子どものやる気を引き出す!PNP法で褒めながら改善を伝える方法

子どもの成長には「褒めること」が欠かせません。でも、褒めるだけでは改善が必要な点をどう伝えるかが課題です。この記事では、子どものやる気を引き出しながら改善を伝える「PNP法」の具体的な使い方と、その効果について詳しく解説します。

目次

褒めるだけじゃ足りない?改善点を伝える重要性

子どもの成長を促すためには「褒めること」が基本です。親からの「すごいね」「頑張ったね」という言葉は、子どもの自信ややる気を育てる大切な要素です。しかし、褒めるだけでは気づかないこともあります。たとえば、学習の習慣がついていない、苦手な科目に取り組まない、というような改善が必要なポイントが見えてきますよね。

ここで重要なのが、「どうやって改善点を伝えるか」ということです。ただ「ここがダメだよ」「もっと頑張らないと」と伝えるだけでは、子どもが落ち込んでしまったり、反発してしまうこともあります。特に小さい子どもは「否定」よりも「肯定」を通じて物事を学びます。そのため、改善点を伝えるときには、子どもが前向きに受け止められる方法を意識する必要があります。

では、どうすれば改善点を伝えつつ、子どものやる気を引き出せるのでしょうか?ポイントは「伝え方」にあります。単に「こうしなさい」と指示するのではなく、子どもの行動を振り返りながら、自分で考えさせることが鍵です。この過程をサポートするために役立つのが「フィードバック」という考え方です。

フィードバックは、子どもの行動について良い点と改善点をバランスよく伝える方法です。このとき、「具体的であること」がとても重要です。「もっと頑張ってね」ではなく、「次は算数の問題を1問ずつ丁寧に解いてみようね」といった具体的なアドバイスを伝えると、子どもは何をすれば良いかが明確になり、次の行動に繋がりやすくなります。

また、改善点を伝える際には、言葉選びも大切です。「どうしてできないの?」と責めるような言い方ではなく、「こうしたらもっと良くなるよ」という前向きな表現を心がけると、子どもが素直に受け入れやすくなります。

褒めることは、子どものやる気を育てるための第一歩です。ただし、それだけでなく、適切に改善点を伝えることで、子どもがより大きく成長するチャンスをつかむことができます。そのためには、具体的で優しいフィードバックを通じて、子どもと一緒に成長を目指す姿勢が大切です。

このようにして改善点を上手に伝える方法として、次に「PNP法」を詳しくご紹介します!

子どものやる気を引き出すPNP法とは?

子どもに改善点を伝えるとき、ただ指摘するだけでは「やる気がなくなった…」なんてことになりがちです。そこで役立つのが「PNP法」というフィードバックの手法です。この方法は、子どもがポジティブな気持ちを持ちながら成長できる伝え方として、多くの場面で活用されています。

PNP法は、以下の3つのステップで構成されています:

  1. ポジティブ(Positive):まずは、子どもの良い点を具体的に褒めます。
  2. ネガティブ(Negative):次に、改善が必要な点を優しく指摘します。
  3. ポジティブ(Positive):最後に、再びポジティブな言葉で締めくくります。

この順序で伝えることで、子どもが改善点を受け入れやすくなるだけでなく、自分の行動に自信を持ちやすくなります。

PNP法の基本的な流れ

たとえば、こんな状況を想像してみてください。

  • 状況:子どもが漢字の宿題はしっかり終えたけど、算数の問題は後回しにしている。

この場合、PNP法を使うと次のような声かけになります:

  1. ポジティブ(褒める)
    「漢字の宿題、すごく頑張ってたね!集中して取り組む姿を見て、本当にすごいと思ったよ。」
  2. ネガティブ(改善点)
    「でも、算数の問題は少し後回しになっちゃったね。明日はもう少し早めに取り組んでみたら、もっとスムーズにできると思うよ。」
  3. ポジティブ(もう一度褒める)
    「漢字をしっかり終わらせたことは本当に素晴らしいよ!この調子で他の教科もできたら、もっとすごいね。」

この流れだと、改善点を伝えても子どもが落ち込むことなく、次に向けて前向きな気持ちを持ちやすくなります。

なぜPNP法が効果的なのか?

PNP法が効果的なのは、子どもの気持ちに寄り添いながら伝えることができるからです。「最初と最後に褒める」という構造によって、子どもは「自分はダメなわけじゃないんだ」と感じ、改善点を前向きに捉えることができます。

さらに、改善点を伝えるときに具体性を持たせることで、何をどうすれば良いかが明確になります。「何となく頑張れ」ではなく、「時間を変えてみたらどうかな?」といった具体的な提案をすることで、子どもが自分なりに解決策を考える手助けにもなります。

PNP法を成功させるコツ

  1. 具体的に褒める
    「すごいね!」だけで終わらず、「宿題を最後まで丁寧に取り組んで偉いね」と、どこが良かったのかを明確に伝えると効果が上がります。
  2. 改善点は優しく、短く
    改善点を伝える際には、長々と説教をしないのがポイント。「~したほうがいいよ」と簡潔に伝えることで、子どもが素直に受け入れやすくなります。
  3. 締めのポジティブを忘れない
    最後にポジティブな言葉で締めることで、子どもが次も頑張ろうと思える気持ちになります。

PNP法は、褒めることと改善をバランスよく組み合わせた素晴らしい手法です。親として、子どもと一緒に前向きな成長を目指していきたいですね。次は、PNP法を使った具体的な実例をご紹介します!

実践例:PNP法を使った効果的な声かけ

PNP法のポイントを押さえたら、次は実際にどのように使うのかを見てみましょう。ここでは、子どもの日常生活や学習の場面に応じた具体例を挙げながら、効果的な声かけ方法を解説します。

実例1:宿題をやりたがらない子どもへの声かけ

状況:子どもが宿題に取り組むのを後回しにしてしまい、なかなか始めようとしない場合。

PNP法を使った声かけ

  1. ポジティブ(褒める)
    「昨日、漢字の宿題を一人でしっかり終わらせたの、すごかったね!集中力があって本当に感心したよ。」
  2. ネガティブ(改善点)
    「でも、算数の宿題を少し遅い時間に始めると眠くなっちゃうみたいだね。明日は帰ってきたら早めに始めてみたらどうかな?」
  3. ポジティブ(もう一度褒める)
    「こんなに自分で工夫して宿題を進められるのはすごいよ!算数も早めに始めたらきっとスムーズに終わると思うよ。」

この声かけなら、子どもの良い行動をしっかり認めつつ、改善点を受け入れやすい形で伝えることができます。

実例2:苦手な科目に取り組まない子どもへの声かけ

状況:子どもが得意な科目ばかりやり、苦手な科目に手を付けない場合。

PNP法を使った声かけ

  1. ポジティブ(褒める)
    「英語の単語をたくさん覚えられるなんてすごいね!頑張った成果が出ていると思うよ。」
  2. ネガティブ(改善点)
    「算数も少しずつ取り組むと、もっとバランス良く勉強できるようになると思うよ。今日は英語をやった後に算数を1問だけでもやってみたらどう?」
  3. ポジティブ(もう一度褒める)
    「1問でもやってみようと思えるなんて、本当にえらいね!その努力が少しずつ成果に繋がると思うよ。」

苦手意識がある科目についても、少しずつ前向きな行動を促せるように工夫しましょう。

実例3:日常生活での改善を促す場合

状況:子どもが毎日ランドセルの片付けを忘れてしまう場合。

PNP法を使った声かけ

  1. ポジティブ(褒める)
    「今日は学校のプリントをちゃんと机に置いてくれてありがとう!すぐに確認できて助かったよ。」
  2. ネガティブ(改善点)
    「ランドセルの片付けもできると、明日の準備がもっと楽になると思うよ。帰ってきたら一緒に片付けてみようか?」
  3. ポジティブ(もう一度褒める)
    「学校から帰ってすぐ行動に移せるなんて、本当に素晴らしいよ!明日も一緒にやってみようね。」

日常の小さな行動でも、PNP法を活用すると子どもに「やればできる」という自信を持たせることができます。

実践のポイント

  • 改善点を伝えるタイミングに注意する
    子どもが疲れているときや機嫌が悪いときに改善点を伝えるのは避けましょう。リラックスした状態のときに話すと、受け入れられやすくなります。
  • 褒める内容は具体的に
    「頑張ったね」ではなく、「今日の漢字テストでミスが減ったのはすごいね」と具体的に伝えることで、子どもが自分の行動を振り返りやすくなります。

PNP法は、親子のコミュニケーションを円滑にするだけでなく、子どもが前向きに改善を目指す大きなきっかけとなります。ぜひ、日常の中で活用してみてくださいね!

フィードバックを活かす!言葉選びで変わる子どもの反応

子どもに改善点を伝えるとき、どのような言葉を選ぶかによって、その反応が大きく変わります。ちょっとした表現の違いが、子どものやる気を高めることもあれば、逆に落ち込ませてしまうことも。ここでは、フィードバックをより効果的にするための言葉選びのコツをお伝えします。

1. 「でも」「だけど」を避けて前向きな表現を

改善点を伝えるときに、「でも」「だけど」といった言葉を使うと、子どもは「自分の頑張りを否定された」と感じることがあります。こうした表現は、せっかくのポジティブなフィードバックを台無しにしてしまう可能性があるのです。

NG例
「今日は宿題を頑張ってたね。でも、算数は後回しにしちゃったね。」

このような言い方では、子どものモチベーションが下がってしまいます。

OK例
「今日は宿題を頑張ってたね!その調子で算数も早めに取り組んだら、もっとスムーズに終わりそうだね。」

「でも」ではなく「だから」「その調子で」といった前向きな接続詞を使うと、子どもは改善点を「次への期待」として受け止めやすくなります。

2. 抽象的な言葉ではなく具体的なアドバイスを

「もっと頑張ってね」「しっかりやろうね」といった抽象的な言葉では、子どもにとって何をどう改善すれば良いのかが分かりません。具体的なアドバイスを添えることで、次の行動が明確になります。

NG例
「もっとしっかりやってね。」

OK例
「算数の宿題は、まず最初の3問だけでも集中して解いてみよう。その後で休憩をとるといいかも。」

こうした具体的なアドバイスがあると、子どもは「これならできそう」と感じ、実行に移しやすくなります。

3. 子どもの気持ちに寄り添う言葉を選ぶ

改善点を伝える際には、子どもの気持ちに寄り添った言葉を使うことが大切です。「なぜできないの?」と責めるような言い方ではなく、「どうしたらうまくいくと思う?」と問いかける形にすることで、子ども自身が解決策を考えるきっかけになります。

NG例
「なんでまた忘れ物をしたの?」

OK例
「忘れ物を減らすにはどうしたらいいと思う?明日から一緒に考えてみようか。」

子どもが自分で考えた解決策を採用することで、やる気や自信がさらに高まります。

4. ポジティブな未来を想像させる言葉を使う

改善点を伝える際には、「これを克服すると、こんな良いことがあるよ」という未来を見せてあげるのも効果的です。子どもは、自分の努力がどう結果につながるのかをイメージすることで、意欲を持ちやすくなります。

OK例
「毎日少しずつ算数をやれば、次のテストで100点が取れるかもね!」
「明日から準備を早めにしてみたら、朝もっとゆっくりできるようになるよ。」

未来の成果を明るく具体的に伝えることで、子どもは「やってみよう」と思いやすくなります。


まとめ

フィードバックの効果を最大限にするには、言葉選びがとても重要です。「でも」ではなく「だから」、「もっと頑張って」ではなく具体的なアドバイスを。さらに、子どもの気持ちに寄り添いながら、ポジティブな未来を見せてあげることがポイントです。

親の言葉次第で、子どもは前向きに改善を目指すことができます。ぜひ、日々の声かけに工夫を取り入れて、子どもとの信頼関係をさらに深めてくださいね!

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