算数で考える力を高めていけば、国語も自力で解けるようになります。
考える力が伸びているかどうかは、学校のテストだけでは判断がつきません。
基本的には授業でやったことしか出題されないからです。
教科書に書いてある手順でやれば解けるような問題では、
暗記力によって、計算ミスさえしなければ満点が取れます。
塾に行くと、より多くの問題を解き、
解き方のパターンをすっかり覚えてしまいます。
多くのパターンを覚えることで、
多くの問題をより短時間でこなすことができるようになりますが、
これも手順を暗記しているだけです。
そして、テストの点数が上がることによって、
「勉強ができるようになった」と勘違いし、喜びます。
私は、これは非常に怖いことだと思います。
子どもだけでなく多くの大人まで、
「手っ取り早く目の前の点数を上げること」に執着し、
目の前の問題に対し、過去の問題で見たパターンを当てはめ、
自分で考えることをしないで済ませようとする癖が及んでしまっています。
社会人でも
「この仕事はやったことがないから自信がないです。」
「それはマニュアルがないとできません。」
「マニュアルにはAという対応の仕方しか載っていなかったので、それ以外はどうしたら良いのかわかりません。」
などと、自ら行動できない人が多いです。
大人でさえもそうなのですから、ましてや子どもたちも同様です。
難しい問題でも、自分の力で解いてやろうという発想がありません。
初めて色板や積木に触れた子どもたちは、自分で考えた経験があまりないので、
初めのうちは一つの問題にじっくり向き合うことを
ストレスに感じてしまうようです。
サンライズで出される図形の問題は、パターンに当てはめることができません。
手探りで道を進むように、自分で解き方を考えなくてはなりません。
今までパターン処理で問題を解いてきた子どもの脳には、
それが非常に重い負担となります。
頭を使う問題に真剣に向き合ったことがない子は、
できないということを経験していないため、
そのような問題を前にした時にどうしていいかわからないのでしょう。
ああでもない、こうでもないと頭を試行錯誤させることに慣れていないので、
思い通りに解けない自分に苛立つのです。
また、苛立つこともなく、「できない!できない!」という子どももいます。
考える力は、人間に元々備わっているものです。
筋肉と同じように、考える力は使わないと弱くなり、
強い負荷を与えれば強くなります。
ランニングで鍛えた脚力が、サッカーや野球に生かされるように、
自分で鍛えた力は算数に限らず、他の分野でも生かすことができます。
今週は、1歳の体験希望が2件ありました。
思考の癖は、一度固まってしまうとなかなか修正できません。
小さいうちから考える習慣を付けさせることは大切だと思います。