子どもの考える力を育てる2つの習慣:断捨離と買い物で学ぶ
2020年の大学入試改革以降、「覚える力」だけでなく「考える力」が求められる時代になりました。子どもの考える力を育むために、家庭でできる具体的な方法をご存じですか?この記事では、親子で楽しみながら実践できる「断捨離」と「買い物」を活用した2つのアプローチをご紹介します。子どもの未来を支える思考力を、ぜひ日常の中で育んでいきましょう。
断捨離で考える力を鍛える
「断捨離」と聞くと、片づけのイメージが強いかもしれませんが、実は子どもの考える力を鍛えるための効果的な方法でもあります。日常の中で「何を残し、何を手放すか」を自分で決める体験は、判断力や思考力を養う絶好の機会です。
断捨離が思考力を育む理由
断捨離では、子どもが以下のような「考えるプロセス」を繰り返します:
- これが必要かどうか?
そのおもちゃや本が今の自分にとって本当に必要かどうかを考えます。 - どうしてこれを残したいのか?
好きな理由、大切にしたい理由を自分なりに言葉にして説明することが求められます。 - 手放すものの行き先を考える
必要ないものを誰かに譲る、リサイクルに出すといった具体的な解決方法を考えます。
このプロセスを繰り返すことで、子どもは「自分軸」で物事を判断する力を身につけていきます。
親はあくまでサポート役に徹する
断捨離を通して考える力を育てる際に、最も重要なのは「親が答えを出さないこと」です。例えば、「これはまだ使えるから残しなさい」と口を出してしまうと、子ども自身の判断力を奪ってしまいます。親はあくまで見守り役として、「なぜそれを選んだの?」と優しく質問するくらいにとどめましょう。
始めやすい断捨離の方法
初めての断捨離は、子どもが親しみやすいアイテムから始めるのがおすすめです。以下のステップを試してみてください:
- おもちゃや文房具を選ぶ
「全部いる?」と聞くのではなく、「今日使って楽しいものを選んでみよう」と声をかけてみましょう。 - 一緒に分類する
子どもが選んだものを「いる」「いらない」に分けていきます。その際、「どうしてこれを残したいの?」と理由を聞いてみるとよいでしょう。 - 結果を尊重する
子どもの判断をそのまま受け入れ、たとえ親から見ると不要に思えるものでも批判しないようにします。
考える力+αの効果も!
断捨離は思考力だけでなく、主体性や自尊心を育てる効果もあります。自分で選んだ結果が尊重されることで、子どもは「自分には選択する力がある」という自信を持てるようになります。また、片づけを通じて親子のコミュニケーションが深まり、信頼関係が強まるというメリットも。
「断捨離」は単なる片づけではなく、子どもの成長をサポートする大切な学びの時間です。お母さんがまず見本を見せて始めると、子どもも安心して取り組むことができます。ぜひ、親子で楽しみながら実践してみてください!
買い物中の会話を活用する
日常的な「買い物」の時間も、子どもの考える力を鍛える絶好の機会になります。ただ商品を買うだけで終わらせるのではなく、親子の会話を通じて思考を深める工夫をしてみましょう。特別な準備は必要ありません。スーパーや日用品の買い物中にできる簡単な方法をご紹介します。
買い物中の「なぜ?どうして?」で考える力を育む
買い物をしながら、「なぜその商品を選ぶのか?」という問いかけを親子で楽しんでみましょう。たとえば以下のような会話ができます:
- 「どうしてこの苺は前より安いと思う?」
→ 子どもが考える理由を聞きながら、「季節だからかな?」「収穫量が多いから?」と仮説を一緒に考えます。 - 「同じ牛乳でも値段が違うのはなぜ?」
→ ブランドの違い、成分の違いなどを考えさせます。
このような会話を繰り返すことで、子どもは「理由を考える」「自分の意見を伝える」といったスキルを自然と身につけていきます。
子どもが主体的に選ぶ機会をつくる
買い物の中で、子どもが「どれを選ぶか」を決める場を設けると、主体性が育ちます。例えば:
- 夕食のデザートを選ばせる
「今日はどの果物を食べたい?」と質問して、自分で選ばせます。 - 予算内で商品を選ぶ
「この500円で好きなものを選んでいいよ」と伝え、予算内で何を優先するか考えさせます。
選ぶ過程で迷ったり考えたりすることで、物事を決める練習にもなります。
間違いを恐れず考える習慣をサポート
買い物中の会話では、子どもが出す答えが正解でなくてもOKです。重要なのは、「考えるプロセス」そのものを楽しむこと。「なぜそう思ったの?」と深掘りするような質問をすることで、さらに思考が広がります。正しい答えを押し付けるのではなく、「なるほど、そう考えたんだね!」と肯定的に受け止める姿勢が大切です。
日常の買い物が学びの場に変わる
買い物中の会話には、思考力を育てる以外にもさまざまなメリットがあります:
- 観察力の向上
商品や値札をよく見て、自分で気づきを得る力が育ちます。 - コミュニケーション力の向上
親子で意見を交わす中で、自分の考えを伝える練習ができます。 - 経済感覚の育成
値段や商品の価値について考えることで、お金の大切さを学べます。
親子で会話を楽しむ時間にする
買い物は、日常の中で自然に考える力を鍛えられるチャンスです。子どもが「なぜ?」「どうして?」と考え始めると、親子の会話がより深まり、学びの時間に変わります。ただの買い物が、家族で楽しむ教育の場になるのです。
ぜひ、次回のお買い物から始めてみてください!きっと、子どもの新しい一面に気づけるはずです。そして、お母さん自身も「こういう視点があるのか!」と気づかされることがあるかもしれませんよ。
日常で考える力を育てるポイント
「考える力」を育てるには、特別な教材や方法だけでなく、日常生活の中でできる工夫がたくさんあります。日々のちょっとした時間や行動が、子どもの思考力を鍛えるチャンスになります。ここでは、家庭で簡単に取り入れられるポイントをいくつかご紹介します。
1. 「なぜ?どうして?」の問いかけを増やす
日常の会話の中で、「どうしてそう思うの?」や「他にどんな考え方があるかな?」といった問いかけを意識してみましょう。例えば:
- 食事中の話題
「今日のスープが美味しいのはどうしてだと思う?」
→ 食材や調理法について考えるきっかけになります。 - テレビを見ながらの質問
「このキャラクター、なんでこんな行動をしたんだろう?」
→ 他人の気持ちを想像したり、背景を考える練習につながります。
こうした問いかけを繰り返すことで、子どもは「考えを深める習慣」を身につけていきます。
2. 選択肢を与えて自分で決めさせる
日常生活の中で、子どもが自分で選ぶ場面を意識的に作ることも大切です。具体的には:
- 今日着る服を選ぶ
「どっちのTシャツがいい?」と2つの選択肢を用意して、自分で決めさせる。 - 遊びや学習の時間を決める
「宿題を先にする?それとも遊びを先にする?」と選ばせて、スケジュール管理を考えさせる。
自分で選んだ結果に責任を持つ経験を積むことで、判断力や自主性が育まれます。
3. 答えのない質問を一緒に考える
子どもが疑問に思ったことや日常のちょっとした話題を、「親子で一緒に考える時間」にしてみましょう。例えば:
- 「月はどうして丸いの?」
具体的な知識がなくても、想像力を働かせて考える過程が重要です。 - 「もし車が飛んだらどうなる?」
空想や仮定を楽しみながら、柔軟な発想力を引き出します。
正解を求めるのではなく、どんな意見でも「面白いね!」と受け入れることで、考えることが楽しいと思えるようになります。
4. 親が見本を見せる
親自身が日常の中で「考える姿」を見せることも、子どもにとって大切な学びの場になります。例えば:
- 買い物中の工夫
「この商品は安いけど量が少ないから、こっちの方がお得だね」といった判断の過程を口に出して説明する。 - ニュースへの感想を共有
「このニュース、こういう理由で良いアイデアだと思うよ」と、考えを言葉にして伝える。
親が考える姿を見せることで、子どもは自然と「考えることの大切さ」を学びます。
5. 失敗を前向きに活かす
子どもが何かを考えた結果、うまくいかないことがあった場合でも、それを責めるのではなく「次はどうしたらうまくいくかな?」とポジティブに受け止める姿勢が重要です。失敗も大切な学びの一部であることを伝えることで、試行錯誤する意欲が高まります。
まとめ:考える力を育てるための毎日の工夫を
考える力は、日々の小さな積み重ねで育つものです。「特別な時間を作らなければ」と気負う必要はありません。何気ない日常の中で「なぜ?」「どうして?」を増やし、子どもが自分の頭で考える習慣をサポートしてあげましょう。
親子で楽しみながら、考える力を育てる毎日を始めてみてください!