数学は暗記科目ではない
(前号からの続きです。)
暗記型と理解型
公式やパターンなどを丸暗記してしまう暗記型の学習の場合、やったことのある問題は解けるのに、それ以外は解けないケースが多いのです。
一方、定義や定理から理解し、「なぜそうなるのか」を納得しながら進める理解型の学習は解いたことのない問題に対しても解法を応用し解くことができるのです。具体例を挙げます。
❶具体例1
問「√5の小数部分を求めよ。」
1.暗記型の場合
√5=2.2360679…(ふじさんろくおうむなく)であるから、整数部分を引いて、√5-2である。
語呂で覚えていれば答えを求めることができますが、それ以外のものについてはできないということになります。
2.理解型の場合
2<√5<3であるから、√5-2である。
語呂で覚えていなくても、22<5<32であることから導くことができます。根号の中がどんな数でも答えることができる、つまり応用が可能です。答えは暗記型でも求められますが、理解型であれば以下のような応用問題も解くこともできます。
❷具体例2
問「√10-√2の小数部分を求めよ。」
1.暗記型の場合
√10と√2両方の概数の語呂を覚えていなければ解けません。
2.理解型の場合
以下のように解くことができます。
(√10−√2)2 =12−√80
8<√80<9より3<12−√80<4だから
1<(√10−√2)2<4
1<√10−√2<2
よって、小数部分は√10−√2−1
このように、典型的なパターンから様々な問題に応用することができるのは、暗記型ではなく理解型であると言えます。 (次回「数学における自学力のベース」へ続く)