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2020サンライズ通信7月号No.223

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玄人の道楽

人は実力の差があまりにもありすぎると、その人の言動を理解できないものです。頭で理解が追い付かないという言い方もしますが、喋っている内容が理解できず聞けば聞くほどに混乱していくものです。頭でいくら知ったからといっても、頭でわかったことは実行することはできません。実践者は場数の質量が日々に圧倒するほどにありますから、実力の差は開く一方です。それなのに早くわかりたいからと相手のせいにするのはまったくのお門違いであり、もしも早くわかりたいのならその分の努力と精進、それ相応の実践場を積んで自分の実感と実力を兼ね備えるために苦労をすることです。楽をして手に入ったものはすぐに失いますが、苦労をして手に入ったものは一生涯自分を助けてくれます。まさに玄人の由縁です。

世間一般的な学校教育では、過保護過干渉に先生が生徒に教えなければならない構造になっています。もしも自分が勉強ができないのなら、それは教えない先生の指導が悪いという言い方をします。常に教員は評価され、指導力の可否を判断されるところに晒されています。

しかしよく考えてみると、本来の「先生」とは知識が多い人を言うのではなく、その道の先達、達人、プロのことですから実力者のことをいいます。

私は人生の中で、相手の言っている言葉が理解できないと自分で自覚するとすぐにそこに実力の差があることを実感します。例えば、芸事に達している先生にお会いした時、徳のある大経営者にお会いした時、その道の一流と接したとき、明らかに自分の頭は喋っている言葉もやっていることもまったく理解が追い付きません。圧倒的に実力の差を感じるのです。

いくら質問して回答をもらっても、それは頭では何を言っているのかさっぱりわかりません。だからといって何回も説明を求めてもそんなものは役に立たないどころか、相手が先に諦めて「この人は自分で近づこうと努力しない人だな」とそれ以上の説明をするのをやめてしまうだけです。そうとはいえ、頭でわからないからと理解できないことを避けていたら近づくことはまったくありません。だからこそ「ご指導ください」と謙虚に素直に弟子入りするのです。この指導という字は、分解すればすぐに理解できますが「指し示しお導きください」と書きます。つまり前提として全てをやるのは自分、先生は方向性を示し何か本人が迷ったときに自分ならばこうやると導いてくださるのです。しかしこの指導こそ、その人の生き方に触れるところです。そして日々の仕事もまた仕事道ですからリーダーを中心にみんなが実力を兼ね備えてその道のプロとして達していく必要があります。

私のメンターたちは、勝手に私がメンターとして尊敬されて迷惑もあるかもしれませんが徹底して実践をして、近づいていこうとするからいつも有難く導いてくださいます。もしも相手にあなたの説明が足りないなどと迫り責める姿勢であったり、あの人の教え方や言い方の問題などということに不満を思うのなら論外なことであり決して導かれることはありません。まさに理屈でだけ理解する学問は、まさに道の外(外道)でやっている話です。

こうやって文章を書いていてこれを読んだしても、これは単なる説明であって導きではありません。導きは常に実践現場の中にあります、自分からやってみて同じようになるか近づいていくこと、その人の判断基準や生き方に触れてその体験からの知恵を自分のものにしていくこと、それが近づいていくということです。つまり「自分から取り組んでいく質量」の分だけ近づいたということです。それが導かれた分量にもなります。

そのように主体的に自発的に自分から導かれることではじめて成長し、師弟共に学び合い道を究めていく楽しさや仕合せのプロセスと結果を得ることができるのです。

道は楽しむことによって道中のご縁に導かれていきます。

子どもたちに道の楽しみが伝道できるように、日々の仕事を楽しみ、さらなる精進を重ねていきたいと思います。

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