子どもが自ら「勉強したい」と言うようになる方法
将来、難関校に合格できるだけの学力を身につけて欲しい、あるいは勉強で困らない子になって欲しいと思っている親は、子どもがなかなか勉強しない姿を見るとイライラしますよね。
そして、子どもに何度も「勉強しなさい!」と言っても子どもは変わらず、そのうち言うことに疲れ、諦めてしまったという方もいるようです。
ここでは、親に言われなくても子どもが自ら勉強に取り組めるようになるような、親の働きかけの方法を3つご紹介します。
物質的報酬ではなく内面的動機付けを重視
多くの親御さんは、子どもが自ら「勉強したい」と感じる方法を知りたいと思っています。
一般的に、子どもたちは、「何か良いことをしたら、報酬がもらえる」という考えに慣れています。
具体的には次のようなケースです。
- テストで良い点を取ったら、新しいスマートフォンを買ってもらえる
- 親が指定したページを勉強すれば小遣いがもらえる
- 勉強が終われば食事が与えられる(ゲームをさせてもらえる)
宿題をきちんとやったり、皆勤賞だった子にお菓子やクオカードをあげるような塾もあるようです。
何か頑張ったり、よいことをしたりすると、ご褒美としてお金や物をもらえるという習慣は、物心つく頃からずっと続いている場合があります。
そして、その子にはそれが当たり前になってしまっているのです。
しかし、このような報酬ベースの動機付けは、長期的な学習への興味を育むには不十分です。
学びの本質は、物質的な報酬ではなく、個人の内面的な喜びや達成感に根ざしています。
そこで、子どもたちが「できないことをできるようにする」といった学びの過程自体に価値を見出し、「できなかったことが頑張ってできるようになった」という自らの努力と成果に対する満足感を感じられるように導くことが肝心です。
内面的動機付けは、具体的には以下のようなことです。
- 自分で決めることで、主体的に行動させる:「いつ」「どれだけ」やるのか、一緒に学習計画を立てた上で取り組む
- 興味や関心に合わせて選択する:自分が何をしたいのか、何が大切なのかを明確にした上で、興味や関心に合わせた行動を選択する
- 目標を設定する:親が設定したノルマではなく、こども自身に目標を設定させる
- 成長や学びを知る機会を設ける:自分自身の成長を感じさせるように言葉がけをしていく
子どもが「やらさせている」と感じている時には、なかなか行動に移せません。
「やりたい」と思えば、自分から行動するようになります。
その上で、さらに周りから褒められたり、ご褒美をもらえたりすればうれしいものですが、それは最初に目指すべきことではありません。
ご褒美を最優先に求める価値観では、真の幸せは味わえません。
それは、いつも他者からの評価ばかりを当てにする行き方です。
いつも誰かに喜びを与えてもらうのを待つ生き方です。
でも、何事においても、他人には本当の評価はできないものです。
自分がどれだけがんばってできるようになったのか、それを知るのは自分だけです。
自分で納得して、喜ぶことこそ、真の幸せではないでしょうか。
努力はカッコイイと思わせる
子どもたちが努力を「カッコイイ」と感じるように刺激することも重要です。
友達からの尊敬を得ることは、子どもたちにとって大きな動機付けになります。
この目的のために、子ども向けの偉人の伝記漫画を読ませるのは良い方法です。
難しい本である必要はありません。
子供向けの漫画の伝記は読みやすく、おもしろく作ってあります。
そのため、読書に馴染みが薄い子でも、楽しく読めます。
これらの物語は、困難を乗り越えて成功を収めた人々の例を通して、「困難に立ち向かうことの重要性」と「努力の美徳」を子どもたちに伝えます。
子どもたちがこれらのストーリーを読むことで、「難しいことにチャレンジすることはカッコイイ」「ハッピーエンドを迎えるためには、必ず困難がつきものだ」といった「努力は価値あるもの」という認識を持ち、自然と学びに対する情熱を育てることができます。
「努力」=「カッコイイ」という思考回路にすることで、「良い学校に行くには、やっぱり努力しないとダメだな~」と、勉強への意欲を高めることもできます。
勉強は楽しいものと思わせる
野球や楽器を演奏することと同様に、そもそも勉強とは楽しいものです。
物事を好きになれない理由は、楽しいと感じる経験がないからです。
- 苦しいことばかりが続いて、モチベーションが下がった。
- やりたくないのに、することを強制された。
- そもそも何が楽しいのかわからない。
理由は様々ありますが、勉強を楽しいと思わないのに、自分からしたいとはなりません。
夢を語り、それを実現するためには何が必要かを一緒に考え、その一つに勉強があるなら納得できるでしょう。
勉強は、ゲームやネット動画と違い、すぐに快楽は得られません。
山に登って、ようやく頂上にたどり着いた時の気持ちと同様に、頑張ってできるようになった時に遅れて喜びが訪れます。
それだけではありません。
知的好奇心を満たせる手段としての勉強です。
「なぜ~何だろう?」「どうやったら~できるだろう?」といった日々の疑問から、それを解決していく過程は、正に勉強に通じるものがあります。
日常の中に、そういった場面をどれだけ多く作れるか。
これは親にしかできないことなのです。
子どもが素直なうちは、変えることができます。
親としては、子どもたちが自己成長の喜びを感じ、努力の価値を理解することをサポートすることが重要です。
物質的な報酬に頼るのではなく、内面的な動機付けを促すことで、子どもたちは「勉強したい」という感覚を自然に育むでしょう。
このプロセスを通じて、子どもたちは学びの真の意義を理解し、その中で成長していくことが期待されます。