「具体と抽象」を理解して国語力を伸ばす!小学生から始める語彙力アップ法

小学校高学年になると、「国語が苦手」と感じる子どもが増えてきます。その大きな原因の一つが、語彙力不足です。特に抽象的な言葉の理解は、子どもにとって難しい課題。でも、具体と抽象の違いを正しく学べば、子どもたちは文章をスムーズに読み解けるようになります。本記事では、具体と抽象の基本的な考え方と、それを学ぶための効果的な方法を紹介します。

目次

国語が苦手になるのは「語彙力不足」が原因

小学校4年生頃から、「国語が苦手」と感じる子どもが増えます。親としては、「読み書きは問題なくできているのに、どうして?」と思うこともあるでしょう。その理由の一つが、語彙力不足です。

語彙力とは、言葉を知り、正しく使える力のことです。知らない言葉が増えると、文章の内容を理解することが難しくなります。特に国語のテストや読解問題では、見慣れない抽象的な言葉が多く出てくるため、つまずいてしまう子どもが少なくありません。

たとえば、「抽象的」「具体的」という言葉。身の回りのものやイメージしやすい言葉は理解できても、これらのような少し難しい言葉になると、意味が曖昧なまま流してしまう子も多いのです。

語彙力が不足すると、次のような問題が起こりやすくなります。

  • 文章全体の意味が理解できない
  • 質問の意図がわからず、答えられない
  • 読解問題が苦手になる

国語の問題は、ただ文字を読むだけでは解けません。その文章が何を伝えたいのかを考え、言葉の意味を正確に理解する必要があります。しかし、語彙力が不足していると、これが大きな壁になり、国語がどんどん苦手科目になってしまうのです。

子どもが国語を得意にするためには、まず語彙力を増やすことが欠かせません。それが文章理解の基礎となり、国語全体の力を引き上げる鍵になります。

「具体」と「抽象」って何?わかりやすく解説

「具体」と「抽象」という言葉を聞くと、難しく感じるかもしれません。でも、実は身近な例を使えば、小学生でもわかるシンプルな考え方です。この2つの言葉を正しく理解することで、国語の文章や問題がぐっと読みやすくなります。

まず、「具体」とは何でしょうか?簡単に言うと、見たり、触ったり、イメージできるものを指します。たとえば、飛行機、自転車、自動車のように、目で見たり頭の中で思い浮かべることができるものです。

一方、「抽象」はどうでしょう?「抽象」とは、いくつかの具体的なものの共通点をまとめて表したものです。たとえば、飛行機、自転車、自動車をまとめて「乗り物」と呼ぶことができます。この「乗り物」が抽象にあたります。

もう少し詳しく見てみましょう。

  • 具体の例
     - 飛行機
     - 自転車
     - 自動車
  • 抽象の例
     - 乗り物(上記の3つをまとめた言葉)

このように、「具体」は個別のもので、「抽象」はその共通点を抜き出したものです。

具体と抽象のポイント

具体と抽象は、単独で決まるわけではありません。何と比べるかによって、役割が変わることもあります。たとえば、「自動車」を考えてみましょう。「自動車」という言葉は、飛行機や自転車と比べると具体的ですが、バスやトラック、タクシーと比べると抽象的です。つまり、具体と抽象は、何と比較するかで変わるのです。

この考え方を理解することで、文章中の言葉や表現を正しく読み解く力がつきます。「具体的に説明せよ」などの設問に対しても、自信を持って答えられるようになるでしょう。

具体と抽象を理解するのは、国語を得意科目にするための第一歩です!

小学生でもわかる!具体と抽象の簡単な例

具体と抽象の考え方は、実はとてもシンプルです。日常生活の中にも、具体と抽象の例はたくさんあります。ここでは、小学生でもすぐに理解できる身近な例を使って説明します。

まず、こんな例を考えてみましょう。

  • (A)飛行機、自転車、自動車
  • (B)乗り物

Aにある飛行機、自転車、自動車は、それぞれ形も使い方も違いますね。でも、これらには「人や物を運ぶための道具」という共通点があります。この共通点を抜き出してまとめたものがBの「乗り物」です。

AとBを比べてみると…

  • A(飛行機、自転車、自動車)は、それぞれ具体的にイメージできるものなので、「具体」です。
  • B(乗り物)は、それらの共通点をまとめた抽象的な表現なので、「抽象」です。

もう少し細かい例で考えよう

ここで、自動車だけに注目してみましょう。

  • (C)バス、タクシー、トラック、救急車
  • (D)自動車

Cには、バスやタクシーなど具体的な車種が並んでいます。それぞれ異なる用途を持っていますが、共通点として「四輪で路上を走る乗り物」という特徴があります。これをまとめたのがDの「自動車」です。

  • C(バス、タクシーなど)は、それぞれ具体的なものなので、「具体」です。
  • D(自動車)は、それらをまとめた表現なので、「抽象」です。

大切なポイント

具体と抽象の関係は、何と何を比べるかによって変わります。たとえば、「自動車」という言葉も、バスやトラックと比べれば抽象的ですが、飛行機や自転車と比べれば具体的になります。

こうした具体と抽象の考え方を知ることで、文章を読むときや問題を解くときに「この言葉は何を表しているんだろう?」と考える力が身につきます。これは国語だけでなく、他の教科でも役立つ重要なスキルです!

小学生でも、こうした具体と抽象の関係を理解すれば、文章の意味がぐっとわかりやすくなりますよ!

具体と抽象の理解が国語力を伸ばす理由

具体と抽象の違いを理解することは、国語力を伸ばすためにとても重要です。この考え方が身につくと、文章を読む力だけでなく、自分の意見を伝える力や問題を解く力も大きく向上します。その理由を詳しく見ていきましょう。


理由1:文章の意味が正確に理解できるようになる

文章には、具体的な例だけでなく抽象的な表現が数多く出てきます。特に説明文や評論文では、「愛」「平和」「価値観」のような抽象的な言葉が頻繁に使われます。具体と抽象の関係を理解していると、こうした言葉の意味を文章の流れから捉えやすくなります。

たとえば、次のような文章を考えてみましょう。

「自動車、飛行機、自転車など、乗り物は人々の移動手段として大きな役割を果たしてきた。」

この文章では、「乗り物」という抽象的な言葉が使われていますが、その前後の具体例(自動車、飛行機、自転車)を手がかりに、「乗り物」の意味を理解できます。このように、具体例と抽象的な言葉の関係を意識することで、文章全体の内容を正確に理解できるのです。


理由2:記述問題に強くなる

国語のテストや受験では、「具体的に説明せよ」や「抽象的な表現を具体例を使って説明せよ」といった問題がよく出題されます。具体と抽象の関係を理解していれば、どのように答えればよいのかが明確になります。

たとえば、「友情とは何か」を説明する問題が出たとします。この場合、抽象的な「友情」を具体例を使って説明することで、説得力のある回答が書けます。

「友情とは、困っている友達を助けたり、一緒に喜びを分かち合ったりする関係のことです。たとえば、友達が学校で忘れ物をしたときに、自分のノートを貸してあげるのは友情の一つです。」

このように、抽象的な言葉を具体例で補強する力がつくと、記述問題で高得点を取ることができるようになります。


理由3:自分の意見をわかりやすく伝えられるようになる

具体と抽象を使い分ける力は、文章を書くときや発表をするときにも役立ちます。たとえば、自分の意見を述べるときに、抽象的な表現だけでは相手に伝わりにくい場合があります。具体的な例を加えることで、説得力がぐっと増します。

「読書は子どもたちにとって大切です。」
だけでは抽象的ですが、
「たとえば、読書をすることで語彙力が身につき、文章を正確に理解する力が伸びます。」
と具体例を加えると、なぜ読書が大切なのかが相手に伝わりやすくなります。


理由4:他教科にも応用できる

具体と抽象の考え方は、国語だけでなく、数学や理科、社会など他の教科にも応用できます。たとえば、数学の「三角形」という言葉は、抽象的な概念です。これを具体的な例(直角三角形、二等辺三角形など)と関連付けて考えることで、理解が深まります。


具体と抽象を理解することは、国語力を伸ばすだけでなく、子どもたちがさまざまな場面で論理的に考える力を身につけるための基礎となります。この力を身につければ、国語の苦手意識も克服できるでしょう!

家庭でできる「具体と抽象」を学ぶ練習方法

具体と抽象の考え方を身につけるには、日常生活の中で練習することが大切です。学校や塾だけでなく、家庭でも親子で楽しく学べる方法を取り入れることで、子どもたちの理解がより深まります。ここでは、家庭で簡単にできる練習方法をいくつかご紹介します。


1. 身近なものを使った具体と抽象の練習

まずは、子どもの身の回りにあるものを使って、具体と抽象の違いを教えてみましょう。たとえば、以下のような会話を通じて、親子で考える時間を作ってみてください。

例1:フルーツを使った練習

  • 親:「リンゴ、バナナ、ぶどう、これらを一つの言葉でまとめると何かな?」
  • 子:「果物!」
  • 親:「そうだね。果物は“抽象”で、リンゴやバナナは“具体”だよ。」

例2:動物を使った練習

  • 親:「犬、猫、ウサギをまとめると何て言う?」
  • 子:「動物!」
  • 親:「その通り!じゃあ、“動物”の中に含まれるのはどんなものがあるか、ほかにも考えてみよう。」

このように、具体的なものを抽象的な言葉でまとめたり、抽象的な言葉から具体例を挙げたりする練習を繰り返すことで、子どもが自然に具体と抽象の関係を理解できるようになります。


2. 国語の文章で具体と抽象を探す

読書や学校の教科書を使って、文章の中から具体と抽象を見つける練習をしてみましょう。たとえば、以下のように文章を区別します。

例文

「乗り物は人々の生活に欠かせません。たとえば、自動車や電車、飛行機があります。」

  • 「乗り物」:抽象
  • 「自動車、電車、飛行機」:具体

子どもと一緒に、「どの言葉が抽象で、どれが具体かな?」と話し合いながら進めると、文章を読む力が養われます。


3. 日常会話で具体と抽象を意識する

日常会話の中で具体と抽象を意識すると、楽しく学べます。たとえば、夕食のメニューを考えるときに次のようなやり取りをしてみましょう。

  • 親:「今日の晩ごはんは何がいい?」
  • 子:「カレーがいい!」
  • 親:「じゃあ、カレーは具体だね。それをまとめると何になる?」
  • 子:「ごはん…?あ、料理か!」

このように、普段の会話に具体と抽象を取り入れるだけで、子どもが自然と考える力を育むことができます。


4. ゲーム感覚で楽しむ具体と抽象のクイズ

子どもが楽しみながら学べるように、ゲーム感覚のクイズを取り入れるのもおすすめです。

具体と抽象クイズの例

  • 親:「“スポーツ”という言葉に含まれる具体例を3つ挙げてみよう!」
  • 子:「サッカー、バスケ、水泳!」
  • 親:「じゃあ、“スポーツ”をもっと大きな言葉にすると何になるかな?」
  • 子:「運動?」

このようにゲーム形式にすることで、子どもたちが積極的に参加し、楽しく学べます。


5. 絵や図を使った練習

図や絵を使って具体と抽象を視覚的に学ぶ方法も効果的です。たとえば、次のような図を描いてみましょう。

  1. 真ん中に「乗り物」と書いて、その周りに「自動車」「飛行機」「自転車」を描く。
  2. 自動車の周りに「バス」「タクシー」「トラック」などをさらに追加する。

こうすることで、具体と抽象の関係が一目でわかり、子どもたちが理解しやすくなります。


具体と抽象の考え方は、国語だけでなく、他の教科や日常生活でも役立つスキルです。親子で楽しく練習しながら、この力を自然に身につけられるようサポートしていきましょう!

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