国語が苦手でも大丈夫!「文節」の正しい区切り方と練習法を徹底解説

国語の勉強でよく聞く「文節」という言葉。でも、実際にどこで区切るのか、子どもだけでなく大人でも迷いますよね。この記事では、小学生や中学生の子どもたちと保護者の方向けに、文節の基本ルールと絶対間違えない区切り方をわかりやすく解説します。文節の区切り方を理解すれば、国語力も確実にアップしますよ!
文節とは?まず押さえるべき基本のルール
国語の授業や教科書でよく見かける「文節」。小学生や中学生のお子さんからは、「文節ってなに?」「どうして文節を勉強するの?」という声も多く聞かれます。
まずは、文節とは何かをわかりやすく解説し、これからの学習に役立つ基礎知識をまとめます。
文節とは「意味が通じる最小の言葉のまとまり」
文節とは、ひとつの文を意味が通じるギリギリの範囲で小さく分けた「言葉のまとまり」です。文節に区切ることで、文がどのような言葉でできているのかを理解しやすくなります。
例えば、こんな文があります。
- 「私は明日、友達と映画に行きます。」
これを文節で区切ると、
- 「私は/明日/友達と/映画に/行きます。」
このように、意味が途切れない程度に細かく分けたものが文節です。
文節を理解するメリットとは?
文節を正しく理解することは、国語学習の基本中の基本です。文節がきちんとわかると、次のようなメリットがあります。
- 文章が読みやすくなる(読解力の向上)
- 自分の考えを伝えやすくなる(作文力・表現力アップ)
- 文法問題やテストの点数が上がる
つまり、文節を理解すると、国語が得意になるだけでなく、ほかの教科の学習にも役立つ「土台の力」が身につくのです。
文節の基本を知るための3つのキーワード
文節を学ぶとき、必ず耳にする言葉が3つあります。
- 自立語
- 付属語
- 複合語
これらの言葉を簡単に確認しましょう。
①自立語とは?
「自立語」は、それだけで意味がわかる言葉のこと。
名詞(犬、机)、動詞(食べる、走る)、形容詞(美しい、大きい)などが自立語です。
②付属語とは?
「付属語」は、それだけでは意味がわからない言葉です。
助詞(が、を、に、へ)や助動詞(ます、です、ない)などがあります。
- 例:「犬が」「机を」「食べます」
「が」「を」「ます」などは単独では意味がわかりません。必ず前の自立語とセットになります。
③複合語とは?
「複合語」とは、複数の単語がくっついて1つの言葉になったものです。
- 鉛筆削り(えんぴつ+けずり)
- 運動会(うんどう+かい)
- 花火大会(はなび+たいかい)
複合語は、一つの文節としてまとめて扱います。
文節を正しく区切るための本当に確実な3つのポイント
文節の意味や基本ルールはわかったけど、「いざ文章を文節に区切ろうとすると、うまくできない…」と感じることはありませんか?
ここでは、感覚や勘に頼るのではなく、誰でも確実に文節を区切れる3つのポイントをわかりやすく説明します。このポイントを使えば、小学生でも中学生でも、テストや宿題で迷うことはなくなりますよ。
【ポイント①】自立語が来たらその直前で必ず区切る
文節の中心は、かならず「自立語」です。
自立語とは、それだけでも意味がわかる言葉です。具体的には次のようなものがあります。
- 名詞(学校・本・猫・花)
- 動詞(読む・歩く・食べる)
- 形容詞(赤い・暑い・高い)
- 形容動詞(静かだ・便利だ)
- 副詞(とても・ゆっくり)
- 連体詞(あの・小さな)
- 接続詞(そして・しかし)
- 感動詞(はい・いいえ)
文節を正しく区切るコツは、「新しい自立語が現れたら、その直前で区切る」ことです。
【例文】
「母が新しい本を買いました。」
この文の自立語を見てみましょう。
- 母(名詞)
- 新しい(形容詞)
- 本(名詞)
- 買い(動詞の活用形)
自立語の直前で区切ると、次のように文節が決まります。
- 「母が/新しい/本を/買いました。」
この方法なら、迷うことなく確実に文節を区切ることができます。
【ポイント②】付属語(助詞や助動詞など)は必ず前の語にくっつける
次に大切なのは、「付属語は必ず前の言葉とセットにする」ということです。
付属語とは、それだけでは意味をもたない次のような言葉です。
- 助詞(が・を・に・で・と・へ・から・まで)
- 助動詞(です・ます・ない・た・う・ようだ)
- 動詞の活用語尾(~て、~で、~た)
付属語は単独では文節を作りません。必ず前にある自立語とセットで文節を作ります。
【例文】
「姉は夕方にケーキを食べました。」
付属語を意識して文節を区切ると、次のようになります。
- 「姉(名詞・自立語)+は(付属語)」→「姉は/」
- 「夕方(名詞・自立語)+に(付属語)」→「夕方に/」
- 「ケーキ(名詞・自立語)+を(付属語)」→「ケーキを/」
- 「食べ(動詞・自立語)+ました(付属語)」→「食べました。」
きちんと自立語と付属語をセットでまとめることが、確実に文節を区切るコツです。
【ポイント③】複合語は途中で分けずに一文節にする
最後に気をつけたいのが、「複合語は途中で区切らずに必ずひとつの文節にまとめる」ということです。
複合語とは、複数の単語が合わさって1つの言葉になったものをいいます。
- 例)鉛筆削り、図書館、運動場、国語辞典、花火大会
これらは、必ずひとまとまりで扱います。
【例文】
「今日は図書館で国語辞典を借りた。」
複合語を意識して区切ると、
- 「今日(名詞)+は(助詞)」→「今日は/」
- 「図書館(複合語)+で(助詞)」→「図書館で/」
- 「国語辞典(複合語)+を(助詞)」→「国語辞典を/」
- 「借り(動詞)+た(助動詞)」→「借りた。」
というように、複合語を途中で分けないことがポイントです。
実践練習問題で確認してみよう!
ここまで説明した3つのポイントを使って、実際に練習してみましょう。
【練習問題1】
「父は毎朝、公園を散歩します。」
- 自立語は「父」「毎朝」「公園」「散歩」です。
- 区切ると「父は/毎朝/公園を/散歩します。」
【練習問題2】
「妹が美味しいお菓子を作った。」
- 自立語は「妹」「美味しい」「お菓子」「作った」です。
- 区切ると「妹が/美味しい/お菓子を/作った。」
このように、3つのポイントを意識すると、文節の区切りはとても簡単になります。
まとめ:文節を迷わず正確に区切る方法を再確認!
文節を正しく区切るための3つのポイントを、最後にもう一度まとめましょう。
- 自立語が来たら、その直前で区切る
- 付属語(助詞・助動詞など)は前の言葉とセットにする
- 複合語は途中で分けず、一つの文節にする
この3つのポイントを使えば、「なんとなく」や「感覚」で区切る必要はもうありません。
ぜひ、お子さんと家庭で繰り返し練習してみてください。国語の問題が驚くほどスムーズに解けるようになりますよ!
間違えやすい問題について詳しく説明
なぜ「降って/います」と区切るのか?
「降っています」は2つの言葉に分けられます。
- 降って(動詞「降る」の連用形+接続助詞「て」)
- います(補助動詞「いる」の丁寧形「います」)
動詞+「て(で)」の形は、後ろに補助動詞がつく場合、「〜て/いる」のように2つの文節に分けます。
つまり、
- 「降っています」→「降って/います」
- 「食べています」→「食べて/います」
- 「歩いています」→「歩いて/います」
というのが正しい区切り方です。
よくある間違いと注意点
小学生や中学生がよく間違えるのは、「~ています」を1文節として扱ってしまうケースです。
- 誤)降っています → 1文節
- 正)降って/います → 2文節
テストでもよく問われるポイントですので、注意が必要です。
「~ています」のように、動詞+「て(で)」+補助動詞「いる(います)」の形で文節が2つに分かれるケースは他にも多くあります。
以下によく出る具体的な例を紹介します。
文節が2つになるよくある例
次のような形は、すべて「動詞+て」と「補助動詞」の2つに分かれます。
- 食べています → 食べて/います
- 歩いています → 歩いて/います
- 見ています → 見て/います
- 読んでいます → 読んで/います
- 話しています → 話して/います
- 待っています → 待って/います
- 笑っています → 笑って/います
すべて、「て」の直後で区切って2文節になります。
「~ている」以外でも同じ区切り方をする例
「~ている(ています)」以外にも、動詞の「~て(で)」のあとに補助動詞が続く場合は、同じく2文節になります。
①「~て+いく(いきます)」
- 歩いていきます → 歩いて/いきます
- 食べていきます → 食べて/いきます
②「~て+くる(きます)」
- 買ってきます → 買って/きます
- 持ってきます → 持って/きます
③「~て+しまう(しまいます)」
- 食べてしまいます → 食べて/しまいます
- 忘れてしまいます → 忘れて/しまいます
④「~て+ある(あります)」
- 書いてあります → 書いて/あります
- 貼ってあります → 貼って/あります
⑤「~て+おく(おきます)」
- 見ておきます → 見て/おきます
- 調べておきます → 調べて/おきます
まとめ:ポイントは「て(で)」のあと!
動詞のあとに「て」や「で」が続き、その後に「いる(います)」などの補助動詞がつく形は、必ず2つの文節に分ける必要があります。
- 誤)食べています →1文節
- 正)食べて/います →2文節
学校のテストでも頻出ポイントなので、ぜひ覚えておいてくださいね。
家庭で簡単にできる!文節の区切り方を身につける練習法
文節のルールが分かっても、実際に文を見てすぐに区切れるようになるには、繰り返しの練習が必要です。でも安心してください。家庭で簡単に、しかも楽しく練習できる方法があります。
ここでは、小学生や中学生のお子さんが、保護者の方と一緒にできる効果的な練習法を紹介します。
練習法①:教科書や本を使って文節を区切る「1日3文トレーニング」
最も手軽で効果的な方法は、毎日少しずつ練習を続けることです。使う教材は、新しく用意する必要はありません。お子さんが普段使っている教科書や、好きな本で十分です。
【具体的な方法】
- 教科書や本の中から、毎日3つ短い文を選びます。
- 選んだ文をノートに書き写します。
- 自立語や付属語、複合語を確認しながら、文節で区切ります。
- 保護者の方と一緒に答え合わせをします。
【練習例】
教科書の文:「今日は雨が降っています。」
- ノートに書き写す。
- 自立語を確認:「今日」「雨」「降っ(動詞)」
- 区切り方:「今日は/雨が/降って/います。」
毎日3文だけなら、5分~10分で終わります。大切なのは短時間でも続けること。1か月続ければ、文節の区切り方が身につきます。
練習法②:「文節かるた」でゲーム感覚で練習しよう!
家庭で楽しみながら学べるおすすめの方法が、「文節かるた」です。
【用意するもの】
- 白い紙または厚紙(カード用)
- ペンやマジック
【やり方】
- 短い文を紙に書き、その文を文節に分けてカードを作ります。
- バラバラにしたカードを机に並べます。
- 読み手が文を読み上げたら、子どもが文節ごとにカードを素早く取ります。
- 最後に取ったカードを順番に並べて、正しい文が作れているか確認します。
【練習例】
文:「犬が公園で遊ぶ。」
カードは次のように文節ごとに作ります。
- 「犬が」
- 「公園で」
- 「遊ぶ。」
カードを広げて「犬が公園で遊ぶ。」と読み上げると、子どもが順番にカードを取っていきます。正しく文節を理解していれば、迷わずカードが取れるようになります。
ゲーム感覚で楽しみながら、繰り返し練習ができますよ。
練習法③:「声に出して区切る」音読トレーニング
文節は言葉のまとまりです。目で見るだけでなく、声に出すことで、感覚的にも区切り方が身につきます。
【具体的な方法】
- 教科書や物語から短い文を選びます。
- お子さんが文節ごとに区切りながら声に出して読みます。
- 保護者が聞いて、区切り方が正しいか確認します。
【練習例】
「私は学校で国語を勉強します。」
- 子ども:「私は/学校で/国語を/勉強します。」と声に出します。
- 保護者:「正解!」または「ここは『国語を』で区切るよ。」とアドバイスします。
繰り返し音読すると、自然と文節の感覚が養われ、読解力や表現力もアップします。
「家庭での練習」で気をつけたいポイント
家庭での練習をより効果的にするために、次のポイントを守ってください。
- 毎日短い時間(5分〜10分)でも良いので、続けることが大切です。
- 保護者が一緒に取り組み、必ず答え合わせやアドバイスをしてください。
- 間違えても叱らず、正しい区切り方を優しく教えてあげてください。
家庭で楽しく練習を続けることで、文節を身につけるだけでなく、親子のコミュニケーションも深まります。
まとめ:家庭で楽しく練習を続けよう!
文節の区切り方は、学校だけでなく家庭での継続的な練習がとても効果的です。
今回紹介した3つの方法はどれも手軽で、すぐに実践できます。
- 毎日少しずつ教科書や本を使った練習
- 「文節かるた」でゲーム感覚の練習
- 声に出して区切る音読練習
ぜひ親子で取り組み、文節をしっかりと身につけてくださいね。文節が分かるようになれば、国語の学習がグッと楽しくなりますよ!
国語力アップ!文節の理解が子どもの学力を伸ばす理由
「文節の区切り方を学んで、どんな意味があるの?」と感じているお子さんや保護者の方は多いかもしれません。しかし実は、「文節」を正しく理解することは、国語の力だけでなく、子どもの総合的な学力向上にも大きく影響します。
ここでは、文節の理解がどうして子どもの学力アップにつながるのか、その理由を詳しく解説します。
①文章を読む力(読解力)がアップする
文節を正しく理解すると、文章を意味のまとまりごとに正しく区切れるようになります。そうすると、一文が長くても「意味が取りにくい」と感じなくなり、内容がすらすらと頭に入るようになります。
例えば、次のような長い文があります。
- 「妹は毎朝家の近くの公園で友達と元気に遊んでいます。」
文節で区切って読めば、
- 「妹は/毎朝/家の/近くの/公園で/友達と/元気に/遊んで/います。」
意味のまとまりが明確になり、内容が自然と理解しやすくなります。こうして文節で読む力がつくと、文章を読む速さや理解力(読解力)がぐっと高まります。
②正しくわかりやすい文章が書けるようになる
文節がわかると、文の構造がはっきり見えてきます。そのため、子どもが自分の考えや気持ちを文章にするとき、意味のまとまりを意識しながら文を書けるようになります。
例えば作文を書くとき、文節を意識すれば、
- 「ぼくは/日曜日に/友達と/サッカーを/しました。」
- 「私の/好きな/教科は/理科です。」
のように、伝えたいことをわかりやすく、すっきりと表現できるようになります。
文節を意識することで、作文力や表現力が大きく伸びていくのです。
③文法や語彙(ごい)の知識が自然と身につく
文節の理解は、文法や語彙力の土台にもなります。
文節で区切ると、自然と「自立語(名詞や動詞など)」と「付属語(助詞や助動詞)」の関係がはっきりします。これを繰り返すと、子どもは文法的な仕組みを感覚的に身につけていきます。
例えば、
- 「学校で/本を/読みました。」
という文を見ていると、「で」や「を」がどう使われているかを自然に理解します。その結果、文法問題が得意になるのはもちろん、新しい言葉や表現もスムーズに覚えられるようになります。
文節を学ぶことで、国語の知識が「勉強している感覚」なく身についていくのです。
④国語以外の教科の理解力まで高まる
実は文節を理解すると、国語だけでなく、理科や社会、算数・数学など他の教科でも力を発揮します。なぜなら、どの教科でも「文章を正しく読む力」が基礎になっているからです。
算数や数学の文章題が苦手な子どもの多くは、「文章の意味を正しく理解できていない」ことが原因になっています。
例えば、算数の文章問題で、
- 「りんごが5個あります。3個食べると何個残りますか?」
という文がある場合、文節で区切って読む力があると、
- 「りんごが/5個/あります。」
- 「3個/食べると/何個/残りますか?」
のように意味が自然に取れます。その結果、問題の意味がよくわかり、正解率が上がります。
まとめ:文節の理解が学力の伸びを支える
文節の理解は、単なる国語の一分野ではありません。むしろ、すべての学習を支える基礎的な力です。
文節を学ぶことで、
- 文章の読解力がアップする
- 作文や表現力が向上する
- 文法や語彙力が自然と身につく
- 他教科の学習の土台になる
という効果があります。
ぜひご家庭で、楽しみながら文節の学習に取り組んでみてください。文節がしっかり身につけば、お子さんの学力は着実に、そして自然に伸びていきますよ!