岡山朝日高校 学力検査 自校作成問題【数学】 平成16年度(2004年度)入試 大問4 解説

 

【岡山県立岡山朝日高等学校過去問解説シリーズ】

今回は、2004年(平成16年)岡山朝日高校入試の数学大問4の解説です。

問題は岡山県立岡山朝日高等学校公式HPからダウンロードしてください。

あくまで【解説】なので、解答ではありません。(単位はつけましょう。)

どのような思考・手順で解けばよいのかに重点を置いています。

まずは時間を測りながら、自力で解いてみて、その後に読むようにしてください。

途中式や計算、証明問題などで簡単なところは省略している場合があります。

記述問題の解答は、岡山県立岡山朝日高等学校公式HPにある解答例を参考にしてください。

問題の難易度を★の数で表しています。★1~2個の問題は必ず解けるように。

目安時間以内に解ければ、制限時間45分以内に完答できるでしょう。

※スマートフォンでご覧になると、数式が文字化けしている場合があります。その際は、最下部にて「モバイルバージョンを終了」すると正常に見ることができます。

大問4【目安時間:13分】

①★★円の中心を求める作図【目安時間:3分】

作図の問題です。

垂直二等分線や角の二等分線など基本的な作図はできても、

それを活用して解くような問題になると途端に解けなくなる人がいます。

定義を知っているだけではいけません。

それよりも、それぞれの意味をきちんと理解していれば、どのように作図をすればよいのかがわかるようになります。

<垂直二等分線>・・・2点から等しい距離にある点の集まり

定義:線分の中点を通り、線分に垂直な直線(線分を垂直に2等分する直線)

<角の二等分線>・・・角の2辺から等しい距離にある点の集まり

定義:1つの角を2等分する半直線

また、円についても同様に

平面上の1点から等しい距離にある点の集まり

と理解しておきます。

この問題では、「3辺AB,BC,CDに同時に接する円の中心Oの位置」を考えます。

円の接線は、接点を通る半径に垂直です。

つまり、中心Oから3辺AB,BC,CDまでの距離は、すべて等しいです。

角の二等分線は「角の2辺から等しい距離にある点の集まり」であるから、

これを利用すれば中心Oが求められるということになります。

よって、∠ABCの二等分線と∠BCDの二等分線の交点が点Oということになります。

ところが、問題の条件に「辺BCの垂直二等分線を引き」とあります。

円Oと辺BCの接点を通り垂直な直線ですから、点Oはこの垂直二等分線上にあると言えます。

ということはもう1本、∠ABCの二等分線あるいは∠BCDの二等分線を引けば円の中心Oが求められます

作図に用いた線は残しておくのが当然ですが、どこが点Oなのかわかるように「O」も記入することを忘れないように。

②★★★回転体の体積【目安時間:5分】

回転体の体積の問題です。

いわゆる「プリン型」ですね。

以下のようなイメージです。

大抵は円錐の体積を利用して大きい円錐から小さい円錐を引いて求める解き方でよいです。

ちなみに台形ABCDは左右対称で「等脚台形」といいます。

点Cから辺ADに垂線を引いて、その交点をHとします。

△CDHで

DH=$\frac{16-6}{2}=5$

三平方の定理から

$CH=\sqrt{ 13^2-5^2 }=12$

※ 三平方の定理を使わずとも、直角三角形の辺の比【5:12:13】を知っていればすぐに求められます。【3:4:5】と同様、役に立つでしょう。

辺AD,BCの中点をそれぞれE,Fとして、直線EF,DCの交点をGとします。

△DHCと△DEGは相似であることから、

DH:HC=DE:EG

5:12=8:EG

EG=$\frac{96}{5}$

よって、求める回転体の体積は

$\frac{1}{3}×8^2π×\frac{96}{5}-\frac{1}{3}×3^2π×(\frac{96}{5}-12)$

$=388π$ ・・・(答)

【別解】

体積比を利用する解き方もあります。

体積比は相似比の3乗です。

大小の円錐の体積比はそれぞれ$8^3$,$3^3$であるから、プリンの体積比は

$8^3-3^3=485$

よって、

$\frac{1}{3}×8^2π×\frac{96}{5}×\frac{485}{8^3}$

$=388π$ ・・・(答)

③★★★球の半径【目安時間:5分】

半径$r$が最大となるときはボールの上端が容器の上面と接するときです。

立体図形は平面で考えると解きやすいです。(切断、展開図など)

模範解答のように三角形の相似を用いて解くのがスマートだと思います。

【別解】

△AGDの面積は

△AGD=$\frac{1}{2}×16×\frac{96}{5}$ ・・・(あ)

また半径$r$を用いて△AGDの面積を考えると

△AGD=△AO’D+△AO’G+△GO’D

=$\frac{1}{2}(16+GD+GA)×r$ ・・・(い)

GD、GAは相似を用いて$\frac{104}{5}$になるから

(あ)=(い)より

$r=\frac{16}{3}$ ・・・(答)

以上、2004年度(平成16年度)岡山朝日高校入試の数学大問4の解説でした。

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