、体積は、
$6^2×3\sqrt{ 2 }×\frac{1}{3}=36\sqrt{ 2 }$
②(ア) 「最短距離といえば展開図」ですね。
展開図で考えると、OABCはひし形になります。
OC//ABより△OFE∽△BFAだから、
OE:BA=OF:BF=1:3
よって、OF=$6×\frac{1}{4}=\frac{3}{2}$
(イ)これも展開図で考える。OE=1、OA=6、∠AOE=120°から、直角三角形を利用して考える。
点Aから直線OCにひいた垂線とOCの交点をGとすると、△AOGは∠AOG=60°の直角三角形となる。
よって、OG=3,AG=$3\sqrt{ 3 }$
したがって、△AEGにおいて、三平方の定理よりL=AE=$2\sqrt{ 13 }$
大問3 平面図形【目安時間:12分】
① ★★三角形の相似の証明
証明は、模範解答通り。
教科書にあるようなド定番の問題しか証明できないと、こういった問題に苦労するでしょう。
だからといって、難問問題集でパターンとして覚えようとしてもおそらくないのがこういった問題。
難しいわけではないのですが、思考力が必要になります。
パッと見て、「2角がそれぞれ等しい」という相似条件を使うだろうという予想は出てくるでしょう。
直角三角形の場合は、直角以外の残り2角のどちらかが等しいことが証明できればよいのだから、そこに絞って考えるとよいでしょう。
△ABDと△ACEで、∠BACが共通角であることから相似である、ということを利用してもよいのですが、時間がかかるので、やはり模範解答がもっともシンプルでよいと思います。
② ★平面図形
(ア) △ABDにおいて、直角三角形の辺の比$1:2:\sqrt{ 3 }$を利用
(イ) △ACEにおいて、直角三角形の辺の比$1:2:\sqrt{ 3 }$を利用
③ ★★円、平面図形
∠AEF=∠ADF=90°より、AFが円Oの直径になります。
DF=$\frac{1}{\sqrt{ 3 }}$より、AF=$\frac{2\sqrt{ 7 }}{\sqrt{ 3 }}$
あえて有理化していないのは、計算を楽にするためです。
これは時間短縮につながります。
よって、半径は$\frac{\sqrt{ 7 }}{\sqrt{ 3 }}$となり、円の面積が求められます。
③ ★★平面図形
(ア) △ABC∽△ADE(2辺の比とその間の角がそれぞれ等しい)より、DE:BC=1:2
BE=4、CE=$2\sqrt{ 3 }$より、三平方の定理をつかって、BC=$2\sqrt{ 7 }$
(イ) CF=$\frac{2}{\sqrt{ 3 }}$より、底辺EF=$\frac{4\sqrt{ 3 }}{\sqrt{ 3 }}$
DからCEにおろした垂線とCEとの交点をGとすると、DG=$\frac{1}{2}$
これが△DEFの高さとなります。
解法も大切ですが、計算のスピードと正確さも重要となります。
大問4 関数と図形の融合問題【目安時間:12分】
① ★ 二次関数
模範解答参照。
点Aのy座標に8を加えたものが点Bのy座標です。
② ★★ 関数と図形の融合問題
模範解答参照。
正方形の対角線の長さは等しく、それぞれの中点で垂直に交わります。
よって、点C,DはABの中点のy座標と等しくなりますね。
③ ★★ 関数と図形の融合問題
模範解答参照。
直角三角形の辺の比を利用します。
解説は以上になります。
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